保険の基礎知識

2023.04.10

保険の比較サイトを上手に利用してあなたに合う保険選びをしよう【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

生活や人生の心配ごとに備えて加入する保険。「万が一の場合に、必要な保障をしっかり受ける」ために保険を選ぶことは大前提として、条件を満たす商品のなかで、少しでもお得なものを選べるといいですね。

保険商品ごとに保障内容、保険料、保障の範囲、付帯サービスは違います。効率よく比較検討するために、保険の比較サイトを上手に利用する方法があります。

この記事では、あなたにあった保険を判断するために、保険を比較するポイント、比較サイト活用のポイントをご紹介します。

保険の比較にもルールがある! 保険募集人が守るべき法律や禁止事項

保険会社や保険代理店は、保険販売にあたって一定のルールを守らなければなりません。

保険に加入・見直しする立場のあなたも、保険販売のルールや禁止事項を知っておくことで、あなたの担当者がルールを守っているか、信頼できる人かを判断する1つの目安になります。

保険募集人が保険商品の比較提案をする際に遵守しなければならないルールは、主に保険業法や保険業法施行規則、金融庁の保険会社向け監督指針(保険業法の趣旨に基づき、基本的なルールや監督上の評価項目、留意するべき点などを整理したもの)に定められています。

保険業法

保険業法は、保険業全般について保険業を行う側が守るべきルールについて定めた法律です。日本におけるすべての保険会社や募集人は、保険業法を遵守して募集を行わなけばなりません。

保険比較に関する事項は、保険業法第300条6項に守るべきルールが定められています。

端的にいうと、お客さまを誤解させるおそれのあるような比較説明をしたり、表示してはならないとされています。

保険業法施行規則の比較推奨規制とは?

保険代理店の中でも、2社以上の保険商品を取り扱う「乗合代理店」には、保険業法施行規則227条の2第3項4号に規定される情報提供が義務づけられるようになりました。情報提供が義務づけられるのは次のような事項についてです。

(ア)保険商品を他の保険商品と比較する場合は、比較にかかる事項

(イ)保険代理店側が顧客の意向を探り、それに合った保険商品を選んで提案する場合は、他に比較可能な同種の保険商品の概要や提案の理由

(ウ)(イ)以外の方法で保険商品を選んで提案する場合は、その提案の理由

このことが「比較推奨規制」と呼ばれています。

出典:国民生活センター|「特集 生命保険を知る

金融庁の保険会社向け監督指針

金融庁の保険会社向け監督指針において、保険募集人の体制整備義務として、比較説明について下記4点が定められています。簡単に書くと、

1.商品の概要をきちんと明示して説明すること。

2.商品特性や保険料水準を客観的に説明すること。

3.比較せずに特定の商品をすすめる場合は、その基準や理由を説明すること。

4.比較や推奨説明する点について、保険代理店内で社内規則等を設けること。

以上の4点です。

出典:金融庁|保険会社向け監督指針II .保険監督上の評価項目

保険比較サイトの運営者について知ろう

保険比較サイトを私たちが有効活用するためのポイントを押さえていきましょう。

保険比較サイトは保険代理店

保険比較サイトは、保険代理店が運営しています。つまり、保険業法や金融庁のルールを遵守しなければならない保険代理店であり、保険募集人として内閣総理大臣の登録を受けています。

そして、保険比較サイトを運営する多くの保険代理店は、複数の保険会社の商品を取り扱いできる乗合代理店です。

代理店ごとに、保険会社と代理店委託契約という契約を締結して、委託を受けた保険会社の商品を販売する仕組みです。保険代理店ごとに、取扱保険会社が少しずつ異なるのはこのためです。

保険比較サイトを運営する場合にも、代理店委託契約を締結している保険会社の商品しか比較や案内ができません。

それぞれの保険比較サイトには、必ず取引保険会社一覧もしくは取扱保険会社一覧が掲載されています。比較検討を始める前に、あなたが関心を持っている保険会社が、そのサイトで比較対象になっているか、確認しましょう。

保険比較サイトで納得のいく保険選びをするには?

