著名人・専門家コラム

2022.07.25

転職を考えているが、会社で加入した生命保険はどうなるのか【FPコラム】

統計的な根拠があるわけではないですが、毎年多くの会社で新年度が始まる4月から夏のボーナスが支給される6月は、転職を考える方が増える時期といわれます。今やSNS時代で、華々しい転身や独立起業を報じる隣の畑を見て、自分もステップアップを、を決意する機会もあるでしょう。

ところで転職を考えていないとき、様々な手続きを会社経由で進めたはずです。会社の紹介で生命保険に加入した記憶はないでしょうか。この会社経由で加入した生命保険「団体保険」は転職時、どうすればいいのでしょうか。

公的年金や公的健康保険と、団体生命保険の違い

まず、公的保障と団体保険の違いを抑えましょう。

日本は国民皆保険制度を導入しており、すべての方に公的保障が適用されます。また将来に向けた年金制度も同様です。会社に入社時に年金手帳を提出し、また健康保険証を受け取ったと思います。これらの管掌は年金機構や協会けんぽ・組合けんぽといった「勤務先とは別の団体」です。
そのため、転職によって手続きは発生しますが、現在の勤務社を退職したことで加入が継続できなくなることはありません。最近注目されているiDeCo(確定拠出年金)や確定給付年金も、運営は会社から離れたものです。

唯一あるのは「組合けんぽからの脱退」です。組合けんぽは健康保険の運用にあたり、同じ業界など複数社で組合を設立しています。たとえばメーカーからベンチャー企業など業種が大きく異なる場合などは、組合けんぽから協会けんぽに移行する形をとります。とはいえ健康保険の運営元によって加入者の立ち位置が著しく変わることはありません。これも手続き上の問題と考えておきましょう。

転職時の団体生命保険について

一方の団体生命保険(団体保険)です。団体保険とは、会社が主導を取り死亡保険や医療保険を社員向けにまとめて販売するものです。財務基盤の手厚い大企業や、公務員などが広く活用しているものです。福利厚生の一環として採用している企業は時代の変化にともない減少傾向にあるものの、今も根強い人気を維持しています。

転職時の状況を考える前に、まず一般の保険と比較した団体生命保険の特徴を抑える必要があります。

加入できるのは従業員+家族

団体保険に加入できるのは基本的に従業員のみです。その会社の福利厚生の側面を持つほか、会社が一部保険料を負担しているケースも多いです。配偶者や子どもなどは加入できることが多いですが、〇親等以内という条件が定められることが多く、離れた親族などは対象外になることがあります。

保険料が相場より安く抑えられている

そもそも一定数の加入が期待できるため、団体保険は提供する保険会社からの保険料が抑えられている場合が多いです。医療保険は団体保険で紹介されて、その先にある終身保険や学資保険を従業員に向けて内々で紹介しているという形も考えられます。また会社が一部保険料を負担していることにより、各加入者の支払額は更に低くなっています

転職時に団体保険はどうなるのか

優位性の高い団体保険ですが、当然ながら転職以後に新規加入はできなくなります。ただ、退職時に既に加入していた保険に関しての対応は、会社によって対応が分かれます。

一般の保険料や加入条件に変更して継続できる

希望すると、保険料加入は継続できます。ただし退職者に対して保険料を会社が一部負担することはありませんので、同等の保険商品の保険料や加入条件に変更して加入を継続します。団体保険の支払いは給料天引きの場合が多いため、カード引落などに変更します。

自動的に脱退

当然ながら既に会社の福利厚生対象ではないため、強制的に脱退となるケースです。満期保険金がある場合は解約扱いとなり、返戻金を受け取ります。

何も変わらず継続できる

意外ですが、何も変わらず継続できる会社も多いようです。退職後何年、という期間が定められている会社もあります。昔は同じ釜の飯を食べたから、という考えもあれば、単純に変更の手続きコストを回避している場合も。退職後にも団体保険に入り続けたからといって、法律やもとより道義的なルールに抵触するものではありません。会社が継続するならば、甘えるのも賢い方法といえるでしょう。

転職前後の忙しさの前に出来ることを

転職時は退職の手続き、そして次の職場への入社の手続きで忙しいもの。団体保険まで気が回らないというのが正直なところでしょう。転職を決めて内定を得たあたりで一段階早く、加入している団体保険はどうなるのか確認することをお勧めします。一般の保険に切り替える際も、一時的に保証期間が切れてしまうことは避けましょう。転職時はストレスも増えやすく、ふと重症化した風邪に十分な保障が受けられないというのは何よりも回避したいものです。予測出来る手続きは先回りすることで、転職時の準備を整備していきましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤崇

FP-MYS代表。ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。(執筆実績はこちら:https://fori.io/takashi-kudo)

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