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2024.02.15

生命保険金受け取り時の税金とは?【住宅FP関根が答える!Vol.89】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
万一の時に受け取ることになる生命保険ですが、その生命保険は契約形態によって、受け取るときにかかる税金が異なることはご存知でしょうか。契約の仕方によって支払う税金が数100万円単位で変わることもあるため注意が必要です。ここでは、保険金を受け取る際の所得の区分や、かかってくる税金についてお話ししていきたいと思います。

保険金を受け取る際の税金の種類

死亡保険に係る税金の種類は契約形態によって違い、以下のようになっています。

被保険者契約者受取人税金の種類
相続税
所得税
子供贈与税

ここでは仮に、ご主人様を被保険者として、ご主人様または奥様を契約者、奥様またはお子様を受取人にした場合にどういった税金になるのか解説します。

まずは1番オーソドックスなご主人様が契約者、被保険者、そして死亡保険金の受取人が、奥様だったとします。この場合かかる税金は相続税となります。相続税で受け取る場合には、相続税における基礎控除額があります。

相続税の基礎控除額

この基礎控除額の計算は、相続した財産から負債やお葬式の費用等の差し引いた額で割り出され、計算式は以下になります。

基礎控除額 = 3000万円 + (600万円×法定相続人の数)

仮に家族がご夫婦と子供が1人だったと想定した場合の基礎控除額が以下になります。

基礎控除額 = 3000万円 + (600万円× 2人) =4200万円

このケースの場合、相続財産の額が4200万円を上回ったときに所定の相続税率がかかります。ただ、生命保険金には相続税の非課税枠が用意されており、活用次第では支払う税金を大きく減らすことができます。

生命保険の非課税枠

生命保険金の非課税枠が用意されている理由ですが、生命保険金は被相続人がお亡くなりになった後、相続人の生活の支えであるという考えから用意されています。計算式は以下の通りです。

生命保険の非課税枠 =500万円×法定相続人の数

今回の3人家族を想定した場合被相続人は2人いるため、1000万円分の非課税枠が使えることになります。そのため、相続財産の多い家庭においては活用される方が多いです。

受け取った生命保険金から生命保険金の非課税枠を控除し、さらに基礎控除を適用し、それを上回った場合には相続税が適用されるかたちとなります。

契約者と受取人が同じ場合の所得税

次に奥様が契約者、ご主人様を被保険者として加入していた場合、そして受取人は奥様だった場合です。この場合は契約者と受取人が同一であるため所得税がかかります。死亡保険金を一時金として受け取った場合には一時所得の扱いになり、年金形式で受け取った場合には雑所得という扱いになります。

一時所得の計算方法は以下の通りです。

一時所得の課税所得金額 =(受け取った死亡保険金-支払った保険料-特別控除額50万円)× 1/2

ここで出た一時所得の課税所得金額をその他の総所得金額と合算し所得税の計算が行われます。 

では具体的に計算してみます。仮にそれまでに支払っていた保険料を2500万円、受け取った保険金を3000万円とした場合です。

(3000万円-2500万円-50万円)× 1/2=225万円

上記のように一時所得の課税所得金額は225万円となり、その年の所得税の計算が行われます。

死亡保険金を年金形式で受け取った場合、雑所得になります。雑所得の計算方法は以下になります。

雑所得の金額 = 公的年金等以外の総収入金額-必要経費

保険金受取時に贈与税がかかる場合

最後に奥様が契約者、ご主人様が被保険者で受取人が子供だった場合にかかる税金は贈与税になります。この場合、お亡くなりになるのはご主人様で、受け取るのは法定相続人に該当する子供になっているため、相続税と思われがちですが、保険料を払ってきた契約者から保険金を受け取る権利を贈与されるという考え方により、贈与税の扱いとなります。

贈与税は他の税区分と比べると税率が高いです。計算方法は以下になります。

贈与課税対象額 = 受け取った死亡保険金-110万

贈与税に関してはわずか110万円の控除のみとなります。

仮に3000万円の死亡保険金を受け取った場合は以下の通りです。

3000万円− 110万円= 2890万円

20歳以上の子供が適用を受けられる特例贈与財産用の特例税率が適用されます。適用された場合の贈与税率は45%、そこから265万円控除されるため、以下の通りです。

2890万円× 45% − 265万円=1035.5万円

では万一死亡事故などが発生し、死亡保険金を請求する場合、どういった手続きをとる必要があるのでしょうか。

死亡保険金請求に必要な手続き

必要な手続きは以下になります。

  • 保険代理店や保険会社に電話をして請求書類を取得
  • 死亡診断書、保険金請求書、保険証券、受取人の本人確認書類の提出

以上の書類を提出すれば数週間程度で支払われることが多いです。

このように死亡保険は契約者、被保険者、受取人をどう設定するのかでかかる税金の種類も、かかる税金額も大きく異なってきます。万一のことが発生した時、人は慌ててしまうものです。そんな時に慌てないためにも、皆さんが現在加入している保険の契約者や被保険者、受取人を今一度確認いただけたらと思います。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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