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2024.03.15
健康診断で要再検査だと保険に加入できない?【住宅FP関根が答える!Vol.93】
みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。生命保険にはどのように加入するかご存知でしょうか。生命保険に加入する時多くの場合、過去の傷病歴に関する告知が必要です。代表的な告知内容は以下になります。
- 最近3か月以内に医師の診察、治療、投薬を受けたことがありますか?
- 過去5年以内に7日以上、医師の診察、治療、投薬を受けたことがありますか?
- 身体の障害、背骨の変形、手足指の欠損や機能障害はありますか?
- 過去2年以内の健康診断、人間ドックで異常(要再検査、要治療、要精密検査)を受けたことはありますか?
- 今までがん、または上皮内新生物にかかったことはありますか?
- 現在、妊娠をしていますか?
などになります。この中で指摘されることが多いのが「過去2年以内の健康診断や人間ドックで異常を指摘されたことはありますか」という項目になります。健康診断の結果次第では保険の加入を断られることもあり、診断結果の数値や再検査結果が心配なところです。健康診断において指摘されている場合、保険の加入はできないのかを考えていきましょう。
健康診断の結果による保険の加入可否
健康診断において指摘される内容として要経過観察、要再検査、要精密検査、要治療と大きく分けると4段階に分かれています。要経過観察は異常が見られるものの今すぐに治療に進まなければいけないということではなく、医師が定期的に観察をし、異常の進行を常にモニタリングしていく必要があるということです。
多くの生命保険会社において健康診断結果は“要再検査”以上になった場合、告知義務が発生します。「健康診断結果で要再検査の指摘があるのですが、保険に入ることはできませんか?」といった質問をたまにお客様に聞かれることがあります。健康診断結果で指摘が入っていると心配になってしまうことも多いのですが、こういった指摘が入っていても、保険に加入できないということではありません。
要再検査の指摘を受けたあとに実際に再検査を受けたのか受けていないのか、さらに再検査結果がどうなっているかで大きく変わります。要再検査の指摘をされていても後日病院に行き、再検査を受け、再検査結果に異常が見られない場合、告知書には「再検査結果、異常なし」と告知することにより、審査が通ることは多いです。
一方で、問題なのは健康診断で再検査の指摘を受けているにもかかわらず、再検査を受けていない場合です。健康診断結果で異常を指摘されていても再検査を受けない人は意外と多いです。仕事が忙しい、なんとなく自分は病気になってはいないだろうといった過信もあり、再検査を受けないという方は一定数おります。再検査の指摘があるにもかかわらず、再検査を受けていない場合、指摘項目によってはマイナスにとられてしまい保険の加入を断られる可能性もあります。
ただその一方で、例えば肥満体系の方などはLDLコレステロールや中性脂肪など、脂質系の異常で要再検査を求められる人もいます。こういった場合には再検査を受けていなくても、LDLコレステロールで190以下、中性脂肪で40から400など、保険会社ごとの引き受け範囲が決められており、これらの数値内に入っている場合には、再検査を受けていなくても、保険に加入できる可能性は十分にあります。
もし健康診断結果の指摘により保険に入ることができなかった場合、引き受け基準緩和型の保険に入るという選択もあります。引き受け基準緩和型医療保険の場合、告知内容が通常の医療保険よりも緩和されており比較的基準が緩くなっています。代表的な告知事項として以下のようなものがあります。
- 過去2年以内に入院や手術をしたことがある。
- 過去5年以内にがんで入院や手術をしたことがある。
- 現時点でがんや肝硬変と医師に診断または、疑いがあると指摘されている
などです。通常の入院保険に比べ告知内容がかなり緩やかになっていることが分かると思います。もちろんその分保険料は高くなってしまうのですが、通常の医療保険に入れなかった場合、緩和告知型の入院保険に入るという選択をとることも可能です。
会社員の人は職場で健康診断を受けさせられることも多く、健康診断を受けていない人は少ないですが、最近はフリーランスという就労体系を選ぶ人も多くなってきました。フリーランスの場合、市町村の国民健康保険に加入することになるため、健康診断を受けることも自分で管理することになり、人によっては面倒くさがって受診しない人もいます。
日本においては健康保険法に基づき、20歳以上の人は原則として1年に一度、健康診断の受診が義務付けられています。健康診断は病気における早期発見や予防などに必要なものです。去年受けたからなど頻度を減らして健康診断を受けていると、気が付いた時には早期ではなくなってしまうこともあります。1年に一度の受診が大切です。
WRITER’S PROFILE
㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直
ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。