生命保険の選び方

2022.04.06

60代におすすめの医療保険とは?リスクから考える必要性や見直し方を解説します【FP監修】

60代の医療保険にはどのような保障が必要でしょうか。
まだ医療保険に加入していない方や見直しを検討している方など、どのような保障にすべきかわからず、困っている方もいるかと思います。
本記事では、60代にとっての医療保険について解説します。
おすすめの保障内容や注意点なども解説しますので、参考にしてください。

60代におすすめの医療保険とは?

60代におすすめの医療保険とはどのようなものなのでしょうか。
生命保険は想定されるリスクに対する備えとして加入するものであるため、まずは60代の病気やケガのリスクについて解説します。

60代の医療費のリスク

最初に60代の受診率を他の年代と比較して見ていきます。
受療率とは、入院したり、通院したりする人の割合です。

年齢階級別人口10万人対の受療率
年齢階級 入院 外来
男性 女性 男性 女性
20~24 134 182 1599 2648
25~29 159 314 1882 3663
30~34 199 385 2104 4138
35~39 248 346 2260 4173
40~44 327 296 2668 4075
45~49 442 354 3072 4507
50~54 628 475 3802 5167
55~59 888 628 4464 5998
60~64 1188 811 5710 6832
65~69 1560 1067 7297 8317
出典:平成29年患者調査|厚生労働省

この表のデータは、60〜64歳の男性が10万人いると仮定した場合、そのうち男性1,188人、女性811人が入院し、男性5,710人、女性6832人が通院していることを示します。


全年齢の平均は、高齢者が数字を押し上げているため、注目すべきは、20〜40代の数字です。
60〜64歳の男性と20〜24歳の男性で比較すると、約9倍の受療率となっています。
加えて、70歳以降の受療率はさらに高くなっていることを踏まえると、医療費の支出に備える必要性が高いと言えます。

次に、60代の入院理由について見ていきます。

60代の入院理由
  男性 女性
60~64歳 65~69歳 60~64歳 65~69歳
第1位 精神及び行動の障害 精神及び行動の障害 精神及び行動の障害 精神及び行動の障害
第2位 循環器系の疾患 新生物
<腫瘍>
新生物
<腫瘍>
新生物
<腫瘍>
第3位 新生物
<腫瘍>
循環器系の疾患 循環器系の疾患 循環器系の疾患
第4位 損傷、中毒及びその他の外因の影響 損傷、中毒及びその他の外因の影響 損傷、中毒及びその他の外因の影響 損傷、中毒及びその他の外因の影響
第5位 神経系の疾患 神経系の疾患 筋骨格系及び結合組織の疾患 筋骨格系及び結合組織の疾患
※出典:平成29年 患者調査|厚生労働省

入院理由の1位は男女ともに認知症なども含む「精神疾患及び行動の障害」です。
60〜64歳の男性以外において、次点は新生物(腫瘍)でした。
この統計の新生物(腫瘍)にはがんや白血病などが含まれます。
60〜64歳の男性の入院理由の3位は新生物(腫瘍)であるため、総じて性別・年齢に関わらずがんのリスクが高いといえます。

新生物(腫瘍)の次に多いのは循環器系の疾患です。
これには心疾患や脳血管疾患が含まれます。

がん・心疾患・脳血管疾患は三大疾病と呼ばれており、60代の入院理由の多くを占めていることから、医療保険は三大疾病のすべてに備えておいた方がいいでしょう。

最後に60代の主な死因を確認しましょう。

60代の主な死因
  男性 女性
60~64歳 65~69歳 60~64歳 65~69歳
第1位 悪性新生物
<腫瘍>
悪性新生物
<腫瘍>
悪性新生物
<腫瘍>
悪性新生物
<腫瘍>
第2位 心疾患 心疾患 心疾患 心疾患
第3位 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患
第4位 肝疾患 肺炎 自殺 不慮の事故
第5位 自殺 不慮の事故 不慮の事故 肺炎
※出典:平成29年度 人口動態統計 年報|厚生労働省

1位は悪性新生物、(がん)です。
死因の1位〜3位までが三大疾病であることを考えると、この年代は何よりも三大疾病への対策は重要です。

医療保険ではどのような医療費に備えられる?

