お金と暮らしの基礎知識
2021.08.31
収入と所得って違うの!?
収入と所得、「言い方が違うだけで意味は同じじゃないの?」と思っている方が多いのではないでしょうか?実は収入と所得はまったく違うものです。その違いは何なのか、解説していきます。
収入と所得の違い、きちんと理解されている方は少ないかもしれません。もともとは税金の計算のために分別されている言葉です。みなさんの収入金額と所得金額は年末に会社から受け取る「源泉徴収票」を見ればわかります。
でもその前に「収入」と「所得」がそれぞれ何なのかをお話しします。
■収入とは?
収入は給与や賞与(ボーナス)など、年間の合計収入のことです。つまり年収です。収入と年収は同じものですが、税法上「年収」という言葉は使いません。所得税や住民税を計算するときには「年収」のことを「収入」と呼んでいます。「源泉徴収票」の中では「支払金額」という欄に記載されている金額です。
■所得とは?
会社員の方の所得は「給与所得」と呼ばれます。
収入(税込年収)から給与所得控除を引いた金額が「給与所得」です。
給与所得控除とは、必要経費のようなものです。仕事をして収入を得るためにはさまざまな経費がかかります。自営業の方であれば確定申告の際に経費を引くことができますが、会社員の方はほとんどの場合、確定申告をしませんので、経費を差し引くことができません。会社に勤務している場合でも、仕事上どうしても自分で購入しなければならないものがあります。たとえばスーツや文房具などです。これらの経費を見込み経費として収入から差し引いて所得税を免除してくれるのです。
こうして算出された金額をベースにして所得税を算出します。
■給与所得控除とは?
給与所得控除(いわゆる会社員にとっての必要経費)は収入金額によって下記のように決められています。
たとえば税込年収が500万円の人であれば、給与所得控除額は500万円×20%+44万円で144万円です。年収500万円からこの144万円を引いた356万円が給与所得となります。
実際に所得税を計算するときにはこの356万円から、さらにさまざまな控除(基礎控除や社会保険料控除など)があり課税所得金額が算出され、その金額に所得税の税率をかけて税額が決定します。所得税の計算についてはまた別の記事でご案内します。
■源泉徴収票の見かたを解説します!
1.支払金額: 「収入」(税込年収)です。(前述の例だと500万円)
2.給与所得控除後の金額: 「所得」です。(前述の例だと356万円)
3.所得控除の額の合計額: 「給与所得控除」以外の控除額(社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除など)の合計です。
4.源泉徴収税額: 1年間でお給料から天引きされた所得税の合計額です。2.給与所得控除後の金額-3.所得控除の額の合計額が課税所得金額となり、この金額に税率をかけたものが4.源泉徴収税額です。
■まとめ
いかがでしたか?収入と所得の違い、ご理解をいただけましたか?
今年の源泉徴収票を見るときは、ぜひこの記事を思い出してくださいね。
いつもお給料から天引きされている税金や社会保険料を自分が一体どれくらい払っているのかを知ることができますよ。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。