保険の基礎知識

2023.04.14

20代・30代・40代のがん保険はこう選ぶ!ライフステージ別に解説【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。

がん保険には多くの種類があるため、自分に合うがん保険の選び方がわからない人は少なくありません。がん保険は年齢や収入、家族の状況などによって選ぶのが基本ですが、年代によっておすすめの保険の傾向があります。

そこでこの記事では、20代・30代・40代の男女におすすめのがん保険を解説します。がん保険の選び方のポイントも解説しますので、これからがん保険に加入する人もいまの保険を見直したい人も、ぜひ参考にしてください。

年代別がん保険の選び方のポイント

がん保険に加入する基本的な目的は、がんによる治療費をカバーし、自分や家族への経済的ダメージを抑えることです。しかし、当然のことながらがん保険に入ると一定の保険料を負担しなければいけません。そのため、がん保険を選ぶ際はリスクとベネフィットのバランスが重要です。

社会人になったばかりの20代や家庭を持つ30代、がんのリスクが高まる40代では、がん保険で必要な保障は異なります。そのため、がん保険選びでは特に、以下の3つのポイントを意識するのがおすすめです。

  • 収入
  • 家族構成(独身か既婚か、独立前の子どもの有無)
  • がんにかかるリスクの高さ

これらのポイントに沿って、次の項目からおすすめのがん保険を具体的に解説します。

独身20代・30代におすすめのがん保険

20代・30代で独身の方の場合、がん保険選びの3つのポイントに沿って考えると以下のような傾向があります。

  • 収入→比較的少ない
  • 家族の状況→独身・子どもなしのため、必要な保障額は大きくない
  • がんにかかるリスクの高さ→比較的低い

そのような独身の20代男女には、

  • 定期がん保険
  • 保障内容に入院保障や診断給付金が含まれるがん保険

がおすすめです。

特に社会人になりたての20代では収入がそれほど多くないため、保険料が高い商品はすすめられません。また、万が一がんになっても経済的に支えるべき家族はいないことから、独身の20代・30代の人は最低限の保障で保険料を抑えたがん保険で十分だといえるでしょう。

以上より、保障期間が限定されている代わりに終身タイプよりも保険料が安い定期がん保険がおすすめです。ただし、今後もがん保険で備え続けたいと考えているなら、更新不要で保障が生涯続く終身がん保険でも良いでしょう。保障内容は、20代・30代では入院保障や診断給付金など基本的なものを選べば十分です。今後、保障を充実させる必要性が増してきたら保険の見直しを考えましょう。

既婚・子育て中の20代・30代におすすめのがん保険

20代・30代でも結婚していたり、小さな子どもがいたりする方は、がん保険選びでも家族への影響を考慮する必要があります。独身の場合と同様に、がん保険選びの3つのポイントに沿って考えると、既婚・子育て中の20代や30代の人には以下のような傾向があるといえるでしょう。

  • 収入→比較的少ないか、少し余裕がある場合もある
  • 家族の状況→既婚のため、自分ががんになったときの家族のために必要な保障額を考える。特に小さな子どもがいる場合は、教育費の負担も考慮する
  • がんにかかるリスクの高さ→比較的低いが、女性は女性特有のがんに注意する

万が一に備えながら保険料の負担も抑えられる、子育て中の20代・30代男女におすすめのがん保険は次の通りです。

  • 定期がん保険
  • 保障内容に入院保障や診断給付金が含まれるがん保険
  • 収入保障型がん保険
  • 女性保険(女性のみ)

30代ががん保険を選ぶときのポイントは、治療費や収入減少を貯蓄や配偶者などほかの家族の収入でカバーできるかどうかです。がんにかかると治療費の負担があるだけでなく、仕事を休むことによる収入減少のおそれもあります。しかし、家族の生活費や子どもの教育費はがんになる前と同じようにかかるため、十分な貯蓄がない場合は保険などで備えが必要でしょう。

そのため、独身の人よりも入院保障や診断給付金が手厚いがん保険や、収入保障ができるがん保険を選ぶと安心です。

また、女性の場合はがん保険の代わりに女性保険に加入するのもおすすめです。女性保険では乳がんや子宮頸がんなど女性特有のがんに対して、手厚い保障が受けられます。女性特有のがんは若年層でも比較的罹患率が高く、厚生労働省「平成31年全国がん登録 罹患数・率 報告」によると、50代前半までは女性のがん患者数の方が多い傾向にあります。女性なら女性保険でリスクの高いがんに対してピンポイントで備えることも検討しましょう。

がんのリスクが高まる40代におすすめのがん保険

40代は仕事でも家庭でも責任が増し、自分の健康はつい後回しという人も多いでしょう。しかし、厚生労働省「平成31年全国がん登録 罹患数・率 報告」によると、男女ともがんの罹患率は40代後半から高まります。

がん保険選びの3つのポイントに沿うと、40代のがん保険選択のポイントは以下の通りです。

  1. 収入→若い時よりも増えているが、支出も多い
  2. 家族の状況→既婚なら自分ががんになったときの家族のために必要な保障額を考える。独身の場合は、収入や貯蓄額を基準に必要補償額を検討する
  3. がんにかかるリスクの高さ→徐々に高くなりはじめる。また、年齢が上がるとがん保険に入りにくくなることも意識する

したがって、以下が40代男女におすすめのがん保険です。

  • 終身がん保険
  • 保障内容に入院保障や診断給付金が含まれるがん保険
  • 収入保障型がん保険
  • 女性保険(女性のみ)

基本的には子育て中の20代・30代におすすめのがん保険と大きく違いはありません。しかし、子どもが高校・大学に通う年齢の場合は、教育費負担が大きいため、家計への負担を抑えられるよう、より保障を充実させる必要があるでしょう。独身の人は、貯蓄が少ない場合は保障を手厚くすることを考えます。女性には20代や30代と同じく女性保険もおすすめです。

また、一度がんにかかるとがん保険への加入が難しくなることや、そもそも加入できる年齢に制限を設けている保険もあることに注意しましょう。若い頃から定期保険に入り続けている人でも、保険会社が定めた年齢に達するとそれ以上更新ができなくなり、保障が受けられなくなるかもしれません。この機会に、生涯にわたってがんに備えられる終身型がん保険を検討しましょう。

まとめ

収入・家族の状況・がんのリスクの高さの3つのポイントから、20代・30代・40代のそれぞれの年代におすすめのがん保険を解説しました。

年齢やライフステージに合わせて適切ながん保険を選んでも、その後に状況が変わることもあります。そのため、常に適切な保障で備えるためには定期的に見直しをすることが大切です。この記事ががん保険選びの参考になれば幸いです。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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