保険の基礎知識
2022.05.18
妊娠を考え始めたら医療保険に加入しよう!【FP監修】
「妊娠中は医療保険に入れないの?」「子どもがほしいけど、保険に入るべきなの?」
こんな悩みを持っていませんか。
この記事では、妊娠・出産に医療保険や女性保険で備えるべき理由や、保険は妊娠前に加入するほうが良い理由を解説します。
近い将来に妊娠を考えている女性はぜひ参考にしてください。
妊娠・出産を希望するなら医療保険に入っておこう
妊娠を考え始めたタイミングで入っておきたいのが医療保険です。ここでは医療保険で妊娠・出産に備えた方が良い理由を解説します。
妊娠・出産では思いがけないトラブルで入院・手術になることも
病気ではない通常の妊娠や出産は、健康保険や医療保険の対象外です。各種の手当はありますが、出産費用などは基本的に自己負担しなければいけません。
しかし、妊娠・出産にはさまざまなリスクがあり、切迫早産と診断されて出産まで長期入院が必要になった場合は医療保険から給付金が受け取れる可能性があります。また、近年増えている帝王切開も保険の保障の対象です。
妊娠や出産では誰にでもトラブルが起こる可能性があり、思いがけず大きな医療費がかかることもあります。もしもの時に備えて、妊娠・出産を希望するなら医療保険加入を検討しましょう。
給付金は医療費以外の費用や生活費の補填にも使える
妊娠や出産に関連したトラブルで入院中、プライバシーを守るために個室を希望する女性もいるでしょう。個室や少人数部屋を利用する際にかかる差額ベッド代は保険適用されず、全額が自己負担のため短期の入院でも高額になることがあります。医療保険の給付金があれば、差額ベッド代や入院中の食事代のような出費をカバーできるでしょう。また入院期間中の収入減の補填としても活用できます。
妊娠前・妊活中に医療保険に加入すべき3つの理由
多くの正常な妊娠・出産では医療保険を利用することはありません。しかし、健康な人でも妊娠や出産では思わぬトラブルで入院や手術が必要になることがあるため、医療保険で備えておくと安心できます。しかし、妊娠がわかってから保険に加入したのでは、必要な時に保障を受けられないことがあるのです。
ここでは妊娠・出産でのトラブルに備えるためだけでなく、長い目で見ても女性が妊娠前に医療保険に入ったほうが良い理由を3つ解説します。
理由①:妊娠中は保険に入れないことがある
妊娠前に保険加入をすすめる理由の一つが、妊娠がわかってからでは加入できる保険が制限されてしまうことです。そもそも妊娠中の女性の加入を受け付けていない保険や、加入できる条件を妊娠中期(保険によって異なり、遅くても26週)までとしている保険は少なくありません。
また、仮に妊娠中に医療保険に加入できたとしても、子宮や卵巣などに特定部位不担保の条件がつく場合もあります。特定部位不担保とは、被保険者の身体の特定部位に発生した病気などに対しては保障しないという条件です。つまり、せっかく妊娠中に医療保険に入っても、切迫流産や帝王切開になった場合に保障が得られないおそれがあるのです。
理由②:帝王切開をすると保険に加入できない・制限がかかることもある
一度、帝王切開で出産をすると次回も帝王切開となる可能性が高いと言われています。そのため、保険会社によっては一定期間が経過するまで加入を断られることもあります。また、もし帝王切開で出産した女性が医療保険に加入できたとしても、一定期間は特定部位不担保の条件つき加入となるかもしれません。その場合、子宮や卵巣の病気や次の出産時の帝王切開などは保障されないため注意が必要です。
ほかに、流産などで入院・手術をした場合も特定部位不担保になることがあります。保険加入の条件は保険会社によって異なります。また、入院や手術などが必要になるほどのトラブルなく正常分娩した場合は、特段の問題なく保険に入れることもあります。しかし、妊娠前のほうが、よりスムーズに保険加入できる可能性が高いでしょう。
理由③:不妊治療で保険に加入できないことがある
不妊治療を受けている場合、保険会社によっては医療保険に加入ができないことがあります。妊娠や出産と同じく、不妊治療も病気ではありません。しかし、ホルモン剤などを多く使う不妊治療はさまざまなリスクが伴うと考えられるため、保険加入を制限されることがあるのです。
近年、不妊治療を受けるカップルが増えています。今後、不妊治療をする可能性があるのなら、早めに医療保険の加入を検討しましょう。
妊娠前に加入したいおすすめの保険
女性は妊娠前に医療保険に入ったほうが良いことを解説しました。ここでは、特に妊娠・出産を希望する女性におすすめの医療保険を紹介します。
女性保険
女性保険とは病気やケガだけでなく、妊娠や出産、女性特有の病気の治療に手厚く準備できる保険です。一般的な病気やケガで入院・手術をする場合に比べて、妊娠や出産、所定の女性がかかりやすい病気では通常よりも多くの給付金を受け取れるのが特徴です。
たとえば、入院給付金の日額5,000円のプランを選んだ場合、妊娠・出産のトラブルで入院した時には日額10,000円の給付金を受け取れます。一般的な医療保険の入院給付金を日額10,000円に設定するよりも、割安な保険料で妊娠・出産、女性がかかりやすい病気に手厚い保障で備えられます。
医療保険と女性疾病特約
医療保険のなかには、女性疾病特約という特約を選べるものがあります。女性疾病特約は、妊娠・出産、各種の女性がかかりやすい病気に対して保障を上乗せする特約です。一般的な医療保険に女性疾病特約を組み合わせることで、女性保険と同じような保障を受けられます。
女性疾病特約は特に現在、医療保険に加入している人にとって、いまの保険を解約することなく妊娠・出産でのトラブルに備えられるメリットがあります。また、必要なくなったら特約だけを解約できるため、無駄がありません。
まとめ
妊娠や出産のトラブルは誰にでも起こる可能性がありますが、妊娠中や出産後は医療保険への加入が難しくなったり、保障が限定的になったりすることがあります。また、不妊治療をしている女性も保険に入れないことがあるため、妊娠を考え始めたら保険加入を検討するのがおすすめです。
女性保険や医療保険の女性疾病特約などを活用し、もしもの時に備えましょう。
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。