著名人・専門家コラム

2022.07.14

「3人に1人はがんで亡くなる」という言葉との付き合い方【FPコラム】

生命保険の加入(切り替え)を検討しているなかで、がん保険もやはり必要なのかな、と考える機会があるでしょう。テレビの特集などを見て調べると、「3人に1人はがんで亡くなる」という衝撃的なフレーズが目に入ります。よりショッキングなものでは、「2人に1人はがんになる」というものも。ならばがん保険に入らないという選択肢があるのは何故なのかという疑問をも持ちます。今回はこの言葉との付き合い方について考察します。

3人に1人は「いつか」がんになる

この言葉は間違ってはいません。がん、こと悪性腫瘍は、人間の体内にある細胞が発がん物質などの影響で突然変異し、体内の免疫細胞でも死滅させることが出来ずに「がん細胞」として誕生すること。それが異常な分裂と増殖を繰り返して特定の部位に「がん」となり、更に体のあちこちに転移してがんの進行度を進めてしまいます。

この文章だけを見て、標題の3人に1人ががんになるのであれば、がん保険に入らないという選択肢はありません。公的健康保険に入っていても、主にがんの治療に使われる先進医療は保障内容から外れているため、がん保険は必須です。「がん保険」に入っていなくても、同等の保障を持つ医療保険に加入すべきだと考えます。ところがこの文章には大事なポイントがあります。それは、「何歳までに3人に1人ががんになる」という年齢条件がないことです。

厚生労働省から発表される平均寿命(男性81歳、女性87歳)までに3人に1人なのか、一般的に現役世代とされる60歳までに3人に1人なのかによって、保障の考え方は大きく変わります。前者であれば保障が必要がないということは決してありませんが、後者の場合にがん保険の給付金で対策したいものには、住宅ローンの返済や教育費、家族全員の生活費と多岐に渡ります。

もし加入中の医療保険で保障できなかったら「がん保険」を

現役世代を終えてからの罹患か、30代40代での罹患かがわからない以上、まず広範的に保障する医療保険への加入を検討しましょう。その前提のうえでがん保険が必要なケースを幾つか記していきます。

預貯金や運用で家族のライフイベントは対応できるが、医療費が上乗せされると難しい。

預貯金や運用で家計の担い手である自分に何かあってもライフイベントの対応は見込め、医療保険で医療費の保障はなんとかなりそうだが先進医療など医療費の上乗せがあると厳しいという家計の場合です。医療費の上乗せには家計の余裕から対応できればがん保険(など保険の上乗せ)は不要なのですが、この場合は家計もギリギリのため、がん保険に加入することをお勧めします。

遺伝や生活習慣で、がんに罹患する可能性が高いのではと考える場合

もう一つは「3人に1人」が自分に適用される可能性が高いという場合。医学的にもがんの一部には遺伝性があるとされます。また飲酒・喫煙・ストレスなどの生活習慣を自分で自覚している場合も、万が一がんになったらどうするかを考えるべきです。注意点は、がん保険には平均して90日前後の免責期間が設定されているため、ギリギリの加入まで判断が遅れないようにすること。更に体調が悪くなってからの加入検討は告知義務で加入が認められない場合もあります。結婚や子どもの誕生などライフイベントの変化を契機に、自分のなかでがんの罹患可能性を考え、がん保険加入を含めて検討するようにしましょう。

健康診断や人間ドックの精密受診が「何かあってから」になっている場合

最近の健康ブームを見ていても、30代や40代の現役世代が健康診断・人間ドックに対するスタンスは二極化しているように見えます。最低限受けて再検査や要検査があってから本腰を入れるタイプと、はじめからPET検査などオプション検査も駆使して病気リスクを摘み取るタイプです。がんは早期発見であるほど寛解率(がんが完全に治る確率)が高いとされ、それは医療費が抑えられることも同時に意味します。よく芸能人ががんに罹患したというニュースでも「人間ドックによる早期発見を功を奏して」といわれます。

例えるなら人間ドックでオプション費用を支払いがんの早期発見に努めることは、がん保険の保険料を支払うことと同意義であるといえるでしょう。もちろん双方の費用を比較すると、継続的に支払うがん保険の保険料よりもたった年に一度の健康診断の方が安く済みます。会社員の方は健康保険組合から案内される生活習慣病の健康診断を利用すると、同組合の補助により大幅に受診料を削減することも出来ますので、書類などを受け取っている際は必ずチェックしておきましょう。

ショッキングな「3人に1人ががんで亡くなる」という言葉ですが、客観的にその言葉が持つリスクを自分に当てはめて考え、リスクを顕在化していくことが大切です。そのうえで生命保険による保障が必要だと判断した場合、がん保険の加入を検討しましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤崇

FP-MYS代表。ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。(執筆実績はこちら:https://fori.io/takashi-kudo)

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