生命保険の選び方
2021.07.25
50代の子どものいない夫婦に必要な保険は?
「子どもがいない50代の夫婦に必要となる保険はどんなものだろう?」
「どのくらいの保障額があると足りるのだろうか?」
「保険の種類もたくさんあるからどの保険が自分たちに合うのかわからない」
という疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか?
ご夫婦ともに働いている場合は、大きな死亡保障は不要ですが、一方が働いていない場合は、働いている方に万が一があった時にパートナーの生活を守るための死亡保障が必要です。
また、高血圧や痛風など持病を既に抱えている方も多い世代です。
昨今は、持病があっても加入できる医療保険やがん保険が充実してきています。
ただし、悪化すると見直しできなくなる可能性もあるので現在の保障に不足があればできるだけ早く見直しをしておきましょう。
この記事では、今後の人生で必要となる「死亡保障」「医療保障」「長生きへの備え」という観点から保険の選び方のポイントを解説していきます。
これからのご夫婦にとって必要な保障を話し合うための参考になれば嬉しいです。
■死亡保障検討のポイント
まず夫婦のどちらかが死亡してしまった場合の死亡保障(生命保険)を検討していきましょう。
・生活資金が必要か?
もし夫婦が共働きで、どちらかが万が一亡くなってしまっても生活できるのであれば、大きな死亡保障は必要ありません。
理由としては、のこされた方にも収入があり、生活に困ることが少ないためです。死亡保障をのこす目的としては、お互いの葬儀費用などの死後にかかる整理資金を準備しておけば十分と言えるでしょう。
一方で、どちらかが専業主婦(夫)の場合は、お互いの葬儀費用に加えて、のこされた方の生活資金を用意しておく必要があります。
パートナーが亡くなってしまった時に必要となるお金と、すでに準備済みのお金をそれぞれ把握して、足りない分を死亡保険でカバーできるようにしましょう。
死亡保険にも掛け捨てタイプ(定期保険)のものや、貯蓄ができるタイプ(終身保険)のものがあります。ご自身にあった種類の保険を選びましょう。
・終身保険はお互いに必ず役に立つ
終身保険に加入して、お葬式代や寺院費用、墓地・墓石代を用意しておくことも有効な手段です。
夫婦どちらもいずれは必ず死が訪れるので、事前にお互いに加入して、死後の費用を用意しておくことが大切でしょう。
■医療保障の検討ポイント
次に、医療保障を考えていきましょう。
「すでに加入している」という人が多いと思いますが、加入当時の状況と現在では必要な保障内容が異なる場合があります。また保障期間もあわせて確認しておくと安心です。ポイントを抑えて見直していきましょう。
・最新の医療事情を考えてみる
近年では医療技術が進歩し、今まで入院が必要だった病気も短期入院や通院治療で対応できるケースが増えてきています。例えば、がん治療も長期化しない場合が多くなっており、入院日数が少なくなることが多いです。
したがって、短期入院や通院治療でも役に立つ医療保障を受けられる保険かどうかをチェックしておきましょう。
・持病があっても加入できるものがある
通常の医療保険は持病があると加入しにくいものが多いです。
そのため最新の医療事情に対応した医療保険に加入するのをあきらめている人も多いのではないでしょうか?
最近では、各保険会社で持病があっても加入できる保険のラインナップが充実してきています。
「引受基準緩和型保険」や「限定告知型医療保険」です。
どちらも加入時の健康状態の告知の基準が緩く、持病があっても加入しやすくなっています。
ただし、持病があっても加入できるといっても、持病が悪化すると加入できなくなることがあります。
また、加入条件が緩い分、通常の医療保険よりも保険料が割高です。
加入するなら早めに入ることと、支払い保険料と受けられる保障のバランスを天びんにかけて、加入すべきかどうかを検討しましょう。
■長生きへの備え
人生100年時代と言われる現代は、長生きに対しての備えも重要です。
長生きできるのは嬉しいことである一方で、定年退職後の人生も非常に長いため、準備するお金が多く必要です。
・老後の公的年金の目安は「ねんきん定期便」で確認できる
まず老後のお金がどれくらい準備できているのかを確認する必要があります。
老後資金の代表的なものは公的年金ですが、その受給額の目安は誕生月に届く「ねんきん定期便」でチェックできます。さらに「ねんきんネット」に登録すると、インターネットでいつでもどこでも確認できるようになるので、有効に活用してみましょう。
・老後にいくら必要か夫婦で考える
老後の生活費がいくらくらい必要なのかを、夫婦で話し合って考えることは非常に重要です。
月々の生活費はもちろんのこと、「旅行に行きたい」とか「ゆとりある老後を過ごしたい」という願いがあると思います。それらを夫婦でしっかり共有して、必要なお金がどれくらいあれば良いのかを把握しておきましょう。
・あらゆる運用方法を検討
貯蓄性のある保険を利用したり、保険以外の運用方法を検討することも大切です。
貯蓄性のある保険の種類としては、終身保険や個人年金保険などがあります。
終身保険は、一生涯の死亡保障として家族にのこすこともでき、途中で解約して解約返戻金を自分で使うこともできます。
個人年金保険は、公的年金に上乗せとして自分用の年金を用意する保険です。貯蓄とのバランスを考えて保険を有効に活用しましょう。
保険以外の運用手段としては、「つみたてNISA」がおすすめです。
毎月コツコツと積み立てた金額を運用し、得られた利益が非課税になるなど初心者の方でも始めやすい手法です。
すぐ使える「貯蓄」と保障を受けられる「保険」と増やすための「運用」のバランスを検討していきましょう。
■まとめ
生きていく中でライフステージの変化に合わせて保障の見直しが必要になるのと同様に、年齢別に必要な保障も変わってきます。
生命保険を見直す際には、「死亡保障」「医療保障」「長生きへの備え」の検討が重要です。共働きの場合は大きな保障は必要ありませんが、どちらかが専業主婦(夫)の場合は十分な保障が受けられるようにしておきましょう。
また上記で解説した保障以外にも、「就業不能保険」「介護保険」などもあります。こちらも検討できるとさらに安心です。
そして、長生きの備えとして保険や保険以外の運用手段をバランスよく使ってコツコツと老後資金を用意していくことも重要です。
生きている間のリスク、長生きのリスク、亡くなった後の保障など心配ごとがたくさんありますが、ポイントをおさえた選び方ができるといいですね。
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リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。