生命保険の選び方

2023.08.29

40代で子どもがいる夫婦に必要な保険は?【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

40代のご夫婦は働き盛りで収入が増え、生活が充実するいっぽうで、子どもの教育資金や住宅ローンの返済などの支出も大きくなります。ライフステージの変化とともに健康状態にも大きな変化が起こる時期です。友人の間でも、入院や手術をする人が増え、健康のことが話題に上りやすくなるでしょう。

ライフステージや健康状態の変化に合わせて、医療保険を含めた保障全体を見直す必要性が高まります。

この記事では、40代で子どものいる夫婦に必要な保障と保険の選び方について解説していきます。

死亡保障や医療保険の必要性と見直し方

どんな保険でも、加入する前に「どんなときに保障を受けたいのか」「そのときには、どのくらいの金額が必要なのか」を把握することが大切です。

40代のご夫婦に必要な保障は主に次のようなものです。

  • 収入を得ていた人が万が一亡くなった場合の死亡保障
  • ご家族が病気になった場合の医療保障
  • 火災保険や自動車保険などによる補償

40代でご夫婦の一方が亡くなった場合、遺された家族の受ける影響はとても大きいです。万が一の場合に残されたご家族が必要とするお金を把握しておきましょう

遺族(のこされたご家族)の支出−遺族(のこされたご家族)の収入=死亡保障として必要な金額

「遺族の支出」としては、毎月の生活費や子どもの教育資金、家賃、その他が考えられます。「遺族の収入」はのこされた配偶者の収入や遺族年金、貯金などです。

教育資金の目安 

教育資金は一般的に、1人につき約1,000万円ほどかかるといわれています。これはすべて国公立の幼稚園・学校に進学した場合のものです。

進学先がすべて私立校だった場合、約2,000万円になると言われています。子どもの進学先をある程度想定して、どれくらいの資金が必要になるのか把握しておくことが重要です。

  公立 私立
幼稚園 165126 308909
小学校 352566 1666949
中学校 538799 1436353
高校(全日制) 512971 1054444
※参考:令和3年度子供の学習費調査|文部科学省

▼大学入学初年度にかかる費用

  国立大学 私立大学
入学料 282000 245951
年間授業料 535800 93943
合計 817800 1176894
※参考:国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省

遺族年金の目安

遺族年金とは、国民年金や厚生年金の被保険者が死亡した時に、その方に生計を維持されていた遺族に支給される年金です。

国民年金から支給される遺族基礎年金と会社員、公務員が加入する厚生年金から支給される遺族厚生年金があります。

遺族基礎年金の目安(令和5年時点)は、年間795,000円+子の加算で計算されます。

子の加算分は、第一子と第二子はそれぞれ228,700円、第三子以降は76,200円となっています。 

子どもが18歳に到達した年度末(高校3年生の3月)まで支給されます。

遺族厚生年金は、年収や年齢によって異なりますが、年間40〜50万円前後が平均額とされています。

葬儀費用

葬儀費用はご夫婦2人分を、それぞれ用意しておく必要があります。一般的な葬儀費用は全国平均でおよそ110万円ほどかかると言われています。

参列者が持参するお香典の費用である程度カバーできますが、それでも自己負担が60万円程度はかかると考えられます。

なお、加入している健康保険から、葬祭費や埋葬料を受け取ることができる場合があります。

以上のように、自分が亡くなった後に遺族が必要とする資金について事前に把握し、準備しておきましょう。

医療保険の見直しポイントとタイミング

医療保険は、病気で入院した場合に必要な医療費や、減少した収入への保障を得る目的で加入する保険です。

40代までに加入している人も多いかと思いますが、医療事情の変化や家庭で必要な保障の変化に合わせて見直すことが重要です。すでに加入している保障内容、保障額、保障期間が自分に適しているのかを改めて確認しましょう。

