著名人・専門家コラム

2022.07.15

結婚と婚約、どちらが生命保険を見直すタイミングなのか【FPコラム】

結婚は人生のなかでも大きなライフイベントのひとつです。自分の身だけではなく、別々の生活をしてきた人と暮らしを一緒にするという独自性があります。人生のまさかに備える生命保険にとっても、結婚は大きなターニングポイントでもあります。

結婚と婚約による生命保険料受取時の違い

ところで結婚には、法律上の民法に準じた手続きをして夫婦になる結婚(入籍)と、その前の婚約(一定期間の同棲)の二段階があります。生命保険において独身向け(終身保険に入らず、自分に何かあった時の医療保険が中心)から、既婚者向け(終身保険や積立保険などのニーズが高まる)段階にシフトするのは、どちらの段階が適切なのでしょうか。両段階は時間的にそれほどの差はないとはいえ、生命保険の性格上、保障が必要なのにカバー出来ていなかったという状況は何よりも避けたいところです。

※最近は結婚しても一緒に住まない、恋人同士から一緒に暮らすなど多様化を見せますが、便宜上、結婚(婚姻届けの提出)と婚約(一緒に暮らす始点)に区分します。

生命保険の保障は婚約から必要

まず、生命保険の保険金受取人は夫婦関係である必要はあるのでしょうか。ここが大きな論点になります。基本的な生命保険各社の見解は保険金の受取を「配偶者か2親等以内の親族」としています。この場合の配偶者とは民法による入籍後の関係であり、前項では「結婚」に定義されます。ただ、婚約段階でも片方の収入で生活が維持されるなど、万が一の際に保険金の有無によって生活への影響は大きいものです。そこで生命保険会社では、配偶者ではなくとも保険料を受け取れる条件として、以下の3項目を提示しています。

1. お互いに戸籍上の配偶者がいないこと

結婚前で同棲しているとはいえ、片方若しくは双方が不倫関係の場合、保険金を受け取ることは出来ません。ここは民法の一夫一婦制を踏襲しています。

2. 保険会社の定める所定の期間、同居人であること

保険金の給付の目的として、生活の維持があります。そのためには一緒に暮らしているという前提が必要です。週末だけ同棲しているペアなど個別の判断については、保険会社によって基準が設けられています。

3. 生計を一にしていること

結婚前の婚姻中、いわゆる内縁として認められるためには、こちらも保険会社が定めた一定期間の生計を一にしていることが前提です。生計を一にしていない場合は同居人として、保険金の受取対象から外れる場合があります。

配偶者ではない場合の税金の取り扱い

もうひとつ留意しなければならないのは、税金の取り扱いです。

保険契約者に万が一のことがあると、一般的には相続になるため保険金受取者は相続税を支払います。ただ、この時に配偶者には配偶者控除(配偶者の法定相続分か1億6000万円までを非課税)が利用できます。配偶者以外が生命保険金を受け取る場合は、相続税ではなく贈与税が課税されるため、これらの控除は利用できません。

保険金受取時の違いを想定したリスクヘッジを想定する

これらが結婚時と婚約時における生命保険金受取の違いです。もちろん結婚を予定する二人が保険金受取の環境の違いで結婚の日取りを決めることはありません。ただ、万が一の時に自分は配偶者に準じて保険金を受け取れるのか、それとも条件に不足していて受け取れないのかを確認しておくのは結婚準備の大事なプロセスといえるでしょう。

それを前提で話をすると、保険金の給付は配偶者に向けて整備されたものです。保険会社の対応は(婚姻関係に対して)柔軟になって来ているものの、保険金の受け取りについてはまだ大きな差があるように感じられます。言い換えれば交際関係の多様化に、保険金受取の流れはまだ一歩ついて来れてはいないともいえるでしょうか。繰り返しになりますが、万が一の場合自分たちがどうなるかを含めて生命保険まわりを含めたライフプランを立てていきましょう。

また、この記事は婚姻中のペアでどちらかが既に生命保険に加入しているとき、問題なく受け取れるのかどうかを確認する契機にもして頂ければと思います。その結果を見て結婚しようとはならなくても(なれば素敵ですが)、担当の保険会社の職員に聞いてみようという動きを起こしてみましょう。その動きが万が一の際の保障になり、リスクヘッジを想定することに繋がります。

結婚や婚約を前にすると、さまざまなポジティブや予定が想定できて明るくなるでしょう。一方で明るい家庭づくりに向けての準備のなかには、万が一の時があったときの損害を最小限にすることも含まれています。生命保険の仕組みを上手に活用し、リスクヘッジしたライフプランを作っていきましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤崇

FP-MYS代表。ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。(執筆実績はこちら:https://fori.io/takashi-kudo)

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