著名人・専門家コラム

2023.08.03

保険の世界には「闇」がある?保険の手数料収入とは【住宅FP関根が答える!Vol.63】

皆さんこんにちは、ファイナンシャルプランナーの関根です。
私はファイナンシャルプランナーになって19年間、生命保険販売を行ってきました。こういった保険を販売している人を保険募集人といいますが、保険募集人にはある意味、闇のような世界が存在します。

お客様にとって本当に必要な商品を販売するのではなく、募集人が販売したい商品を販売し、それをお客様に気づかれないように提案し契約をしていく。保険を売る募集人にとって都合の良い商品を販売するということが昔からよくあります。本日は保険募集人における闇の部分をお話していきたいと思います。

手数料収入を狙った保険提案とは

皆さんが保険に加入したいと考え、ショッピングモールなどに入っている無料来店型の保険ショップに行き、保険の提案を受けたとします。保険募集人はお客様の意向を確認しながら、数多くある保険の中からお客様のニーズに合う商品を勧めてきます。これらの提案される商品は、お客様の意向をしっかりと聞き取った中で、最もお客様に合った、そして保険料も同じ保障内容であれば割安な提案をしていくのが当たり前でが、保険募集の世界というのは、時にその当たり前の流れが汲まれないことがあります

どうしてそのようなことがおきてしまうのでしょうか。
これは保険会社によって、またその保険商品の売り方によって、私たち募集人が受け取ることができる手数料が違うからです。提案の仕方によってはたくさんの手数料がもらえ、また提案の仕方によっては少ない手数料しかもらうことができなくなってしまいます。そうなってくると、どの世界にもその手数料収入を狙った提案をしてしまう募集人がおります。

手数料収入を狙った保険提案とは、本来お客様のことを考えるとA社の医療保険の方が合っているなと考えつつも、手数料の高いB社の医療保険を勧めてしまうということです。また手数料の違いというものは、保険期間も影響してきます。

例えば、貯蓄型の終身保険を提案したとします。こちらは保険会社によって違いますが、比較的多いパターンとして、保険料の払い込み期間が長ければ長いほど、募集人が受け取ることができる手数料が多い傾向があります。

本来なら目の前にいるお客様へ貯蓄型の終身保険を提案するとして、保険料は10年で払い込みが終了するプランや、15年で払い込みが終了するプランで提案する方がメリットは高いと考えても、多くの場合こういった保険というのは保険料の払い込み期間が長ければ長いほど手数料収入が多い傾向にあるため、手数料収入を狙い、20年、30年など保険料の払い込み期間を長くして提案をするということもあります。保険料の払い込み期間が長いということが、そのお客様に合っていれば何の問題もないのですが、実際はお客様の意向というよりも私たちに入る手数料を見ながら提案をする募集人も多いのです。

また保険の世界でよくあることなのですが、保険会社からとある商品を2ヶ月間や3ヶ月間など期間を区切り、その期間内に販売をしてもらえれば、販売手数料を通常の1.5倍にするというキャンペーンを設けたり、カタログショッピングなどの粗品を用意したりと、いろいろなやり方をやっていました。最近は業界全体のコンプライアンスが厳しくなってきており、こういったキャンペーン自体、やりにくくなってしまっているのですが、以前の保険業界では当たり前でした。保険代理店によっては「今月はここの保険会社の、この医療保険がキャンペーンになっているので、集中的にこの商品を売ってくれ」と現場の募集人に指示が入るというのも良く見た風景でした。

乗り換え勧誘

また、手数料狙いの保険提案で有名なものというと、乗り換え勧誘というものがあります。我々募集人がもらうことができる保険の手数料は、新規で契約をいただいた1年目が一番多く、2年目以降になると極端に手数料は落ちてしまう作りになっています。

そのため、常に手数料収入を高額に保つために、契約をいただいた後2年ほど経つと、もとのお客様へ会いに行き「新しい商品が出ました。もっと良い商品が出ました。」と言って、古い保険から新しい保険に契約を乗り換えさせるというのも、新規の手数料をまた得るために古くから使われている提案方法です。
本来ですと1年ごとに保険の乗り換えを行った方が手数料だけでいうと効率は良いのですが、短期での契約乗り換えは募集人にとって罰則もあるため2年ほど経った後が多くなります。ちなみにこのやり方を頻繁に行っている募集人はいまだにたくさん存在します。

こういった手数料を狙った保険提案というものは、決して珍しいことではなく、どのやり方も業界においては頻繁に行われていることです。現在はコンプライアンスが厳しくなってきており、乗り換え勧誘においても昔に比べるとやりにくくなってきておりますが、それでもすり抜けるように行っている募集人はおります。昔からおり、今でもいる、そして今後もおそらくなくなることはないと思われます。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

保険の資料が欲しいけど、いろんな商品を調べるのが大変…
そんな方は!

 

簡単な質問に答えるだけで
\ 商品の資料をまとめてお届け! /

  

【PR】
この記事をシェア
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Twitterでシェア
  • facebookでシェア

WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

この記事を読んだ人は
こちらの記事も読んでいます

YOU MAY ALSO LIKE THIS ARTICLE

カテゴリーで絞り込む
タグで絞り込む
あなたは何タイプ?

パーソナライズ診断

診断を開始する

あなたは何タイプ?

まとめて資料請求

資料請求する

あなたは何タイプ?

Webメディア

マガジンをみる

あなたは何タイプ?

最適な保険をご提案

保険相談する