著名人・専門家コラム
2022.11.15
海外での病気、入院保険や手術給付は使えるの?【住宅FP関根が答える!Vol.33】
みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
ここ最近は多くの国が水際対策を大幅緩和し、外国人の個人観光客も増えてきましたね。ちなみに私も先日この規制緩和後にグアムに行ってきました。まだ海外に行けていない人は多いと思いますが、今後はより海外に行きやすい環境となってくることでしょう。
そこで海外に行くときに心配することが海外での体調不良です。慣れない環境に食生活、国によっては日本のように衛生的ではない国も多く、体調不良が起きてしまうということは十分にあり得ます。今回は国内ではなく、海外にいたときに起こった体調不良も日本で加入している保険が適用になるのかどうかということを解説していきます。
海外での病気は保険対象になるのか?
結論から申し上げますと、海外での病気も入院保険、手術給付は使えることが多いです。基本的に日本の入院と扱いはほとんど一緒です。保険金の申請に診断書が必要な場合、英語表記でも大丈夫です。現地の先生に日本語で作成してもらう必要はありません。
しかし、海外の先生に診断書を作成してもらう場合に少しだけ注意しなければいけない点があります。日本の場合、一般的な診断書は書かれている内容に大きな違いはありません。しかし、海外の場合、国によって診断書に記載する内容が異なってしまうことがあります。保険金申請をするときに保険会社が保険金を下ろすために必要な情報が書かれていないと適用されないということがあります。そうなってしまった場合には、日本に帰国後、必要事項が記載されている診断書を再取得しなければいけません。現地病院に、慣れない英語で問い合わせ、必要事項を正確に伝えられるでしょうか。なかなかスムーズに手続きを進めることができない可能性が高いです。
海外と一口に言っても短期間の旅行は適用になる場合が多く、転勤で数年間海外に行っている場合にも同等の扱いとなることが多いです。しかし、完全移住の場合適用されないこともあるそうです。もちろん払われる場合もあるようなので詳しくは加入している保険会社に確認をしてみてください。
海外での病気は健康保険が適用されない!?
海外の場合、健康保険が適用されません。健康保険というものは日本が独自に作った保障制度であり、健康保険に加入するために全国民が保険料も納めています。そのため、ほかの国でも同じです。私たち日本人は行った海外で保険料も納めていませんし、保険の対象にはなりません。そのため、海外で保険診療を受けることができない治療費はかなりの高額なものとなってしまいます。
また、アメリカなどの海外は保険診療以前にそもそもの治療費が高いため日本での治療とは大きくかけ離れた金額となってしまいます。救急車を呼ぶだけでもアメリカ合衆国のロサンゼルスでは12万円以上の金額がかかってしまいます。入院、手術となるとさらに治療費は高額となります。ニューヨークで盲腸の手術をすると、日本円に換算して公立病院ならば330万円、私立病院ならば440万円程度かかるケースもあるようです。非常に多くのお金がかかってしまいますね。正直、この金額になってしまうと日本で加入している医療保険、入院給付金で賄えるものではないと思います。
やはりこういった海外での病気などに関しては損害保険の分野である海外旅行保険への加入は必須になってきます。また、最近はキャッシュレスも推進されていることからクレジットカードを所有している方も多いと思います。多くの場合にはその所有しているクレジットカードで海外旅行保険の対象になっています。みなさんも所有しているクレジットカードの海外旅行保険、ぜひ保障内容を旅行前には確認してみましょう。クレジットカードで保障できない必要な分は損害保険で追加加入するとよいかもしれませんね。
クレジットカード付帯の海外旅行保険
ここで実際にクレジットカードに付帯している海外旅行保険の例を話していきます。もちろん会社ごとに、また、所有しているカードの種類によっても保障内容や保障額は変わってきますので、あくまでもご参考程度にお伝えいたします。皆さんに人気の「アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード」の場合には旅行代金をカード決済した場合に疾病治療費用で100万円の保障があります。さらに「ゴールド・カード」になった場合には300万円の疾病治療費用保険金があります。100万円の保障があるだけでもかなり楽になりますし、300万円あれば少し具合が悪いくらいでしたら賄えそうですね
「MileagePlusセゾンカード」の一般カードでも疾病治療費用は300万円の保障があります。また、最近人気な「楽天カード」も疾病治療費用で1疾病の限度額が200万円となっています。「楽天プレミアムカード」の場合には300万円の保障となっています。ある程度一般的なカードでいうと疾病治療費用は100~300万円程度の保障となります。
ただ、注意しなければいけないのが、クレジットカードで海外旅行保険の対象にするには対象のクレジットカードで決済をすることが条件になります。カードを複数枚所持している方は所持しているカードの補償限度額などをあらかじめ確認をしておくと、後々別のカードで決済した方が限度額は高かったということにはならないと思います。あくまでも目安です。その時々で保障額などが変わる可能性がありますのでくれぐれもご参考程度にしてください。皆さんのクレジットカードはいかがでしょうか。海外旅行に行く予定があるときにその都度確認しなおすようにしましょう。
WRITER’S PROFILE
㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直
ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。