保険の基礎知識
2023.08.02
ネット保険の選び方!注意点や保険料を見積もりする方法は?【FP監修】
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。
ネット保険では、インターネットから保険の見積もりや加入ができます。時間や場所に関係なく保険の比較検討や申込ができる便利なサービスですが、慣れていないと自分で操作して見積もりを出したり、保険を選んだりするのは難しいと感じる人もいるでしょう。
この記事では、ネット保険で保険料を見積もりする方法や保険選びの注意点を解説します。
ネット保険を利用しようと考えている人は参考にしてください。
ネット保険の選び方
ネット保険は、対面販売の保険と比べると同じ保障内容であれば保険料が安くなる傾向がある以外にも、保障内容がシンプルなものが多いという特徴もあります。しかし、その反面、選べる商品に制限があることや、最低限の保険の知識を持っていないと選びにくいという点に注意が必要です。
ネット保険を選ぶ際は、時間をかけてさまざまな商品を比較しましょう。インターネットを使い、保険料の見積もりをしたり、いくつかの商品を比較したりすることが簡単にできるのもネット保険のメリットです。また、商品を探していてわからないことがあれば、コールセンターなどへ電話やメールなどで問い合わせして疑問点を解消するようにしましょう。対面販売と異なり、ネット保険では、インターネットさえあれば時間や場所に縛られずに保険を探せます。しっかりと時間をかけ、納得できる保険選びをすることが大切です。
ネット保険で保険料を見積もりする方法
ここでは、インターネットからネット保険の保険料の見積もりをする手順を解説します。生命保険会社や保険比較サイトなどによって多少の違いはありますが、大まかな流れはほぼ同じだと考えてよいでしょう。
ネット保険のウェブサイトにアクセスしたら、
- 性別と生年月日を入力
- 希望する生命保険の種類を選択(死亡保険・医療保険など)
- 特約を含む保障内容・保険料払込期間などを選択する
基本的には上記3つの工程で保険料のシミュレーションが可能です。希望する保障内容があらかじめ決まっている人であれば、複数の保険会社の商品の保障内容や保険料を手軽に比較・検討できます。
また、自分にどのような保障が必要かわからない人は、同じような条件で複数の保険会社の保険料を比較・検討してみましょう。保険会社ごとの保障内容と保険料の水準がわかるため、保障内容と保険料のバランスが良いと感じる保険会社を見つけられます。
ネット保険で保険を選ぶ際の注意点
ネット保険では、簡単に保険を選べる反面、注意すべき点もあります。ここでは、4つのポイントを解説します。
最低限の保険の知識が必要
たとえば、対面販売とは異なり、保険商品の内容を説明してくれる人や、自分に必要な保障をアドバイスしてもらうことが基本的にはできません。
そのため、ネット保険を利用する場合は、最低限の保険の知識を持っていることが望ましいでしょう。しかし、ネット保険のサイトなどから必要な保障をシミュレーションしたり、疑問点はコールセンターなどへ問い合わせしたりすることもできます。
ネット保険では選べない保障内容もある
対面販売では、保険会社によって決められた範囲内で保障内容を自由に設定できます。たとえば、医療保険の入院給付金であれば、日額5,000円または日額10,000円の2種類もしくはそれ以上の選択肢から選べる保険は少なくありません。
しかし、ネット保険では、そもそも選べない保障内容もあるため、シンプルな内容であることが特徴です。その理由は、加入希望者が自分でインターネット上から申込するという性質から、複雑な保障内容や特約などは提供されない傾向があるためです。
そのため、より広い選択肢から保険を選びたい場合は、ネット保険から探すだけでは不十分な可能性があることを押さえておきましょう。
告知情報のミスに気をつける
ネット保険に限らず、生命保険に申し込みする際は、健康状態や職業などの告知が必要です。保険会社は告知の内容をもとに、加入の可否や加入に際しての条件などを決めます。
そのため、告知内容にミスや不備があると、告知義務違反として保険会社が契約の解除をしたり、保険金の支払いを拒否したりできます。契約を解除された際、すでに支払っている保険料は戻ってこないことが一般的ですが、解約返戻金があれば支払われるでしょう。
対面販売であれば、担当者が目の前で案内してくれたり、疑問点があるとすぐに確認したりできます。しかし、ネット保険の場合、基本的には自分一人で告知内容の入力作業を行うため、ミスをする可能性が考えられます。告知に関して、疑問点があればそのままにせず、コールセンターなどに確認しましょう。
保険金や給付金が支払われる条件を確認する
ネット保険も対面販売でも、保険金や給付金が支給される条件は商品の約款に記載されています。ただし、ネット保険の場合は、基本的に重要事項説明書やご契約のしおり、約款といった書類はPDFなどで電子交付されます。情報量が多いため、すべてに目を通すことは困難かもしれませんが、目を通すことをおすすめします。
たとえば、通院保障特約がある医療保険の場合、保障の対象となる通院治療は商品によって異なります。具体的には、入院前と退院後の通院治療を保障するものと、退院後の通院治療のみを保障するものの2種類です。しかし、通院保障という名称から、入院前の通院治療も対象になると勘違いしたり、入院していなくても外来での治療はすべて対象になると考えたりしてしまうかもしれません。その場合、いざという時に給付金を受け取れない可能性があります。
このように、保険金や給付金が受け取れる詳細な条件は、商品の約款には記載されているものの、商品説明画面や申込画面では、ページ数の制約から詳細が省かれていることもあります。ネット保険の場合は、対面販売のように営業担当者から補足説明を受けられないため、自分でしっかりと確認することが必要です。
まとめ
ネット保険では、インターネットから保険を選んだり、加入したりできます。ただし、保険会社によって、設定できる保障内容の自由度や保障対象など、さまざまな点が異なるため、注意が必要です。
手軽に保険の比較・検討が行える反面、自分である程度の保険の知識を持ち、契約条件などをしっかりと確認するなどの注意点もあります。
この記事が、自分に合う保険を見つける参考になれば幸いです。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。