保険の基礎知識
2022.07.29
「共済」「少額短期保険」は保険とよく似た仕組み 【3分でわかる保険基礎】
生命保険会社や損害保険会社が扱う保険とよく似た仕組みのものに「共済」や「少額短期保険」があります。それぞれの仕組みを紹介します。
共済は非営利目的で運営される
共済も保険と同様に「多数の人から少額ずつ集めたお金を、少数の困っている人に届ける」仕組みの1つです。
保険会社の保険と共済で、特に注目すべき違いは次のような点です。
- 保険は基本的には営利目的で運営されるが、共済は非営利目的で運営される
- 保険は不特定多数の人が加入できるが、共済は組合員のみ加入できる
- 保険会社が経営破綻した場合、契約者が保護される仕組みがあるが、共済が破綻した場合の保護があるかどうかは共済ごとに違う
「共済は掛け金が安い」というイメージを持つ人も多いです。おそらく非営利目的で運営されているために、そのようなイメージが広がりやすいのでしょう。
実際には、共済よりも安く加入できる保険も存在するので、加入前にしっかり比較検討しましょう。
共済を運営している組合はたくさん存在しますが、日本で特によく知られている「4大共済」は「全労災、都道府県民共済、コープ共済、JA共済」です。
都道府県民共済は、かつて実施されていない県があったのですが、2022年4月からは47都道府県のすべてで共済事業が実施されています。
※参考:お知らせ|全国生協連
なお、神奈川県だけは「全国共済」という名前です。なぜなら、1981年に都道府県民共済が全国展開した時点で、神奈川県には「神奈川県民共済生活協同組合」がすでに存在(1973年から運営)していたためです。
都道府県民共済に加入している人が、他県へ引っ越す場合にも、引越し先の都道府県民共済にて保障を受けることができます。
少額短期保険は「小さい」保険
ペット保険が注目される時代ですが、ペット保険の中には「少額短期保険」にあたるものがあります。
何千万円もの保障を受けることができる生命保険や火災保険に比べて、カバーできる金額が小さく、保険期間も2年までと短いことが少額短期保険の特徴です。「ミニ保険」とも呼ばれています。
少額短期保険が導入されたのは2006年のことです。
1990年代に、どこの省庁からも監督されていない「無認可共済」と呼ばれる仕組みが多数生まれたのですが、無認可共済のなかには問題を起こすところもありました。
- 顧客から預かった資金を使い込んでしまい、保険金が払えなくなった
- 勧誘方法に問題があった
などです。
そこで法改正が行われ、共済や保険などの仕組みは無認可では運営できない状況となりました。
言い換えれば、現在において運営されている共済制度や少額短期保険は、法律にしたがって、省庁の監督を受けて運営されているので、より安心だということです。
少額短期保険には、既に触れたペット保険のほかに、これまでの保険では実現できなかったようなニッチなニーズをカバーする商品も多いです。
結婚式のキャンセルに備える保険や、地震保険のみ(火災保険なし)に加入できる商品などもあります。
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