著名人・専門家コラム

2023.05.02

保険営業職員や代理店は信用できる?詐欺や手数料目当て?【住宅FP関根が答える!Vol.54】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。

先日、金融庁が大手生命保険会社に対し立ち入り調査を実施し、3万6千人の営業職員に保険商品の提案や契約、保険金支払いの案内等で不正が行われていないかといったアンケート調査を実施しました。その大手生命保険会社では、2022年に職員が顧客から合計2000万円の金銭を搾取していたという事件が発生しています。この事件以外にも、昭和の時代からこういった事件は過去に何度も起きており、令和の現在もなくなる事はありません。

こういった金銭の搾取は極端な例なのですが、それにしても手数料狙いの保険提案や、保険を成立させたいがための契約者にとって不利益になるような誘導など、問題はよく上がってきます。保険会社の営業職員、保険代理店の募集人は信用できるのでしょうか。本日は生命保険の世界において昔からある、不適切行為、詐欺行為などを解説いたします。

保険募集における不適切な勧誘

まずは保険募集における不適切な勧誘というものがあります。生命保険募集人が、顧客の属性から考えて釣り合わない、不適切な商品を提案し契約を勧めることをいいます。

例えば、学資保険で安定的、毎月1万円程度お金を貯めていきたいというお客様に対して、
老後の心配はないか?など誘導をして毎月5万円の積み立てをする外貨建て保険などを提案する、お客様のリスク許容度も聞くことなく提案をする保険料を決めてしまうといった場合です。

また、円高のタイミングで決定した保険料だった場合、その後円安に振れたときには保険料が上がってしまいます。そういった説明をすることなく、その保険料値上げに耐えられないようなお客様に提案をしてしまったり、またこういった為替の変動を理解できていないお客様は多くの場合、死亡保険金、解約返戻金、満期保険金なども為替で変動することを知らない人が多く、トラブルになることも多いです。

さらに、新卒で働き始めたばかりで自由に使えるお金が少ない人へ、多くの保険料を払う保険を勧めるなど、お客様の属性と釣り合わない保険を売り込むこともあります。

保険募集における詐欺行為とは

また詐欺行為と呼ばれるものも問題とされています。保険における詐欺と聞くと、契約者が保険金を不正に搾取する保険金詐欺を思い浮かべるかたも多いと思いますが、保険を販売する側にも「詐欺行為」というものがあります。

例えば、お客様にありもしない商品を存在するかのように見せて商品を提案し、お客様からお金を搾取するやり方です。これを募集人の詐欺行為と言われると、分かるような気がしますが、実はこの詐欺行為には、実際に存在する商品を販売する際にもあることです。

例えば、保険商品に関して虚偽の情報を提供し、誤った認識や期待を持たせて保険契約を締結させることや、保険の特長や解約返戻金、満期保険金の金額、保険料などについて誤った情報を提供することなども含まれます

またこれもたまにみる話なのですが書類の偽造をしてしまう募集人もおります。お客様や保険会社に提出する書類に誤った情報を記載したり、お客様が記載しないといけない書類に署名や日付など、募集人自身が記入してしまうなどの行為を行う場合もあります。

告知においても不正はよく行われます。それは告知書の虚偽記載といわれるものです。告知書とは正確にもれなく記入する必要があり、多くの場合過去5年以内の健康状態と、過去2年以内の健康診断結果を告知する必要があります。お客様から病歴を聞いても記入しないように誘導するなど、契約に不利になる告知をさせないようにするなどの不正もよく聞かれることです。

また、契約欲しさに契約後、金銭を渡す不正も見られます。生命保険募集人が社内のノルマなどがあり、今月中にあと一本契約が必要などという場合に、お客様に契約成立後、保険料の一部をキャッシュバックすることを約束し契約を勧めるなどといった不正もあります。

募集人が新しい保険契約が欲しい場合などに、既契約の保険を解約させ、新しい保険の加入誘導することがあるのですが、その際に、古い保険において解約返戻金があるにもかかわらず、お客様に無断でその解約返戻金を新しい保険の保険料に充ててしまうということもあります。本来なら一度手にできるはずの解約返戻金があることすら言わず、あたかも次の保険料が割安なように見せて契約を取るといったことも十分不正にあたります。

保険募集において不適切な勧誘や詐欺行為がおこなわれる理由

これら不正が行われる理由は何なのでしょうか。それは契約が成立すると私たち募集人にはコミッションと呼ばれる売り上げが入ってくるからです。このコミッションの金額は多くの場合、保険料の金額で決まります。月払い保険料1万円で契約いただくのと、月払い保険料10万円で契約をいただくのとでは、私たち募集人に入ってくる売り上げは10倍違います。

そうなると、手数料目当てで、なるべく不利な情報は教えず、なるべく不利になるような告知はさせないように、そしてなるべく保険料の高い保険商品を勧めたくなるもので、保険会社というものは高い手数料を稼いだ人が表彰される世界です。本来でしたら、なるべく高い保険料を勧め、高い手数料を得た人が表彰されるのではなく、よりお客様のニーズに合致した保険を契約した募集人が表彰されるべきなのですが、そうなっていない現状ではこういった不正はこれからもなくなることはないと思います。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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