著名人・専門家コラム

2023.11.22

加入中の生命保険、保険会社が倒産したらどうなるの?【住宅FP関根が答える!Vol.78】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
長年、生命保険募集人をしていると、たまに聞かれる質問があります。
「加入している保険会社が将来倒産した場合、どのようになるのか」ということです。

例えば、30歳の時に終身保険に加入したとして、90歳まで生きたとしたら、保障を受けるのは加入から60年後になります。現段階で財務状況がいい保険会社から商品を提案したとしても、60年後その保険会社がどうなっているか分かりません。心配になる気持ちも理解できます。保険は時に数十年単位で加入するもののため、保険会社が倒産した場合、どこまで保証されるかということは厳格に決められています。生命保険会社が倒産した場合もその契約している保険がなくなるわけではありません。

生命保険契約者保護機構

保険会社が破綻をした場合、生命保険契約者保護機構により、保険契約は継続されることが決められています

生命保険契約者保護機構とは、保険業法に基づき、平成10年に設立された機構で、国内で事業を行うすべての生命保険会社が会員として加入している機構になります。万一保険会社が倒産をした場合、この生命保険契約者保護機構により、決められた範囲内で保険契約者の契約が守られます。保険契約が保護されるやり方は2つあります。

まずは生命保険契約者保護機構が倒産した保険会社の契約を引き継ぎます。その後救済保険会社を探す場合と、承継保険会社に対し資金援助を行う場合もあります。その後、救済保険会社を探し、保険会社が現れた場合、そのまま保険契約は移転され、破綻後も契約が続くことになりますが、救済保険会社が現れなかった場合、保護機構が設立している子会社が承継保険会社として、保険契約を移転する場合、もしくは生命保険契約者保護機構自身が保険契約を引き受け契約は継続されるため、元の保険会社が破綻した後も、契約が続くことになります。

ただここで気をつけなければいけないのは、保険契約の内容が一部変更される可能性もあります。バブル崩壊後に、日本の保険会社は8社倒産しているのですが、倒産した理由は、契約者様に高い予定利率の商品を提案し、その利率が払えなくなり破綻していきました。そして、それらの保険は救済保険会社に移転された後、多くの商品で解約返戻金や、年金額が減額されたという経緯があります。

生命保険会社は将来の保険金や年金、給付金の支払いに備え、契約者様から預かっている保険料の一部を積み立てています。この積立金を責任準備金というのですが、保険が救済保険会社等に継承された場合、この責任準備金の90%までは原則補償されますが、残りの10%に関しては、補償されない可能性もあります。

また、責任準備金の削減のほかにも、予定利率の引き下げなどが行われ契約条件が変更される場合があります。予定利率とは、保険料の算出に当たり、あらかじめ決められた利率の1つです。保険会社は契約者から預かっている保険料を利用し、資産運用などを行うことにより一定の収益を見込んでいます。その見込まれる収益分だけ保険料を割り引き、保険金、給付金の額と契約者様から頂く保険料のバランスを考えていくのですが、このときの資産運用により見込まれる運用率(割引率)のことを予定利率といいます。

バブルの頃は市場の金利が高かったため、多くの保険で予定利率が高くなっていました。バブル崩壊後、保険会社が倒産すると、それら予定利率の高かった保険商品が救済保険会社に移転されると、救済保険会社で予定利率が大幅に下げられるということがありました。予定利率が下げられるということは同じ保険料を払いながらも、死亡保険金や、解約返戻金、年金などが大幅に下げられてしまったということです。

ちなみに過去に国内で倒産した保険会社は多くありましたが、どれも予定利率を下げられながら外資系保険会社に救済をされていきました。当時カタカナ名前の外資系保険会社は心配、昔からある日本社の方が安心という方は多かったと思いますが、倒産をしたのはバブルの頃の乱脈経営を続けた日本の保険会社が、バブルがはじけて経営難になり次々に倒産をしていくこととなりました。

生命保険は時に数十年単位で加入することとなります。そのためその時々の市場の金利で加入をしてしまい、加入をした時には条件が良くても、その後倒産をして商品性が大きく落ちてしまうということも、バブルの頃によくあった話です。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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