保険の基礎知識
2021.07.28
世界で初めて設立された保険会社は?
保険のはじまりは、別の記事「生命保険の始まり~海外での保険の起源~」で解説のとおり、海賊からの襲撃危機に対するために誕生したと言われております。
また、生命保険のはじまりは中世ヨーロッパにおいて「ギルド」という、仕事をなくし収入が途絶えた時や、亡くなった場合に組合員の遺族にお金を融通する仕組みとして誕生したと言われています。
では、今回の本題である世界で初めて設立された保険会社とは?
1762年ロンドンにて設立された「エクイタブル生命保険会社」(Equitable Life Assurance Society)が世界最古の近代的な保険会社です。
生命保険会社の根幹である、相互扶助の精神による助け合いの組合は、先に述べたようギルドという形で出来上がりましたが、現在の生命保険制度の形で初めて設立された保険会社は、「エクイタブル」です。
・現在の生命保険制度とは?
ギルドは、年齢に関係なく一定の保険料であったため、加入者に死亡率が高い高齢者が多くなると、お金が払えなくなり、組合は成り立ちませんでした。
この問題を解決したのが天文学者であるエドモンド・ハレーです。人間の寿命を統計化した「生命表」を作成しました。「生命表」は、生命保険の成り立ちに大きな影響を与えています。
その後、数学者であるジェームス・ドドソン(以下ドドソン)が、年齢/性別による死亡者数の比率を予測することにより、「死亡率」を算出しました。
「ドドソンはハレーの死亡表をもとに、のちの保険の仕組をつくった」という説明をよくみかけますが、文献によるとこれは事実と異なるそうです。
そして、ドドソンが加入者の条件や保険金額、また配当金の仕組みなどを創り出し、公平で合理的な死亡率に基づいて保険料を集める、現在の生命保険制度が始まったのです。
「エクイタブル」は、2000年12月に実質破綻しました。
しかし、その後も会社は存続しており2018年6月にUtmost Life and Pensionsに買収され、完全子会社化されました。
現在は、新規の保険販売はしておらず既契約者のためだけにある会社となっています。
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リアほMAGAZINE編集局
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