医療保険とは、病気やケガで入院・手術をした際に給付金を受け取れる保険です。
最近の商品では、日帰りの入院や手術に対応しているものがありますが、入院を伴わない医療費は対象外であることが一般的です。

受療率のデータから、通院する人は多くいるため、通院時の医療費に対する備えがあるといいでしょう。
特約で通院治療特約を付加すると、入院前・退院後の通院治療の医療費に備えられます。

次に医療保険だけで、三大疾病になった際の医療費の備えは十分かを考えます。
通常の医療保険の入院給付金・通院治療特約は1日ごとに定額が支給されますが、支払日数には限度があります。
支払日数の限度を超えて入院すると、給付金が支給されないため、医療費は自己資金で賄うしかありません。
三大疾病の治療期間は長引く傾向があり、通常の医療保険の保障だけでは不足する可能性があります。

三大疾病保険・医療保険に三大疾病特約を付加すると、治療期間が長引いた際にも対応できます。
主な保障内容は「診断給付金」「入院給付金が無制限」のどちらかです。
診断給付金は、所定の三大疾病と診断された際に一時金を受け取れる保障です。
注意点としては、保険会社や商品によって、診断給付金が支給される条件が異なる点です。
保険商品によっては、がんや心疾患、脳血管疾患の一種であっても診断給付金が支給されないこともあります。

【60代】医療保険が必要な人・不要な人

老後生活を送る上で、病気やケガのリスクは避けられません。
三大疾病を含め、受療率が加齢とともに高くなることや、歳をとるとケガの治りが遅くなるため、通院の回数が増える、少しの衝撃がケガにつながる、などさまざまです。

老後生活を過ごすための資金とは別で、医療費のためだけの貯蓄が十分にない方は医療保険に加入することをおすすめします。
反対に、医療費のためだけの貯蓄が十分以上にある方は必ずしも医療保険に加入する必要はありません。

老後資金とは別の貯蓄がどの程度あるか、がポイントです。

【60代】医療保険の選び方・見直し方・注意点

60代の医療保険の選び方・見直し方について解説します。

保険料の負担

生命保険の保険料の仕組みとして、年齢を重ねるほど保険料が高くなります。
例えば、20代と60代で同じ保障内容の医療保険に加入する場合でシミュレーションすると、月々の保険料に約5倍の差が想定されます。

60代で新しく医療保険に加入する際は、保険料の負担が大きい、というイメージをお持ちください。
高額な保険料を支払い続けることができるか、という点も踏まえて医療保険に加入するか検討しましょう。
給付金額や特約などの保障を最低限まで減らしたり、定期タイプに加入したりすると保険料は安くなります。
定期タイプは更新のタイミングで保険料がさらに高くなる点と80歳〜90歳くらいで更新できなくなる点には注意が必要です。

保障内容

通常の病気やケガのリスクに加えて、三大疾病のリスクが大きいため、「医療保険 + 三大疾病保険(特約)」に加入すると、医療費の面では安心です。
しかし、保障を手厚くするため、月々の保険料の負担は大きくなります。

その際は、別の保険の保障を減らして、浮いた保険料を医療保険の保険料に充てる選択肢もあります。
例えば、60代になると、子どもが独立する家庭が多いかと思います。
それまで、死亡保険の保険金に子どもの養育費や教育費を含めていた場合、それらを解約することで、保険料の負担が減ります。
減らした死亡保険の保険料を医療保険に充てると、少しでも手厚い保障の医療保険になるでしょう。

どうしても医療保障を得たい場合

健康状態によっては、通常の医療保険に加入できないケースがあります。
そのような方が医療保障を得たい場合、「引受基準緩和型医療保険」や「無選択型医療保険」が候補になります。

これらは、通常の医療保険よりも加入時の審査が通りやすい保険です。
ただし、保険料が割高であったり、通常の医療保険と比較すると保障内容が少ないと言った注意点があります。

まとめ

60代になると、病気やケガのリスクが高くなり、入院・通院の医療費に加えて、三大疾病を含めた備えを充実させた用意した方が、リスクを回避できます。
医療費のみに使える貯蓄が十分にあるかたを除くと「医療保険 + 三大疾病保険(特約)」への加入をおすすめします。保険料負担との天秤に載せながら検討していきましょう。

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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