契約前に知っておきたい
2022.03.10
がんになった人でも入れる保険はあるの?
がんにかかると入院や手術で多くの医療費が必要になります。また治療後も再発や転移の可能性があるため、医療保険に入りたいと考える人もいるでしょう。しかし、治療が終わっていてもがんになったことがある人は保険に加入しにくくなります。
それでは、がんを経験している人は、医療保険に新規加入はできないのでしょうか。がんになった人でも入れる保険はあるのかどうか、この記事で詳しく解説します。
なぜがんになった人は保険に入りにくいの?
そもそも一度がんになった人はなぜ保険に加入しにくくなるのでしょうか。その理由は、がんは再発や転移の可能性が高い病気だからです。
そのため、がんになった経験がある人は他の人よりもがんになりやすく、保険会社から見ると保険金を支払う可能性が高い人だと言えます。
しかし、保険は相互扶助のしくみなので、保険金が支払われる可能性が高い人を加入させると他の加入者に対して不公平が起こります。保険の加入者間の公平性を保つことを公平性の原則と言い、そのために保険会社はがん経験者を加入させることに消極的なのです。
がん経験者でも入れる医療保険はある?
結論から言うと、がんになった人でも入れる医療保険はあり、それが引受基準緩和型、無選択型などと呼ばれる保険です。これらの医療保険は病歴のある人でも入りやすいように健康状態に関する審査基準をゆるくしています。そのため、がんの経験があっても加入できる可能性があるのです。
ここでは、3つのタイプの医療保険について、がんになった人が入りやすいかどうかや、その特徴などを解説します。その3つのタイプとは
- 一般的な医療保険
- 引受基準緩和型医療保険
- 無選択型医療保険
です。医療保険を選ぶ参考にしてください。
一般的な医療保険
医療保険の加入に際してはこれまでの病歴など、健康状態に関する告知が必要なため、過去にがんになった人は加入を断られることが多いでしょう。
しかし、保険会社によって加入のための審査基準は異なるため、保険やご自身の健康状態によっては加入できる医療保険が見つかる可能性はあります。たとえば、がんを最後に治療してから5年以上経過している、かかったがんが良性腫瘍であった、などの所定の基準を満たしていれば保険に加入できるものもあります。
引受基準緩和型医療保険
一般的な医療保険への加入が難しい場合は、検討したいのが引受基準緩和型医療保険です。限定告知型とも呼ばれる引受基準緩和型保険は、一般的な医療保険に比べて、健康状態に関する告知項目を少なくすることで契約を引き受ける基準をゆるくしてあります。
以下がその告知項目の例です。
・過去3カ月以内に手術や入院の経験があるか
・過去5年以内にがんで手術や入院をしたことがあるか
すべての質問に「いいえ」と答えられるなら、引受基準緩和型医療保険に加入できる可能性があります。ただし、一般的な医療保険に比べると保険料が高く、また保険に加入してから一定の期間は保障額が少なくなる条件がついていることが多いです。
無選択型医療保険
無選択型医療保険は健康状態に関する告知が不要なので、がんの経験を理由に加入を断られることは原則としてないでしょう。
しかし、引受基準緩和型医療保険よりもさらに保険料が高く、保険金が支払われない免責事項が定められていることも多いのが無選択型医療保険です。免責事項には、加入前にかかったことがある病気や、それに関連する病気には保険金が支払われないといったものがあります。
過去にがんになり、再発や転移の心配から医療保険への加入を探している人もいるでしょう。しかし、上記のような条件がついている無選択型医療保険では、そのニーズに応えることはできません。
無選択型医療保険へ加入する際は、申し込みの前に保険料と保障内容をよく確認してみましょう。
がん経験者でも入れるがん保険はある?
がん保険は、がんと診断された時や、がんの治療のため手術や入院に際して手厚い保障が受けられる保険です。
一度がんが治った人で、万が一の再発や転移のためにがん保険に入っておきたいと考える人もいるでしょう。
しかし、医療保険の項目でも解説した通り、がんが再発や転移をする病気だからこそ、保険会社はがんを経験した人を保険に加入させることに慎重なのが一般的です。そのため、がん経験者は加入を断られたり、もし加入できても保険料が高めになってしまうのは他の保険と同じです。
一方で、近年のニーズの高まりにしたがって、がんの治療後に一定の期間が過ぎた方を対象とするがん保険を販売している保険会社もあります。入れる医療保険が見つからない人は、がん経験者向けのがん保険も検討してみてください。
一般的ながん保険
一般的ながん保険の加入審査でのポイントは3つあります。
- 現在がんにかかっている
- 過去にがんになったことがあるか
- 肝炎のような将来、がんになる可能性が高い病気にかかったことがあるか
がん経験者の場合、この3つの質問すべてに「いいえ」と答えるのは難しいです。そのため、残念ながら一般的ながん保険は加入できないケースが多いでしょう。
がん経験者のためのがん保険
がんになったことがあるが新しくがん保険に入りたいというニーズに応えるために、がんを経験した人のために作られたがん保険もあります。
加入できるがんの種類が決まっているものもありますが、がんの治療終了から一定期間が過ぎている人なら比較的入りやすい保険です。
ただし、一般的ながん保険と比べると保険料が高めです。加入を検討するなら保険料の負担に見合うだけの保障を受けられるのかをよく確認するといいでしょう。
まとめ
がんになった人は保険に入りにくくなりますが、なかには引受基準緩和型や無選択型、またはがん経験者向けのがん保険などのような保険もあります。
ただし、そうした保険は一般的な保険よりも保険料が高めに設定されていることが多いです。そのため、保険料負担に見合うだけの保障を受けられるのか、加入前に確認するのが良いでしょう。
この記事が過去にがんになった人で、入れる保険を探している人の参考になれば幸いです。
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リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。