保険商品の数は膨大で、それぞれに細かい特徴があり、主契約や特約の内容が商品ごとに違います。また、時代にあったより良い商品開発が行なわれ、魅力的な保険が次々と生み出されています。

保険選びや見直しの目的を持たずに、保険商品の情報を集めると、情報過多になり収拾がつかなくなるでしょう。まず何から始めればいいでしょうか?

あなたに必要な保障を明確にしよう

保険選びや保険見直しは「万が一のとき必要な保障を得るため」に行うものです。あなたに必要な保障を明確にしましょう。

参考情報:年代別おススメの保険

保険比較サイトで一括見積もりをする手順

あなたにどんな保障が必要かを明確にできたら、保険比較サイトに必要な条件を入力してみましょう。

生命保険の保険料は、年齢や性別、保険の種類、希望する保険金額、保険期間、保険料払込期間の設定を変えることで変動します。

たとえば「毎月支払う保険料を安くしたい」という希望があっても、安さを求めすぎると必要な保障が得られなくなるかもしれません。逆に「十分な保障が得られるようにしたい」と考えすぎると、保険料が高額になり過ぎることも考えられます。入力値を変えてシミュレーションしてみましょう。

1.保険の種類を選ぶ

死亡時の保険であれば、終身保険や収入保障保険、定期保険など、入院や手術の保障であれば、医療保険やがん保険などから保険の種類を選択します。

2.希望する保険金額を入力する

次に保障の大きさを決めます。

死亡保険であれば死亡した際の保険金額、収入保障保険であれば死亡した際の月額受取額、医療保険であれば入院1日あたりの受取金額を選びます。

3.保険期間、保険料払込期間を入力する

保険期間(保障される期間)保険料払込期間(保険料を支払う期間)を選びます。

保険期間は、終身保険であれば終身にわたる保障ですので選ぶ必要はありません。

保険料払込期間は、収入保障保険や定期保険は、保険期間と同一になる場合が多く、選ばなくてよい場合が多いです。

終身保険は、終身払い(一生涯支払う)と短期払い(60歳や65歳など、設定した期間で保険料を支払いが終わる)から選択する必要があります。

この3つを入力すれば、一括して保険料見積もりが出てきます。

「おおよその保険料を見てみて、どれくらいの保障を得るか決めたい」

「終身保険と定期保険でどれくらい保険料が違うのか見てみたい」

「1歳年齢が変わるとどれくらい保険料が変わるのか見てみたい」

このような方にとって、便利なのが比較サイトなのです。

比較した保険商品の中から「この商品をもっと詳しく知りたい」と思うものを、3商品ほど選びましょう。

ここまでが第一ステップです。

特約の内容や保険料を比較して総合的に判断する(一括見積後の対応)

第二ステップは、第一ステップで絞り込んだ保険の中から、特約や細かい保障内容まで検討して、あなたに合った保険を選ぶことです。

納得のいく保険選びのために、パンフレットで保障範囲の詳細や注意事項を確認したり、特約の内容や保険料を確認していく必要があります。このステップが難しくてストレスになる方が多いかもしれません。

比較サイトの保険相談も活用しよう

「どの保険がよさそうかだいたい分かったけど、最終的にどれがいいのかアドバイスがほしい」

「用語の意味がよくわからない」

「本当にこれでいいのかプロに確認したい」

という人のために、多くの比較サイトでは、保険相談が利用できます。相談は無料で、必ずしも申込みしなければならない、ということはありませんので安心して一度相談してみるのがおすすめです。

また保険商品の中には、外貨建て保険や変額保険など対面またはオンライン面談が必須の商品もあります。「どうしても面談する時間がない!」という方はオンライン契約ができる保険商品をいくつか組み合わせて入る、という方法も選択肢のひとつです。

自分で決められる方や時間を作るのが難しい方は便利なオンライン契約、最終的には知識を持ったプロに相談して決めたい方は保険相談予約を活用するのがよいでしょう。

まとめ

今回は、保険比較サイトの活用方法を中心に解説しました。

保険比較サイトは、複数の保険商品のおおよその保険料水準を確認するのに大変便利です。

しかし、本当に自分にあった保険を選ぶには、必要な保障を明確にした上で比較サイトを利用すること、そして比較サイトで確認したあとの選び方も非常に重要です。

本当にあなたやご家族のニーズを満たす保険を見つけるために、比較サイトを活用してください。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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