保険の基礎知識
2022.03.24
医療保険見直しのタイミング、注意点とは?押さえるべきポイントを解説
生命保険などと同じように医療保険も見直しが必要なのでしょうか。結論から言えば、医療保険もライフステージの変化などに合わせた見直しが重要です。自分や家族のニーズや医療事情の変化などに合った医療保険でもしもの時に備えるには、どのように保険を見直せば良いのでしょうか。
この記事では、医療保険について見直しのタイミングやポイント、注意点を解説します。医療保険の見直しを考えている人はぜひ参考にしてください。
医療保険の見直しに適したタイミングとは
保険は入ったあとも見直しが必要だとよく言われるように、医療保険もときどき見直しましょう。では具体的にどのタイミングで見直しをすれば良いのでしょうか。ここでは医療保険の見直しに適したタイミングとして、4つのパターンを紹介します。
ライフステージが変化した時
ライフステージの変化とは、人生の中で経済状況や家族の状況が変わることを指し、就職や結婚、子供の誕生、定年退職などがきっかけとなることが多いでしょう。ライフステージが変化すると医療保険で備えるべきリスクも変わる可能性が高いため、医療保険も見直すことをおすすめします。
保険の更新時期が近づいた時
更新が必要な医療保険に入っているなら、更新時期が近づいた時も保険を見直す良いタイミングです。保険に加入した時や前回更新をした時と比べて、必要な保障が変化している可能性があります。
保険料を抑えたい時
保険料は長い期間にわたって支払うものなので、できるだけ家計への負担は抑えたいですよね。いま払っている保険料が高いと感じた時や他の医療保険が気になる時にも、保険を見直してみましょう。
保障内容が医療事情と合わなくなった時
医療技術は日々進化しており、特に顕著なのが入院日数の変化です。厚生労働省が公表している「平成29年度 患者調査の概況」によると、入院日数の平均は以下のグラフが示す通り、徐々に短くなる傾向があります。入院日数が短くなり、代わりに通院で治療を受けることも増えてきました。
そのため、比較的入院日数が長かった頃に契約した医療保険は、現在の医療事情と保障内容が合わなくなっている可能性があります。いまは通院保障などを備えた医療保険もあります。ライフステージなどに大きな変化がなくても、定期的に自分に合った保障をあらためて検討してみましょう。
医療保険見直しのポイント
医療保険の見直しでは、以下の3つのポイントに着目すると自分に合った保険が選びやすくなります。
- 入院給付金が支払われる条件や支払日数上限
- 通院保障はあるか
- 先進医療に対する保障はあるか
それぞれの保障内容について詳しく解説しますので、医療保険を選ぶ参考にしてください。
入院給付金
入院給付金は文字通り、病気やケガで入院する際に受け取れる給付金です。医療保険によっては、日帰り入院を含む短期の入院でも給付金が支払われるものや、給付金支給の対象を4日以上の入院としているものなどがあります。入院日数が短くなる傾向があることを踏まえると、入院給付金は入院1日目から支払われるものだと安心です。保険によっては、特約で短期入院に備えられることもあります。
また、入院給付金が支払われる日数に60日や120日などの制限が設けられていることもあります。支払日数の上限が長いほど保障が手厚いといえますが、それだけ保険料は高くなるでしょう。自分に必要な保障を選びたいですね。
通院保障
近年、医療技術の進歩などにより入院期間は短くなり、通院で治療が受けられることが増えてきました。そうした医療事情に合わせて、通院を対象とする通院保障が選べる医療保険が多くなっています。主契約に通院保障が組み入れられている商品や特約として付帯する商品などさまざまですので、自分に通院保障が必要かどうかを含めて検討してみましょう。
先進医療
放射線治療などの一部の治療は先進医療と呼ばれます。先進医療は健康保険の対象外のため、治療にかかった費用は全額自己負担が必要です。1回の治療に数十万円から数百万円の費用がかかることもあるため、もしもの時に先進医療を含めて治療の選択肢を広げたいと考える人は、医療保険で先進医療の費用にも備えておきましょう。特約として先進医療への保障を選べる医療保険は多くあります。
医療保険見直しの注意点
医療保険を見直し、いま加入している保険よりも自分に合う保険を見つけられたら、できるだけ早く契約を切り替えた方がよいと焦ってはいませんか。加入している保険を解約して新しい保険に入る場合、解約するタイミングによっては思わぬ損をしてしまう可能性があります。医療保険の見直しで失敗しないために、保険見直しでの注意点を4つ紹介します。
健康状態によっては希望の保険に入れないこともある
医療保険に加入するには、健康状態や過去の病歴などの告知が必要です。告知の内容をもとに保険会社が審査を行い、場合によっては保険に入れないこともありえます。新しい保険で加入審査が通る前に、加入中の保険を解約してしまうと保障が受けられない期間が発生するかもしれません。いまの保険を解約するのは新しい保険の審査結果がわかったあとにしましょう。
年齢が上がるにつれて保険料も上がる可能性がある
医療保険に限らず、保険は契約する時の年齢が高いほど保険料が上がるのが一般的です。特に更新が必要な定期医療保険の場合は、更新のたびに保険料が上がるので注意しましょう。いまは他の保険より保険料が安くても、将来契約を更新したあとも割安かどうかはわからないためです。
保険料が上がるのを避けたい場合は、終身医療保険に入るのも選択肢の一つです。
保険解約のタイミングによっては解約返戻金を受け取れないこともある
掛け捨てが多い医療保険ですが、なかには解約返戻金があるものもあります。契約してから解約するまでの期間が短いと、解約返戻金が受け取れなかったり、金額が支払った保険料の総額よりも少なくなることがあります。加入中の保険を慌てて解約してしまう前に、解約返戻金のルールについても確認しておきましょう。
既存の保険に特約を追加する方法もある
保険を見直ししたからといって、必ずしもいまの保険を解約し、新しい保険に入る必要はありません。いま加入している医療保険に特約を追加するなどの方法で、必要な保障に備えられないか調べてみましょう。新しく保険に入り直すよりも手軽に必要な保障を受けられます。
まとめ
医療保険の見直しを考えている人のために、見直しのタイミングやポイント、注意点を解説しました。
医療保険では生命保険と違い、医療事情の変化によって保障内容が合わなくなることもあるため、ライフステージなどに大きな変化がなくても見直しした方が良いこともあります。また、特約の追加などで保障を充実させる方法は手軽なのでおすすめです。
保険の見直しのポイントや注意点を押さえて、自分に合った医療保険を見つけましょう。
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リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。