海外のインシュアテック事例からわかる|日本の保険マーケットの将来

ようやく日本においても、インシュアテックが本格化していきます。
今後、インシュアテックと日本の保険マーケットがどのように発展するかを予想するうえで、日本よりはるかに先行している海外のインシュアテックの動向を観察することは有効です。
本記事では、これまでの海外におけるインシュアテックの事例を具体的にあげて、将来日本の保険マーケットがどのような方向に進むかを解説します。
 

■インシュアテック(InsurTech)とは

インシュアテック(InsurTech)とは、インシュランス(Insurance)とテクノロジー(Technology)が組み合わされた造語です。
保険会社が時代の最先端技術(テクノロジー)を活用して、お客さまに新しい保険商品や保険サービスを提供したり、また保険会社自体のお客さま管理や、営業戦略などの経営効率と生産性を大幅に向上させる取り組み全体をいいます。
 

■海外のインシュアテック事例

インシュアテックの先進国であるアメリカやヨーロッパの事例を見てみましょう。
 

・P2P保険とは?

インシュアテックの中でも、特に従来の保険ビジネスモデルの根幹から変化をもたらす可能性が高い、P2P(Peer to Peer)保険という考え方が注目を集めています。

P2P保険は、従来の保険とはまったく異なる保険の仕組みです。
主な特徴は、保険契約者どうしでグループを構成する点と、損害が発生した補償方法です。
損害が発生した場合、損害の補償に充当される源泉が異なります。
損害が少額の場合は、構成されたグループでプールした資金をシェアします。
一方、一定額以上の損害になり、グループでプールした資金でカバーできない場合は、引受保険会社や再保険会社がカバーする仕組みになっています。
また、P2P 保険では、SNS などを利用して契約者を募集することや、AI、モバイル端末のアプリなどの革新的技術を利用してコスト削減や顧客体験の向上を図っています。
 
出典:損保総研レポート|第124号 2018.7

 

・海外でのP2P保険取り扱い事例

海外でスタートしたP2P保険の事例を3つ紹介します。

 

・フレンドシュアランス社(ドイツ)

フレンドシュアランス社(Friendsurance)は、2010 年にドイツで P2P 保険の取り扱いを開始した保険ブローカーです。
同社が世界で初めて P2P 保険を取り扱いしたといわれています。
フレンドシュアランス社は、ドイツ国内で自動車保険、家財保険、個人賠償責任保険などを取り扱いしています。
契約者がグループを形成し、SNSなどを経由して保険加入する点や、グループの各メンバーが支払った保険料はグループ単位でプールされます。
少額の損害についてはグループのプール資金から支払いが行われ、プール資金総額を超える損害が発生した場合は、プール資金から支払可能な分を支払い、超過する分は引受保険会社が支払う仕組みになっています。
 
出典:損保総研レポート|第124号 2018.7

 

・ボート・バイ・メニー社(イギリス)

ボート・バイ・メニー社(Bought by Many)は、2012 年 9 月に登場したP2P 保険を提供する保険ブローカーです。個人向けのペット保険などニッチな保険商品をメンバー限定でサービス提供しています。
ボート・バイ・メニー社は、SNS 上で、同様の保険ニーズを持つ個人どうしでグループを作り、同社が保険ブローカーとしてグループごとに保険会社と交渉し、通常の保険契約よりも割安な保険料で加入できるサービスを提供しているのが特徴です。顧客は基本的にSNS等でグループへ参加して保険に加入します。なお、ボート・バイ・メニー社の場合、保険金支払いは引受保険会社から支払われます。
 
出典:損保総研レポート|第124号 2018.7

 

・レモネード社(アメリカ)

レモネード社は、グーグル社、 アリアンツ社や日本のソフトバンク社などが出資しているスタートアップ企業です。
レモネード社はホームオーナーズ保険や借家人保険を取り扱っています。
コンピューターによって手続きが自動化され、チャットボットとの簡単なやりとりで保険加入でき、保険金の請求手続きも簡単に行うことが可能です。
契約者が支払った保険料の一定割合は、レモネード社に支払われるフィーになり、残りが保険金支払等の原資となります。
保険金支払額がグループのプールされている拠出金では足りない場合は、再保険から支払われます。
 
