著名人・専門家コラム

2025.02.28

基礎疾患があっても医療保険に入りたい!【住宅FP関根が答える!Vol.138】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
みなさんの中には、基礎疾患があると医療保険には入ることができないと思っている方もいるのではないでしょうか。逆に、保険に加入できると思っていたのに、保険に加入することができなかったという方もいるのではないでしょうか。私のお客様でも保険の相談に来られて、いざ保険の提案となったら基礎疾患を抱えていらっしゃったり、本人も気にしていなかった過去の診断結果により保険の加入ができなかった方もたくさん見てきました。
そんななんとなく漠然と感じている不安を、今回のコラムで解説いたします。

基礎疾患や既往症とは

そもそもですが、基礎疾患とはどういった状態を指す言葉になるのでしょうか。また、保険に加入したいと考えたときに、必ず申告しなくてはいけない既往症という言葉はどういった意味なのでしょうか。これらはどちらも病気についての言葉になりますが、意味合いは大きく異なります。まずはこちらから解説します。

既往症とは、過去にかかった病気やケガの履歴のことを指します。また、これらをまとめたものが既往歴(病歴)であり、健康診断で何か異常が見つかったり、医師から指摘を受けたりした場合も、既往歴に含まれることがあります。それに対して基礎疾患とは、すでに病気を患っていて、通院や入院をしている方を「基礎疾患のある人」といいます。既往症は過去の病気に対する言葉であり、基礎疾患は現在進行形で罹患中の病気を指します。

もともと基礎疾患という言葉を聞いたことがなかった人も、新型コロナウイルス蔓延後によく耳にしたのではないでしょうか。新型コロナウイルスのワクチンがまだ足りていなかった頃、ワクチンは優先順位を決めて接種していました。その中で優先順位が高かったのが基礎疾患のある人たちでした。当時はテレビニュースなどでも基礎疾患のある方の優先接種と、基礎疾患にあたる人々の説明についてかなり報道されていました。

具体的に基礎疾患とはどういった病気が当てはまるのでしょうか。基礎疾患を有する人の定義は年齢でも異なりますが厚生労働省によると以下の通りです。

  • 慢性の呼吸器の病気
  • 慢性の心臓病(高血圧を含む)
  • 慢性の腎臓病
  • 慢性の肝臓病(肝硬変等)
  • インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病
  • 血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く)
  • 免疫の機能が低下する病気(治療や緩和ケアを受けている悪性腫瘍を含む)
  • ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
  • 神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 精神障害保健福祉手帳や療育手帳を所持している方
  • BMI30以上の重度の肥満症

※参考:基礎疾患を有する者|厚生労働省より一部抜粋

基礎疾患にあたる項目を見てもわかるように、基礎疾患とは単に原因となっている1つの病気というよりは、全身にも与える影響が大きいリスクとなる疾患を指すことが多いです。

基礎疾患があると医療保険に入りにくい理由

基礎疾患の定義が分かったところで、なぜ基礎疾患があると通常の医療保険に入りにくいのでしょうか。これは単純な話で、基礎疾患や入院歴がある方は、今までに何もない健康な方よりも保険金・給付金の支払い対象となる可能性が高いと考えられるためです。保険加入時に行う基礎疾患や既往歴、職業などの告知では、病気やケガに対するリスクの高さを確認しています。保険会社では過去の膨大なデータより、年齢や性別ごとのリスク度合いを割り出し、保険料を算出しています。そのため、若い人に比べ、高齢者の保険料が比較的高くなる傾向にあるのは、高齢者のほうが病気にかかりやすかったり、1入院当たりの日数が長くなりやすかったりするため、入院給付金額が高くなりやすいからです。

※参考:令和5年(2023)患者調査の概況|厚生労働省

基礎疾患がある方の保険の選択肢

では基礎疾患がある方は保険に入ることはあきらめなくてはいけないのでしょうか。こればっかりはその基礎疾患や治療方法、治療年数など、さまざまな要因で判断されるため、一概にお話しすることはできません。それでは、基礎疾患がある方が保険に入りたいと考えたときはどういった選択肢があるのでしょうか。やはり、基礎疾患がある中で通常の医療保険に加入しようというのは難易度が高いです。告知項目が多く、加入を断られてしまう可能性が高いです。

そこで、こういった方にも加入しやすい保険が引受基準緩和型医療保険です。こちらは通常の医療保険よりも告知項目が少ないため、基礎疾患や入院歴がある方でも入りやすくなっているというのが特徴です。しかしながら、保険会社にとっても、給付金の支払リスクが高い被保険者を保険にかけるため、その分保険料は通常の医療保険と比べて割高になります。そして、加入から何年間かは支払削減期間と言って保障額が一定期間削除されることもあります。さらに、この引受基準緩和型にも加入することができなかった場合、無選択型医療保険という選択肢もあります。この保険は告知がないため、誰でも加入することができます。しかしながら、なんといっても保険料はさらに割高になってしまうことが大きなデメリットと言えるでしょう。そして保障の選択肢も少なく、保障金額も抑えられています。

この加入できる保険と保険料の関係は見積もりをとってみての判断にはなってしまいますが、人は何もないときは健康への不安は感じにくいです。いざ病気になった、年をとってきたなど、やはり、病気が身近になってから不安になるものです。引受基準緩和型や無選択型の保険は、正直加入できても保険料が通常の保険と比べてかなりの割高になってしまうことも多く、素直にお勧めだとは言いにくいところもありますが、いつ入院になるかわからない、入院費は用意できるだろうかといった健康への不安やストレスを感じることが多い場合は一度、加入できる保険はないか、加入できる場合の保険料はいくらくらいなのかを確認してみてはいかがでしょうか。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

保険の選び方がわからない…
そんな方は!

 

あなたの保険をパーソナライズ診断
\ AIが最適な加入方法を分析 /

  

【PR】
この記事をシェア
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Twitterでシェア
  • facebookでシェア

WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

この記事を読んだ人は
こちらの記事も読んでいます

YOU MAY ALSO LIKE THIS ARTICLE

カテゴリーで絞り込む
タグで絞り込む
あなたは何タイプ?

パーソナライズ診断

診断を開始する

あなたは何タイプ?

Webメディア

マガジンをみる

あなたは何タイプ?

最適な保険をご提案

保険相談する