保険見直しQ&A

2023.12.28

解約以外の保険見直し方法とは?こんなこともできちゃいます【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

保険の見直しと聞いて、何を思い浮かべますか。保険の見直しとは、いま入っている保険を解約して、より安い別の保険に入り直すことというイメージを持っている人は多いかもしれません

実は保険の見直しの一番の目的は保険料を抑えることではなく、保障内容が自分に合っているか確認することです。そして、もしいまの保険で自分に必要な保障に備えられていないとしても、いまの保険を慌てて解約する必要はありません。

この記事では、保険の見直しの手順と、見直しでできることを紹介します。

保険の見直しを考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。

保険を見直す手順は?

保険を見直しすると保険料がいまよりも下がるというイメージがありますが、保険料を抑えることは目的のひとつでしかありません。

保険の見直しの最大の目的は、いまの自分にとって必要な保障を確保することです。ここでは、保険見直しのために必要なステップを簡単に紹介します。

いまの自分に必要な保障内容を洗い出す

もしものときに備えられるのが保険ですが、結婚や子供の誕生、定年退職などのライフステージごとに必要な備えは変わります

死亡保険を例にすると、同じ人であっても独身のときと小さな子供がいるとき、そして定年退職したあとでは、必要な保障額は同じではないでしょう。

このように加入したときには自分に合っていた保険が、時間の経過とともに保障内容に過不足が生まれることがあります。保障が足りないと、もしものときに十分に備えられません。反対に、保障が多すぎるのも問題です。保障が多ければ安心感は得られますが、それだけ保険料が高額になるためです。

保険を見直す目的は、いまの自分や家族の状況と照らし合わせて最適な保障が得られるようにすることです。そのために自分にとって必要な保障を洗い出すことから始めましょう。

いま入っている保険と他社の保険を比較検討する

自分に必要な保障がわかったら、どのような保険で備えるべきかを考えましょう。特に、いま入っている保険の保障額を変更したり、特約を追加・解約することで備えられるかどうか、それよりもより自分に合った他の保険に加入する方が良いかなどを確認します。

同じような保障内容でも、商品ごとに保険料は異なります。いまよりも保険料の負担を抑えられる保険が見つかるかもしれません。

現在の医療事情に合った新しい保険を検討する

いまの保険に入ってから数年以上経っている場合、その間に社会保険制度の変更や医療技術の急速な発展で、保障内容が実情と見合わなくなっていることがあります。

たとえば、以前はがん治療と言えば入院が主流でした。そのため、昔のがん保険は入院保障は手厚いことが多いのですが、現在は通院で治療が行われることが増えています。そのため、以前加入したがん保険のままでは、通院による治療では保障が受けられないこともありえます。

保険に入ってからある程度の時間が経っている場合は、保障内容が現在の医療事情などに合っているのかどうかも確認してみましょう

保険の見直しでできること

保障内容を確認した結果、いまの保険が自分に合っていないとわかったらどうしたら良いのでしょうか。「保険の見直し=いまの保険を解約し、新しい保険に入り直す」というイメージを持っている人も多いのですが、実はそれ以外にもさまざまな方法があります。

ここでは保険見直しでできることとして

  • 特約の付加・解約
  • 払済保険への変更
  • 延長保険への変更

を紹介します。

特約の付加・解約

生命保険のメインの保障を主契約と呼び、その他に付加できる保障を特約と呼びます。たとえば、終身保険であれば死亡保障が主契約です。特約は保険によって幅広く、その内容もそれぞれ異なりますが、代表的な特約には三大疾病特約・先進医療特約・介護特約などがあります。

特約を付加するメリットは、主契約の保障内容をさらに充実させたり、主契約では保障されないリスクをカバーできたりすることです。いま入っている保険では不足している保障を特約として付加することで、保険を解約したり新しい保険に入り直したりすることなく、保障を充実させられます

一方、すでに特約を付帯させている場合は、不要な特約を解約することで保険料の支払いを抑えられます。

保険の見直しで特約を付加・解約する方法は、保険そのものを解約せずにいまの自分に必要な保障をそろえる手段としておすすめです。ただし、主契約を解約すると、特約も自動的に解約されてしまいます。特約だけの契約はできない点には注意しましょう。

払済保険への変更

保険料を抑えることだけが保険の見直しの目的ではありませんが、さまざまな理由で保険料負担を減らさなければいけなくなったり、あるいは保険料の支払いが難しくなったりすることもあるかもしれません。その際におすすめの方法が、既存の保険を払済保険へ変更することです。

払済保険とは、いま入っている保険の解約返戻金相当額を一時払保険料として新しい保険を購入することです。新しい保険料の支払いを解約返戻金で済ませるため、払済保険にすると、以降の保険料の支払いがなくなります。

払済保険は変更前の保険よりも保険金額が少なくなったり、特約が消滅したりといったデメリットがあります。しかし、引き続き保障を受けながら保険料の支払いをなくせる方法ですので、保険料の支払いで悩んでいるなら払済保険を検討してみましょう。

延長保険への変更

延長保険とは、加入している保険の解約返戻金相当額を一時払保険料として新しい保険の保険料にあてる方法です。払済保険と仕組みは似ていますが、違いは払済保険が変更前の保険と同じ保険期間を維持するのと同時に保険金額が少なくなる仕組みであるのに対し、延長保険は変更前の保険と保障金額は変わりません。その代わり、保険期間は短くなります。特約が消滅するのは延長保険も払済保険も同じです。

保険を解約してしまうと保障は受けられなくなってしまいますが、延長保険なら保険料の支払いを中止しつつ、保障は継続できます。保険料の負担が大きく保険契約の継続が困難な場合に検討したい方法です。

まとめ

保険を見直す目的は、ライフステージや自分や家族の状況の変化に合わせて常に必要な保障を得ることです。そのためにはいまの自分に必要な保障を洗い出し、入っている保険でしっかりと備えられているか確認することが大切です。また、保険に入ってからある程度時間が経っている場合は、いまの医療事情などに合わせた保障があるかも確認しましょう。

保険の見直しでは、必ずしもいまの保険を解約する必要はありません。保険を解約して新しい保険に入り直す以外の保険の見直し方法には、

  • 特約を付加・解約
  • 払済保険に変更
  • 延長保険に変更

があります。

ライフステージに変化があったときなど、保険の見直しをするときにこの記事が参考になれば幸いです。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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