生命保険の始まり~海外での保険の起源~

この記事では、「海外での保険の起源」というテーマで海外での保険の始まりについて解説していきます。

 

■海外での保険の起源

生命保険を語る前に、そもそも「保険」の仕組みはいつ頃からはじまり、どうやってはじまったのでしょうか?少し歴史をさかのぼって見ていこうと思います。 
そもそもの最初の「保険」の仕組みは、古代オリエント時代(紀元前3200年~紀元前200年)にも存在していました。
 
この時代、船を使った交易が盛んに行われていましたが、船での航海は常に危険と隣り合わせでした。当時の船は今と違って、こんな感じです。

現代における航海も自然災害や海賊などの危険とは隣り合わせですが、当時のそれは今とは比較になりませんでした。
荷物を運搬する方も、運搬を依頼する方もある種ギャンブルのようなものです。まずは船が無事目的地に到着できるかどうか?が最大のポイントであったのです。
これらの危険に備えるために、航海前に資金を借り入れ、船が沈んでしまったら返済を免除される代わりに、無事に航海が成功したら利息とともに貸主に返済するということが頻繁に行われていました。
これが海外での保険の起源であると言われています。 

■保険の仕組みの始まり

少し現代に近づきましょう。病気やケガに対する保険の原型は、16世紀にイギリスのエリザベス一世の時代であるといわれています。「ゴールデンエイジ」と呼ばれるイギリスの黄金期を築いたエリザベス女王ですが、即位当初は、常にスペインやフランスの侵略の脅威にさらされ、決して強い国ではありませんでした。
エリザベス女王は、ライバル「無敵艦隊」をもつスペインの海の覇権を崩すためにあらゆる手を打つのですが、その一つに「私掠船」(しりゃくせん)の展開があげられます。
これは海の傭兵のような位置付けです。エリザベス一世は「スペインの船は襲撃してもいいわよ!」とイギリスとして、海賊にお墨付きを与えたのです。
イギリスの海賊たちはスペインの船を襲撃、略奪しても良いという自由を与えられ、それに加えて、海賊行為の結果、ケガをしてしまった場合は、エリザベス女王がお金(保険金)を払うと公言しました。

海賊はエリザベス女王の、この「保険」のおかげで思いっきり暴れまわり、大いにスペインを苦しめました。
後にイギリスはスペインの無敵艦隊を打ち破り、世界の覇権はイギリスのものとなったわけですが、その一つの要因がこの「私掠船」であるとも言われています。
 

■生命保険の原型と近代生命保険の始まり

生命保険の原型は中世ヨーロッパの「ギルド」で始まったと言われています。「ギルド」とは中世のヨーロッパで、技術の独占などのため、親方・職人・徒弟から組織された同業者の自治団体の事です。
組合員は、仕事をなくして収入が途絶えた時や、亡くなった場合は組合として遺族にお金を融通する仕組みでした。しかしこの仕組みはあくまでも「慣習」であり、不文律(暗黙の了解)なものでした。 
その後、17世紀のイギリスでは「セントポール寺院」の牧師たちが葬式代をまかなうために、お互いにいくらかづつ出し合って積み立てていく仕組みをつくりました。簡単に言えば、皆で「お香典」を前払いするような仕組みです。
しかし、この仕組みは参加者全員が同じ金額を一律で支払う取り決めであったため、高齢者に比べて若者が結果として長い期間、保険料を払うことになり、次第に若者の不満がたまっていき、若者の離脱者が続出し、制度として成り立たなくなってしまいました。 
この仕組みが近代的な仕組みへと変化したのは18世紀ごろです。
「ハレー彗星」で有名な天文学者エドモンド・ハレーが、統計に基づいて、実際の死亡率に基づいた生命表を作成しました。

しっかりとした計算基礎に基づいて保険料を集めるため、先ほど述べたギルドの様に仕組み自体が崩壊してしまうことや、セントポール寺院の様に「支払われるかどうかわからない」不文律な存在ではなく、しっかりと生命表に基づいた合理的な生命保険が作られる土台が築かれました。
天文学を研究していたハレーは膨大な量の統計を取っていましたので、彼が作成した生命表により、死亡率などをしっかり計算に入れた上で保険料を設定し、支払いも確実にできる仕組みを作るきっかけとなったのです。
生命表ができたことにより、各年齢ごとに保険料を払う者の人数と亡くなる(保険金を受け取る)者の人数が推定できるようになりました。 これを機に、死亡率に応じて保険料に差がつけられ、死亡率に基づいた保険料を集める制度ができたのです。

 

■まとめ 

今回は海外での保険の起源についてお届いたしました。今ではライフプランニングの上で選択肢の一として欠かせない保険ですが、ギルドの香典前払い制度からも分かるように「人々の助け合いの精神」から生まれた仕組みなんですね。
次回は「生命保険の始まり~日本での保険の起源~」で、日本における生命保険制度の成り立ち」についてお伝えします。
★写真引用元
科学技術振興機構
参照:Science Portal
画像出典:サイエンスウィンドウ 乗りものの歴史https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/sciencewindow/20180731_w01/

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER'S PROFILE
よーすけ 株式会社WDC 社長室長
証券会社に勤務後、生保、M&A仲介会社などを経て2021年6月に株式会社WDCに参画。 小中高と柔道、アメフトは学生(メキシコ戦代表選抜経験あり)、社会人Xリーグとプレー。 会社まではママチャリ通勤。そんなには食べないのになかなか痩せないことがなやみ。

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