著名人・専門家コラム
2022.11.08
年代別保険加入における注意点は?【住宅FP関根が答える!Vol.32】
みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
保険というものはその年代により、必要になる保険、加入するべき保険が異なります。20代や60代などでは送る生活が大きく異なりますので当たり前なのですが、今回のコラムでは実際にその年代ごとの意識をして見直しをしていく内容について解説いたします。
20代の保険は?
近年晩婚化が進んでいることもあり20代の時というのは独身である方が多いと思います。独身のうちは家族への負担などはあまり大きく考える必要はないことが多いです。心配をしなければいけないのは自分のことになります。
そうなったときに加入をしたいのは、医療保険です。医療保険は、加入年齢が若い方の方がより割安となっています。保険料は月2000円程度でも加入できる保険がありますので若いうちの支払いでも無理なく支払うことができますね。
若いうちの医療保険はとにかく保険料が安く、今後も医療現場、治療方法は益々変化していくことを考えると、20代の頃に加入した保険を60代になっても加入し続けるといったものではないと思います。そう考えると、無理に特約を付けすぎるのではなく、比較的オーソドックスで最低限のシンプルな加入方法がお勧めです。
※詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
20代におすすめの保険
30代、40代の保険は?
20代の頃とは異なり、30代、40代頃になってくると結婚、出産そして住宅購入といった流れになってくるかと思います。配偶者ができ、子どもができれば自分だけの命ではなくなります。子どもができるまでは独身の2人が、一緒に住んでいるだけですので、仮にご主人様が亡くなったとしても、奥様は専業主婦などをしていた場合には再就職等もちろん大変にはなると思いますが基本的には独身女性に戻るだけです。自分1人で生きていくことは可能かと思います。
しかし、出産をすると話は変わります。万が一配偶者が亡くなった場合、シングルマザーもしくはシングルファーザーになることが確定します。こうなってしまった時のために特に加入を検討して頂きたい保険は収入保障保険です。1人での収入や、生活費、お子様の教育費なども考えながら、シングルになってしまった場合に必要になる金額を算出する必要があります。
また、住宅を購入している場合には、住宅ローン団信なども考慮しながら必要保障額を算出していくことが重要です。団信により住宅ローンが消失することもありますし、逆に収入は1人分になったのに住宅ローンは全額残ってしまう場合もあります。住宅というものは大変大きな買い物ですので1人となってからの住宅ローンの返済は大変なものになるでしょう。この辺りもしっかりと考慮していく必要があります。
そして同時に、老後への資産貯蓄も本格的に考えていく時期になります。現在は投資ブームということもあり、iDeCoや株式、個人年金保険に加入するなど、資産はただ銀行口座に預けておくだけではなくなってきました。老後への貯蓄なども一部、個人年金保険で積み立てていきたいという場合には、ある程度の積立期間なども考えると30代、40代で加入をしたいところです。
※詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
30代におすすめの保険
40代におすすめの保険
50代の保険は?
保険というものは子育てのゴールと同時に、必要保障額が変わります。50代というと教育費のゴールが見え、貯蓄なども貯まってきている時期かと思います。今までは遺族のための死亡保障を重点的に保険に加入をしていたと思いますが、これからは自分たちの老後に向けての準備となっていきます。必要に応じて、順次、保障額を減らし、解約の手続きをとっていき必要のない保険に加入しっぱなしということがないようにしましょう。
※詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
50代におすすめの保険
60代の保険は?
60代となると仕事を退職し、年金などで老後を過ごしていくことになると思います。ここまで積み立ててきた外貨建て保険など、貯蓄性保険の解約タイミングを計画的に考える必要があります。その時の解約返戻金、為替水準を見ながら現金にするタイミングを見ていきましょう。
そしてここから、本格的に必要になっていくのがやはり病気のリスクに備える医療保険、介護保険です。しかし、この年齢で医療保険や介護保険に加入をしても保険料は割高となってしまいます。できれば、この時期に必要になる保障を意識しながら30代、40代で加入をしていきたいところです。
30代、40代の時に必要になることが多い収入保障保険などの場合には必要になる金額を必要な時に加入すればよいですが、医療保険や介護保険はそうはいきません。多くの場合に必要になるのはやはり60代以降の老後になります。保険料が高くなってしまう前の若いうちから老後を見据えて加入していきましょう。
さいごに
やはり、保険加入で一番大切なのは自分にとって人生の分岐に立った時だと思います。結婚、出産、子育て、そして住宅購入が特に保険における人生のビックイベントかと思います。こういった局面で改めて加入している保険の見直しを行ってみてはいかがでしょうか。保険は人生を大きい目線で見たときにどういった保障がどれくらいの金額、いつ頃にどれくらいの期間必要なのかをしっかりと見極めていく必要があります。老後に向けての積立の開始、老後困らないために加入する医療保険や介護保険の加入もすべて将来を見越した30代、40代のうちに行わなくてはなりません。そう考えると保険加入というものは、30代、40代が1番大切な時期になるのかもしれませんね。
WRITER’S PROFILE
㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直
ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。