保険の基礎知識

2023.07.04

がん保険と医療保険の違いは保障範囲だけじゃない?どちらを選ぶべき?【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

がん保険と医療保険は、どちらも入院や手術でかかる医療費に備えるための保険です。特に、医療保険ではがんの医療費も保障されるため、2つの保険の違いやどちらに入るべきかを迷う人もいるかもしれません。しかし、がん保険と医療保険は、特に保障範囲やがんに対する保障の手厚さに違いがあります。

この記事では、がん保険と医療保険の保障範囲やがん保険の特徴を解説します。医療保険でがんにしっかりと備える方法なども紹介しますので、医療保険とがん保険のどちらに入るべきか迷っている人は参考にしてください。

がん保険と医療保険の大きな違いは保障範囲

医療保険は、がんを含むすべての病気やケガによる入院や手術のための医療費をカバーする保険です。一方、がん保険は、がんのみに特化した保険です。そのため、医療保険に入っている人はがんによる入院や手術などで保障を受けられますが、反対にがん保険にだけ入っていて医療保険に入っていない人は、がん以外の病気やケガで入院や手術をすることになっても、保障はありません。なお、医療保険とがん保険の両方に加入している人ががんになった場合は、2つの保険からそれぞれ給付金などを受け取れます。

医療保険でがんの治療費も保障されるのであれば、医療保険だけ入れば良いと考える人もいるかもしれません。しかし、医療保険は保障範囲が広い分、がんになった場合に受けられる保障は、がん保険ほど手厚くない傾向があります。たとえば、日帰りや1・2泊程度の短期入院では保障が受けられなかったり、入院給付金が支払われる日数に制限があったりする医療保険は少なくありません。一方、がん保険はがんに特化しているため、がんの治療の傾向に合わせて手厚い保障が用意されています。

当然ですが2つの保険に加入すると保険料も倍額になるため、医療保険の本契約にがん保険の特約や、がん保険の本契約に医療特約など、保険料を抑制する工夫も必要です。

がん保険と医療保険の図解

がん保険の特徴

がん保険と医療保険には保障の対象や保障範囲以外にも違いがあります。ここでは、医療保険にはないがん保険の特徴を紹介します。

  がん保険 医療保険
保障対象 がん がんとそれ以外の病気やケガ
主な保障内容 診断給付金
入院給付金
手術給付金
通院給付金
がん先進医療給付金
など
入院給付金
手術給付金
先進医療給付金
など
免責期間 90日間(3か月) なし
1入院の限度日数 無制限 30日、60日、120日など
契約時に定める
通算入院限度日数 無制限 1,000日、1,095日など
契約時に定める
加入制限 年齢・職業・給付金額・健康状態(がんに起因する既往症でなければ医療保険より加入しやすい) 年齢・職業・給付金額・健康状態
※一般的な保障内容の比較です。上記に該当しない場合もあります。

保険料が安い

がん保険は、がんという特定の病気のみを保障対象としているため、保険料が安いのが特徴です。医療保険は、あらゆる病気やケガの医療費をカバーするため、給付金などが支払われる機会が増えます。その分、医療保険の保険料はがん保険よりも高いのです。

がんは治療が長期化しやすく、医療費の負担が重くなりやすいという特徴があります。保険料を抑えながら、がんによる経済的不安に備えたい人にはがん保険がおすすめです。

診断給付金(一時金)がある

診断給付金(一時金)とは、医師からがんと診断された場合に受け取れる給付金です。保険会社やプランによって、給付金額は数十万円から数百万円まで開きがありますが、治療が始まる前にまとまった金額を受け取れるため、使い道の自由度が高いのが特徴です。がんになると、医療費や入院中の差額ベッド代、生活費など以外にも、医療用のウィッグなどさまざまなことにお金ががかかります。診断給付金(一時金)は、がんになった人のニーズに合った保障内容だといえるでしょう。

免責期間がある

医療保険にはない、がん保険独自の制度に免責期間があります。一般的にがん保険の免責期間は90日間または3カ月間程度で、この期間内にがんになっても保障を受けられません。がんは初期段階では自覚症状がないなどの理由から、加入直後の給付金の支払いを防ぎ、加入者間の公平性を保つことが免責期間の目的です。ただし、最近では、免責期間がないがん保険も販売されています。

1入院あたりや通算入院日数にかかわらず、入院保障が受けられる

がん保険の場合、入院1回の日数や通算での入院日数にかかわらず、無制限に入院給付金などが受け取れるのが特徴です。医療保険では、入院1回あたりの日数に60日や120日など上限日数が決められており、これを超えた日については給付金が支払われません。また、医療保険は短期間に入退院を繰り返す場合や、保険期間中の通算入院日数によっても制限があるのが一般的です。

しかし、がんの治療は完了までに時間がかかることが多く、繰り返して入院することも珍しくありません。日数無制限で入院保障が受けられるがん保険であれば、長引く入院や再発にも備えられます。

通院治療でも保障が受けられるものが多い

以前は、がんの治療といえば入院や手術が中心でした。しかし、最近では、がんの種類や病状によっては通院のみで治療することも可能になり、入院期間は短縮化しています。一方で、がんの治療には時間がかかることも多いため、何度も通院しなければならないこともあります。そのため、がん保険では通院保障にも重点を置いた商品が増えてきました。

医療保険のがん特約でがんに備える

医療保険はあらゆる病気やケガによる手術や入院費用などに備えられる保険ですが、

  • がん診断給付金(一時金)がない
  • 入院1回あたりや通算入院日数の上限を超えると、入院給付金が受け取れない

ことが多いため、がんになると保障が不足する場合もあります。

がんは日本人に多い病気のひとつであり、治療期間が長くなりやすい、医療費以外にも費用がかかるなどの特徴があります。そこで、医療保険だけでは保障が不十分だと感じる人は、医療保険とがん保険の両方に加入するか、もしくは、医療保険に特約を付けることを検討してみましょう。

がん特約の内容は保険会社や商品によって異なりますが、診断給付金(一時金)が受け取れたり、がんによる入院で受け取る入院給付金が通常よりも上乗せされたりするものがあります。別途がん保険に入るよりは、保険料を抑えられる場合もあるため、すでに医療保険に入っている人はがん特約の内容を確認してみてください。

また、がんの治療費への備えを考えるのであれば、医療保険の先進医療特約もおすすめです。がんの種類や症状によっては先進医療が効果的な可能性がありますが、公的医療保険が適用されないため、治療費が高額になることがあります。医療保険の先進医療特約では、がんの治療を含むすべての病気に対し、先進医療にかかる費用をカバーできるため、治療の選択肢を広げられます。

まとめ

がん保険と医療保険は、一見すると似ています。しかし、がんに特化しているがん保険は、病気の特性に合わせた手厚い保障が受けられるのが特徴です。また、あらゆる病気やケガを保障する医療保険と異なり、保障範囲ががんに限られているため、保険料が安いというメリットもあります。

保険料負担を抑えながら、がんによる経済的リスクに備えたい場合はがん保険が向いていますが、すでに医療保険に入っている人は、がん特約を付加することで足りない保障を補うのもおすすめです。がん保険と医療保険の違いについて、この記事が参考になれば幸いです。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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