保険の基礎知識
2022.07.21
保険会社っていったい何をしているの?保険会社の役割と機能【3分でわかる保険基礎】
「保険に加入する」と決めたら、保険会社と保険契約を結ぶことになります。では「保険会社」は、いったいどのような機能を持っているのでしょうか?
保険会社は金融業界に属する
「金融」の言葉は、資金を融通することを表します。つまり「お金が余っている人、今すぐにはお金が必要でない人」から「お金に困っている人、今すぐ資金が必要な人」にお金を融通する企業が集まっているのが金融業界です。
銀行は「融資」という形で、証券会社は「有価証券」を通して、お金を融通しています。
では、保険はどうでしょうか?
保険は「相互扶助」の精神から生まれた
そもそも保険は「大勢の契約者から少しずつお金を集めて、少数の困っている人を助けよう」という相互扶助の精神から生まれた仕組みです。
「保険の仕組みを通して、お金を融通している」という面があります。
保険会社はお金を運用している
保険の契約者が保険会社に支払った保険料を、保険会社は単に預かっているだけ、ではありません。いますぐに保険金として支払う予定がない資金を、株式や債券の形に変えて運用しています。株式や債券の形で、お金に困っている企業に、お金を融通しているのです。
以上のように、
- 保険の仕組みそのものが「困っている人にお金を融通する仕組み」であること
- 契約者から預かった保険料を、お金に困っている企業に融通していること
という機能を持つことから、保険会社は金融業界に属すると考えられています。
保険会社から「配当」がもらえる場合もある
保険契約を結ぶとき「配当」という言葉を目にするかもしれません。
配当とは「保険会社が集めたお金が余ったから、契約者に還元する」という仕組みです。
例
5年ごと利差配当付個人年金保険……利差益を5年ごとに配当する個人年金保険
無配当終身保険……たとえお金があまっても配当はしない終身保険
保険会社は、
- 契約者のうちどのくらいの人が契約期間中に亡くなるか?……予定死亡率
- 保険事業を続けていくためにどのくらいお金がかかるか?……予定事業費率
- 集めたお金を運用した場合どのくらい利益があがるか?……予定利率
などを計算したうえで、保険料を定めています。
とはいえ、未来のことは、あくまで予測することしかできません。予測よりお金が余った場合には、配当が行われます。
配当が受けられる保険商品を選ぶほうがいいの?
もし、あなたが保険に加入する立場になったら「お金が余ったなら返してもらえる保険のほうが嬉しい」と感じるかもしれません。
でも、配当のある保険には次のような注意点もあります。
- 配当がない保険に比べて保険料が高い
- 日本では金利がとても低い状態が続いているので、たとえ配当があってもわずかのことが多い
このような現実を踏まえて、配当のあり・なしのどちらを選ぶか、考えましょう。
保険会社も「再保険」で不測の事態に備えている
日本は災害の多い国です。大きな災害が起こり、一度にたくさんの人が保険の請求をする事態になったら、保険会社も大変だと思いませんか?
実は、そのような事態に備えて保険会社も保険に入っています。
この仕組みを「再保険」と呼びます。
再保険会社は、税金面で優遇が受けられる国で再受をすることが多く、契約者と直接やり取りをする機会もありません。そのため、日本で「再保険会社」を見かけることはあまりないでしょう。
それでも、私たちの加入する保険を裏で支えてくれている、頼りになる存在です。
保険会社が破綻したらどうなる?
再保険の仕組みがあるため、「一度にたくさんの保険請求があったから」という理由だけで、保険会社が経営破綻することは心配しなくてよいでしょう。
ただし、業績の不振などで保険会社が経営破綻する可能性はあります。
そのようなときも、保険契約そのものは消滅せず、次のような形で守られます。
- 別の保険会社(=救済会社)が保険契約を引き継ぐ
- 救済会社が現れない場合は「生命保険契約者保護機構」が保険契約を引き継ぐ
引継ぎが行われるとき、保険の条件が見直されて、満期保険金や死亡保険金の金額が少なくなる場合もありますが、契約そのものが急に無効になるわけではありません。
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リアほMAGAZINE編集局
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