保険の基礎知識

2022.11.16

がん保険の受取人は本人以外もなれる?受け取れない場合の注意点

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。

がん保険に加入する際、給付金の受取人を決める必要がありますが、受取人以外を指定したいと考えている人もいるかもしれません。また、受取人を被保険者本人とした場合、手続きはスムーズになりますが、万が一本人が請求できないとがん保険が無駄になってしまうのではないかと不安な人もいるのではないでしょうか。

この記事では、がん保険の受取人に指定できる人はだれかや受取人を本人にするメリット、本人が給付金を請求できない時の取り扱いを解説します。

がん保険の受取人は被保険者が原則

がん保険を契約する際、もしもの時にだれが給付金や保険金を受け取るのかを決める必要があります。現在、がん保険の受取人には被保険者本人がなるのが原則ですが、配偶者や子どもなどの身近な家族も受取人となる資格があります。ただし、古い契約では家族以外が受取人となっているがん保険もあるかもしれません。

ここでは、がん保険における契約者・被保険者・受取人とは何かと、がん保険で受取人に指定できる人について解説します。

保険の「契約者」「被保険者」「受取人」とは

がん保険などの保険契約では、契約者・被保険者・受取人という用語が頻繁に使われるため、ここでそれぞれの定義を確認しておきましょう。

  • 契約者(保険を契約して保険料を支払う人)
  • 被保険者(保険の対象となる人)
  • 受取人(保険金を受け取る人)

たとえば、自分ががんになった時に備えてがん保険に入る場合、保険契約の契約者・被保険者・受取人はすべて自分です。このように、3者がすべて同じ人になることもあれば、すべて異なる人にすることもできます。

また、保険契約の契約者と受取人は、一定の条件のもとで変更することも可能です。ただし、契約期間中に被保険者は変えられません。被保険者の年齢や職業、健康状態に応じて保障内容や保険料が決まっているためです。

がん保険の受取人になれる人

がん保険の受取人は原則として被保険者本人ですが、条件を満たしていれば本人以外の人も指定できます。多くのがん保険で、受取人に指定できることが多いのは以下に当てはまる人です。

  • 契約者
  • 被保険者
  • 配偶者
  • 1親等の親族(両親・子)
  • 2親等の親族(祖父母・孫・兄弟姉妹)

なかには三親等以内の親族まで指定できる場合もありますが、いずれにせよ、基本的には受取人に指定できるのが血縁関係のある親族のみだと考えておくと良いでしょう。ただし、保険会社によっては内縁関係(事実婚)のパートナーや婚約者を指定できることもあります。該当する人は確認してみましょう。

なお、ここで紹介した受取人のルールは、最近契約されたがん保険、または、これから契約するがん保険に適用されるものです。古い契約では、被保険者以外が受取人となっている場合もあります。

がん保険の受取人を被保険者にするメリット

がん保険の受取人は被保険者本人以外の親族などに指定することも可能ですが、本人が受取人となることには3つのメリットがあります。ひとつずつ見てみましょう。

給付金を早く受け取れる

受取人が本人であるメリットは、手続きがスムーズになるため、給付金を早く受け取れることです。がんの確定診断を受けてから給付金を受け取るまでには、申請や書類の準備などいくつかのステップがあります。本人であれば書類の準備なども比較的スムーズですが、本人以外が申請する場合では、身分証明書などを使った本人確認などがその都度必要になることもあり、手続きが遅れてしまいます。また、治療が長期間にわたる場合は、途中で何度か給付金を申請することもあるかもしれません。受取人が本人であれば、治療が長期化しても申請のたびにほかの人に依頼する手間が省けるというメリットもあります。

がんを家族に秘密にできる

がん保険の受取人を本人にすれば、保険会社との手続きを自分でできるため、がんになったことを家族に知らせなくても給付金を受け取れます。がんであることを家族に秘密にしたい人にとってはメリットです。

付随サービスを受けやすい

がん保険には、がんになった人をサポートする付随サービスが用意されているものがあります。

  • がんの治療に対する悩み相談
  • セカンドオピニオンサービス
  • 仕事や食事など生活に関する悩み相談

家族に話しにくい悩みや専門家やがん経験者でなければわからない悩みなどを、がん専門のカウンセラーや医師に相談できます。受取人が本人であれば、こうした付随サービスをスムーズに利用できるでしょう。

被保険者本人ががん保険の給付金を請求できないとき

がんになったなど、がん保険の給付金支払事由が発生した際、基本的に受取人以外は給付金の請求ができません。しかし、なかには受取人本人に意識がない、体を動かせないなど、本人からの請求ができない状態になることも考えられます。また、被保険者本人が、がんになったことを知らされていない場合もあるかもしれません。

このように、受取人本人ががん保険の給付金を請求できない場合に備えて、多くのがん保険では契約時に指定代理請求人を指定する必要があります。

指定代理請求制度とは

指定代理請求人とは、本人に特別な事情がある場合に、本人に代わって給付金を請求できる人です。以下のような時に、特別な事情があるとみなされます。

  • 受取人が、給付金を請求する意思表示ができない状態にあるとき
  • 受取人が、がんまたは余命の告知を受けていないとき
  • 上記2つのケースに似た状態にあるとき

指定代理請求人になれる人

がん保険の受取人と同じように、指定代理請求人に指定できる人にも条件があります。詳細は保険会社によって異なりますが、

  • 戸籍上の配偶者
  • 直系血族
  • 3親等内の親族

など、被保険者と血縁関係があれば、指定代理請求人に指定できることが多いでしょう。また、内縁関係(事実婚)のパートナー・婚約者などの関係性を証明できれば、血縁関係がなくても指定代理請求人に指定できることもあります。

指定代理請求人がいない場合

指定代理請求人を指定していない、または、指定代理請求人が亡くなっている場合もあるかもしれません。その場合は、被保険者の配偶者、もしくは直系血族の代表者が代理人として給付金などを請求できます。

受け取った保険金は課税対象となる

保険金を受け取る際は、税金面で注意が必要です。保険金受取人が受け取った保険は、保険料支払者(契約者)からお金を受け取ったことと同意になり、贈与税の対象になります。贈与税は所得税と異なり申告制度(自分で税金を計算して払う)ため、必ず手続きをしましょう。なお、1年のなかで贈与額が110万円に満たない場合は、基礎控除があるため税金の支払いはありません

まとめ

がん保険では、原則として被保険者本人を受取人としますが、希望すれば本人以外の親族などを指定することも可能です。被保険者が受取人であっても、万が一の時には指定代理請求人制度を利用して、本人以外が保険金の請求ができます。

この記事で、がん保険の受取人に関する疑問が解消できれば幸いです。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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