保険の基礎知識
2021.11.01
割安な保険料で加入できる?保険の団体扱いとは?
保険の団体扱いという言葉を聞いたことはありますか?
お勤め先が一定の要件をみたすと割安な保険料で給与天引きで加入できる場合があります。
ここでは、まず団体扱いについて確認したうえで、団体扱いの保険に加入するメリットとデメリットについてそれぞれ解説していきます。
■団体扱いについて
団体~とつく保険の加入方法としては、大きく分けると団体保険(グループ保険)と団体扱い契約の2種類があります。
今回説明するのは、後者の団体扱い契約です。
団体扱いは、個人で加入した民間の保険の保険料を勤務先が給与から天引きして、企業が保険会社に一括して支払う方法のことをいいます。
まず、個人と保険会社が契約を結び、企業は個人に代わって給与天引きで保険料をまとめて保険会社に支払います。
加入できる保険は主に個人保険で、加入者は団体扱いにすることで割安な保険料で加入できます。
団体扱い契約の保険に加入できるのは、保険会社と勤務先の企業の間で団体扱いに関する契約があることが必要です。
勤務先に団体扱い契約があるかについては、各自で保険会社または勤務先に確認しましょう。
■団体扱い保険のメリット
(1)保険料の入金忘れを防ぐことができる
保険契約を有効に継続させるためには、払込方法に応じて期限までに保険料を払い込む必要があります。
個人で保険契約を行い、期日に保険料の払い込みができなかった場合、その保険契約はすぐに保険の効力を失わず、一定期間は保険料の払込みが猶予されます。
仮に、払込猶予期間が満了するまでに保険料が払い込みできなかった場合、自動振替貸付制度(保険料相当の金額を、その保険契約の解約返戻金の範囲内で保険会社が自動的に立て替え、契約を有効に維持させる制度)が適用されない限り、その保険契約は失効して保障の効力がなくなってしまいます。
一方、団体扱いの場合には、保険料が給与から天引きされ保険会社に支払われるため、期限までの口座への入金忘れなどがなくなることで、確実に契約を継続できるといえるでしょう。また、保険料の支払い履歴は、預金通帳やクレジットカードの明細に代わって通常給与明細で確認ができます。
(2)保険料が割安
団体での加入者が一定数以上になると、月払の保険料が通常の個人の口座振替やクレジットカード払いの契約に比べて割引される場合があります。
そのため、月々の保険料の支払金額を抑えたい人は、企業で団体扱いがあれば加入を検討されるといいでしょう。
(3)生命保険料控除の手続きが簡単
生命保険料を支払った場合、一定の金額を所得から差し引くことで、所得税などの税負担が軽くなるという生命保険料控除の制度があります。
団体扱いの保険の場合には、所定欄に団体の代表者などの確認印を押印すれば申請手続きができるため、手続きにおける負担が少なく簡単です。
■団体扱いにデメリットはあるの?
では、団体扱い保険にはデメリットはあるのでしょうか。
(1)加入条件がある
団体扱いの保険は、基本的に企業などの団体から毎月給与の支払いを受けている人が対象です。
そのため、団体から給与の支払いを受けていない人、団体に勤務していない人、団体を退職した人(退職者が加入対象となっている団体を除く)の場合には、団体扱いの対象外です。
(2)退職時には個別で手続きが必要となる
たとえば、勤務先の企業で団体扱いの生命保険に加入したあと、その企業を退職することになった場合には、退職者が加入対象となっていない限り団体扱いの対象者ではなくなってしまいます。
そのため、退職時に給与の天引きから、口座振替やクレジット払いへ保険料払込方法を変更する手続きを行う必要があります。
退職後は、団体扱いでの保険料から、一般の個人の口座振替またはクレジットカード払いの保険料に変わるため保険料が上がる可能性があります。
ただし、転職先でも加入している生命保険会社と団体扱いの契約があれば、転職先でも再び団体扱いの保険料が適用できます。前後に必要な手続きについては保険会社や転職先に確認しましょう。
■ まとめ
ここまで、団体扱いについて、そのメリットとデメリットを説明しました。
保険会社を選ぶ際に、勤務先に団体扱いができる保険会社があれば、検討対象の1つになるでしょう。メリットとデメリットを照らし合わせながら、ご自身に必要な保険を備えましょう。
また、団体扱い以外にも一定の健康状態を満たすと割安な保険料で加入できる保険もあります。同じような保障内容であれば複数を比較して検討することをおすすめします。
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リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。