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2024.04.19
生命保険料の支払いに困ったら解約しかない?【住宅FP関根が答える!Vol.98】
みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
生命保険は長い期間にわたり支払うことが多いです。長い人生には収入の減少や子どもの教育費負担が大きい時期など、生命保険料の支払いに困る時もあると思います。
では生命保険料の支払いに困ってしまったとき、どのように対処すればいいのでしょうか。もちろん生命保険を解約するというやり方もありますが、一度解約をしてしまった保険は元に戻すことはできません。ここでは解約以外のやり方で、生命保険料の負担をなるべく軽くするためにはどのようなやり方があるのかを解説していきたいと思います。
保険契約が失効してしまうのはどんなとき?
生命保険料の支払いは通常、銀行口座引き落としやクレジットカード払いになっていることが多いと思います。クレジットカード払いの場合、カードが止まっている時以外は保険会社に対して支払い不能になるということはありません。しかし銀行引き落としの場合、残高が不足している場合には保険料の引き落としがかからないということがあります。銀行引き落としだと保険料が引き落とされない理由は半年払いや年払いなどにしている場合におきやすいです。半年払いや年払いの場合には引き落とされる保険料も大きくなってしまうため、契約者さんも残高の確認を忘れてしまっているということがあります。
保険料が引き落とされなかった場合、すぐに保険が失効(解約)されてしまうわけではありません。保険料の支払いが月払いだった場合その翌月末まで待ってくれますし、年払いや半年払いの場合、翌々月まで待ってもらうことができます。
この支払いを待ってもらっている期間を猶予期間というのですが、翌月や翌々月などの猶予期間内に保険料の支払いができなかった場合、保険契約自体が失効(解約)されてしまいます。この場合でも保険商品によっては自動振替貸付といい、解約返戻金がある場合などは、それまでに貯まっている解約返戻金を、滞納している保険料に充てる制度により保険が継続される場合もあります。これは保険商品ごとによって違いますし、また保険の契約形態によっても違うため、自身が加入している保険が自動振替貸付の対象になっているのかは保険会社や代理店などに確認が必要です。
無駄な特約を外す方法
商品によっては保険の主契約だけを残し、付加されている特約のみを外せる場合があります。例えば入院保険を例に挙げると、入院保険の多くは通常の入院給付金や手術給付金のほかに、上乗せ特約として3大疾病一時金特約や7大疾病一時金特約などの保障を追加している人もいらっしゃいます。保険会社によって違いますし、また商品ごとによっても違うため、必ず外すことができるということではないのですが、困ったときには保険会社に相談されることをお勧めします。
払い済み保険へ変更する方法
保険料の支払いに困ったとき、保険を解約するのではなく、保険自体は残しつつ保険料の支払いを止めるというやり方があります。このやり方を払い済み保険というのですが、払い済み保険を選択した場合、それ以降の保険料を払う必要はなく、保障はそれまでに支払った保険料分の保障を残すことになります。貯蓄性のある保険に加入している場合など、この払い済みを選ぶ方もいらっしゃいます。
減額請求をする方法
保険を解約せずに、その保険の規模を小さくし、その分保険料を節約する減額請求というやり方があります。例えば2000万円の死亡保険に加入し、毎月の保険料は2000円だったとします。この場合、2000万円の死亡保険を1000万円の死亡保険に減額請求した場合、保険料はおおよそ1000円に減額されます。(死亡保険金額によっては半額にならないこともあります)
こちらの例のように、加入している保険を半分にするということは、保険の半分を解約するというやり方になるため、貯蓄型の保険に加入している場合などは、解約返戻金の半分が戻ってきてしまうこともあります。保険の契約によって解約返戻金が少ない時期などに減額請求する場合には、戻ってくる解約返戻金も少ない金額で返ってきてしまうため該当する場合には注意が必要です。
年払いから月払いへ変更する方法
保険契約時に保険料の支払い方法を設定すると思いますが、月払いと年払いで比べた場合、年払い保険の方が若干保険料は安くなるため、年払いを選択している人がいます。しかし、ご夫婦の契約のすべてを年払いにしている場合などは、20~30万円という大きな金額になることも多いです。一年に一度まとめて大きい金額を払うことは大変です。月払いに切り替えて小分けにして支払うのも一つのやり方だと思います。
困ったときには専門家へ相談を
生命保険の商品も常に進化しているため、古い保険に入っている方などは、すぐに解約をするということではなく、一度専門家に相談されることをお勧めします。自分自身の判断で保険を解約をする、減額請求などをしてしまい、本来必要な保障までカットしてしまっては本末転倒です。自分自身で判断する前に、まずは専門家に相談することにより必要な保障を残し、無駄な保障をカットすることができ大変有効的です。
WRITER’S PROFILE
㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直
ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。