出典:損保総研レポート|第124号 2018.7
 

・その他の海外のインシュアテック事例

アメリカのオスカー社は、インターネットで医療保険の販売を行っています。
アメリカは、日本のような健康保険制度がありません。
医療保険が高額のために、医療保険に加入できない人が多いという社会問題があります。
オスカーは、低価格で医療保険に加入できるメリットをアピールして、アメリカの医療保険マーケットに参入しています。

出典:ニッセイ基礎研究所HP|インシュアテック企業「オスカー」は、米国医療市場でデータヘルスの先駆けとなるか

 

■日本の保険会社と海外インシュアテック企業の業務提携

最近、日本の保険会社もインシュアテックに積極投資しています。
特に海外のベンチャー企業などとの業務提携の動きが活発化しています。
その事例を紹介します。

 

・メトロマイクロ社(アメリカ)

メトロマイクロ社(Metromile)は、自動車保険をオンデマンド型にしたインシュアテックのスタートアップ企業です。
お客様との接点になる保険加入や事故対応など、同社独自のデジタルテクノロジーが強みです。
2018年8月に東京海上ホールディンクス社が同社と業務提携をスタートし、メトロマイクロ社の有するデータ分析や人工知能などの技術を用いて、保険金支払の判断の迅速化や事故対応の自動化などへの応用を目指しているようです。
 
出典:東京海上ホールディンクスHP|米国 Metromile,Inc.社への出資について Metromile,Inc.社への出資について

 

・ウィーフォックス社(ドイツ)

ウィーフォックス社(wefox Germany)が開発・提供する「wefoxプラットフォーム」は、保険ブローカーや保険会社向けに、AIやビッグデータアナリティクス、クラウドなどを活用した様々な機能が搭載されている保険販売用のプラットフォームです。
2019年1月にSBI ホールディングス社が、同社と専属のビジネスアライアンス契約を締結し、SBI wefox Asia社を設立しました。
 
出典:SBIホールディンクスHP|ドイツの Insurtech ベンチャーである wefox Germany GmbHのAIとビッグデータアナリティクスを活用した保険販売・コンサルティング支援事業を展開する新会社の設立について

 

・ヒッポ社(アメリカ)

ヒッポ社(Hippo)は先進技術を駆使した保険として、住宅所有者に信頼度の高いデータソースを活用した効率的なオンライン保険加入とともに、スマートデバイスにより住宅および電子機器を含む家財の補償を提供するスタートアップ企業です。
同社が提供する住宅保険サービスは、住所入力してオンライン上において数分で契約が完了します。
2020年11月に三井住友海上社と業務提携しました。

出典:三井住友海上HP|米国インシュアテック企業「Hippo社」との戦略提携について、日本経済新聞|三井住友海上、AIで減災 米保険ITのHippoに360億円出資(2020年11月24日 23:00)

 

■インシュアテックと日本の保険マーケットの将来像

アメリカやヨーロッパのP2P保険の事例で理解できるように、インシュアテックによって、スタートアップ企業が保険マーケットにたくさん参入してきました。
スタートアップ企業の参入により、従来の保険の仕組みそのものを大きく変えるような斬新なアイデアが入ってきたことは間違いありません。
インシュアテックは、ベンチャー企業が提供するサービスだけではなく、大手の保険会社も大規模な投資を行い、新たな保険サービスを提供していくでしょう。
急激な人口減少に伴って保険マーケット全体は縮小し、今後スタートアップ企業や異業種からの参入も含めて、インシュアテックをめぐる各企業のビジネス競争はますます激しくなることが予想されます。
 

■まとめ

今回は、インシュアテックの先進国であるアメリカとヨーロッパの海外事例を紹介し、今後の日本の保険マーケットとインシュアテックの将来性を解説しました。
インシュアテックによって、今後、従来にはない斬新な保険商品や保険そのものの仕組みが大きく変わるかもしれません。
私たちが来年2022年初旬オープン予定の「リアほ」は、最先端のインシュアテックを取り入れつつ、お客さまに寄り添った「ロボット保険ガイド」にするように、現在開発の最終段階の開発に入っています。
皆さま、ぜひ、「リアほ」のオープンを楽しみにしてください。 

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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