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2024.04.01
NISA?積立型保険?払込免除特約って知っていますか?【住宅FP関根が答える!Vol.95】
みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
みなさんはお金の運用、どのように行っていますか。近年は投資ブームということもありますが、新NISAの設置などもあり、以前にも増してお金の運用について考える機会が増えたのではないでしょうか。運用の仕方にはいろいろな方法があります。個別の株式を買う、投資信託を買う、積立型保険を利用する、積立型の外貨建保険を利用するなどです。
最近では国も積極的に投資を勧めており、2024年は投資元年として今までNISA、積立NISA、ジュニアNISAと分かれていたものを新NISAとして整備しています。今までの積立NISAは年間40万円までしか積立することができなかったのですが、新NISAでは積立投資枠として年間120万円、成長投資枠として年間240万円、最大利用可能額は1800万円として期限も無期限となりました。
近年、積立型保険は手数料が高いため、投資に向いてないといわれることも増えてきましたが、新NISAが整備された現在も、私自身積立型保険の仕組みを使ってお金を運用していく優位性はあると考えています。その理由の一つが保険料払込免除特約です。
これは保険料を払い込んでいる期間中に就労不能状態や介護状態、3大疾病など保険会社の条件に該当する場合には、それ以降の保険料の払い込みを免除してもらえるという特約です。今回はこの保険料払込免除特約をつけた積立型保険とNISAで投資商品を積立した場合とで比べてみます。
もし30歳の方が老後に向けて積立投資を始めたとします。NISAで積立をした場合、仮に40歳の時にその方が就労不能状態や介護状態、3大疾病になってしまった場合、それ以降に働くことへの制限が出てしまうと積立を継続していけるかどうか分かりません。
一方、積立型保険で就労不能状態や介護状態、3大疾病になったとき、保険料払込免除特約をつけている場合には、40歳からの保険料の払込は必要なく、保険会社が代わりに保険料を払ってくれます。
積立型保険の保険料払込期間は長いものなら80歳払込終了という商品もあるため、40歳の時に就労不能状態や介護状態、3大疾病になってしまった場合には、それ以降40年間分の保険料を支払う必要はなくなります。
また保険料の支払い途中でお亡くなりになった場合にも、積立型保険は死亡保障がついているため、支払保険料以上の大きなリターンを期待することができます。この万一就労不能状態や介護状態、3大疾病になってしまった際に受けることができる払込免除特約は保険ならではの優位性だと考えます。
保険料払込免除特約とは?
保険料払込免除特約は保険会社によって種類があるため、各保険会社で確認が必要です。ここでは一般的な保険料払込免除特約を解説させていただきます。
3大疾病保険料払込免除特約
がん、急性心筋梗塞、脳卒中になった場合に、それ以降の保険料の支払いが必要なくなるというものです。
そしてこのがんの診断確定は、がんの進行度合いを示す指標において、ステージゼロ期の病気分類になっている場合には、適用されない場合が多いです。(保険会社によって違うため確認が必要です。)
また急性心筋梗塞は軽い心筋梗塞ではなく、60日以上の労働制限を伴うと医師に診断された場合などが該当します。そして、急性心筋梗塞の治療を目的として手術をした場合等が対象とされ、狭心症等は対象外になる場合があります。
次に脳卒中ですが、こちらも同じく脳卒中により60日以上の労働制限や神経学的後遺症が継続したと医師により診断された場合や、脳卒中の治療を直接の目的として手術を受けた場合などに該当します。
従来の保険では保険料払込免除特約は3大疾病に該当した場合に保障されることが多かったのですが、最近新しく目にするようになったのが就労不能状態や介護状態の保険料払込免除特約です。
就労不能保険料払込免除特約
国民年金法に基づき、障害基礎年金の受給要件のうち1級の第1から9、11号または2級の第1から15、17号のいずれかに該当した時が該当します。
例えば工事現場での事故により右手首から先を失った場合や、パーキンソン病で手足がほとんど動かずに、介助なしでは日常生活が困難になった場合などに該当します。
障害状態は国民年金法に基づく障害等級1級もしくは2級の状態、もしくはそれと同等な状態となった時が該当します。例えば心臓病が悪化して人工心臓を装着することになった場合や、脳出血により言語を発声できない状態が180日継続した場合などが該当します。
まとめ
以前はお金を増やす目的で契約される方が多かった積立型保険ですが、今はお金を増やしつつ保険としての機能をうまく利用しようと考える人が増えてきました。これら保険料払込免除特約は、保険会社ごとに条件も違いますし、保険商品によっても違います。契約前に必ずご確認ください。また万一のことがあった場合にも請求漏れのないよう、定期的な保険内容の確認をお勧めします。
WRITER’S PROFILE
㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直
ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。