損しないために最新の医療事情をチェック

たとえば、がんの入院は以前に比べて短くなり、数日の入院だけであとは自宅療養となるケースが増えてきています。

この場合「入院開始4日目や7日目以降から給付金が受け取れる」ような医療保険ではあまり役に立ちません。

短期入院や通院治療にも対応している保険に見直しすることを考えてみましょう

以前に加入した医療保険に、そのまま加入し続けていると、最新の医療事情に適していない保障もそのままになってしまいます。

ご自身だけで見直すことが難しいと感じるときは、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみましょう。

男性と女性で必要な保障内容が違うことも

男性と女性でかかりやすい病気が異なります。治療法や療養期間、社会復帰までの流れも違うので、男女によって必要な保障が異なります。

有病率に男女差がある主な疾患 ※人口10万人対 (単位:千人)
疾患 男性 女性
胃の悪性新生物 187 95
直腸S状結腸移行部及び
直腸の悪性新生物
110 54
肝及び肝内胆管の悪性新生物 62 27
乳房の悪性新生物 6 832
腎及び腎盂の悪性新生物 42 18
膀胱の悪性新生物 130 34
甲状腺の悪性新生物 15 71
皮膚の悪性新生物 14 39
脂質異常症 1249 2762
アルツハイマー病 220 574
急性心筋梗塞 56 19
大動脈瘤及び解離 68 33
肝硬変
※アルコール性を除く
35 72
痛風 230 7

※参考:令和2年(2020)患者調査|厚生労働省

今の保険にがん特約、女性疾病特約などの追加も

医療保険を見直す場合、今契約している保険に特約を追加することもできます。追加されるのは特約の保険料だけのため、すべて切り替えるよりお得に見直しができる可能性があります。

契約時点では必要ないと思った特約も、40代になった今、必要と感じるケースがありますので、確認してみましょう。

就業不能保険も検討

病気やケガで働けなくなった時に給付金がもらえる「就業不能保険」があります。

想定外のことで働けない場合に収入が途絶えると、予想以上に家計が苦しくなるかもしれません。そのようなとき、十分な保障を得るために、就業不能保険を選ぶのも1つの方法です。

ただし、就業不能保険は掛け捨てで高額なものも多いので、月々の保険料支払いが負担になる可能性もあります。

支払い保険料が家計を圧迫しないのであれば、検討してみるのも良いでしょう。

保険料の月額は安いほうがいいの?

医療保険だけでなく、どのような保険も「万が一の場合に必要な保障(お金)が用意できるように」という目的で加入するものです。その目的を果たせる保険として、複数の候補があるのなら、そのなかで保険料の月額が安いものを選ぶのもよいでしょう。

でも、毎月の支払い額を抑えるために保障内容を削りすぎ、結果として万が一のときに保障が足りず、お金に困る事態になるのは本末転倒です。

医療保険の見直しをした結果、月々の保険料が高くなる場合もありますが、家計を圧迫しない範囲で、納得のいく保険料と保障を設定しましょう。

保険を大きく見直すなら40代がチャンス

保険の見直しをするタイミングとしては、40代が大きなチャンスです。

理由は、40代以降に保険料が一気に高くなってしまうためです。

40代を超えたタイミングで保険料が高くなるのは、生活習慣病や三大疾病のリスクが上がってしまうためです。

また、一度大きな病気になってしまったら、その後は保険の見直しができない可能性も考えておく必要があります。

持病や通院歴があると、通常の保険に加入できなくなるかもしれませんので、大きな病気を患う前に、保険を検討しておくことも大切です。

これまでとあまり変わらない保険料で、より充実した保障が受けられるのであれば、今すぐに見直しましょう。

まとめ

結婚や出産時などに加入した生命保険、医療保険も、40代は見直す大きなチャンスです。加齢によって保険料が高くなってしまう前のタイミングで見直しをしましょう。

子どもの成長や、住宅購入などライフステージの変化に合わせ、必要な死亡保障額は下がっていくことが多いです。保障額を減額すれば月々の保険料を下げることもできるかもしれません。

なお、支払った保険料は、生命保険料控除を利用すると税負担が軽くなる可能性があるのでご確認ください。

無駄な保障は削り、必要な保障を確保した上で、老後の資金準備や、親世代の介護などの備えを始めることも大切な時期です。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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