著名人・専門家コラム

2024.02.22

公的介護保険の今後|介護保険も必要な時代へ【住宅FP関根が答える!Vol.90】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
みなさんは民間の生命保険会社による介護保険は必要だと考えますか。今まで生命保険といえば死亡保険、医療保険、がん保険の三本柱が中心でしたが、その後ニーズが高まったのは就業不能保険です。以前は入院も長引く傾向にあったものの、最近は短期入院の割合が増え、入院日数を制限し自宅療養をしながら通院をして治療を継続するという流れに変わってきています。そのため、それまであった入院保険のニーズから、就業不能保険へとニーズが高まりました。

介護保険のニーズ拡大

そしてここ数年、シェアを広げてきたのが、民間の生命保険会社による介護保険です。
以前は商品ラインナップも薄かった介護保険ですが、ここ数年、各保険会社は介護保険のラインナップを増やしてきています。民間の生命保険会社による介護保険は必要なのでしょうか。

結論から申し上げると、今後必要性は大きく高まってくると思います。公的介護保険に限らず、公的年金制度、健康保険制度などの社会保障費は今後財源不足が進んでいく事は確実です。しかし公的介護保険が抱えている問題は財源不足だけではありません。もう一つの問題点として介護施設による人手不足問題です。本日はこれらの問題点を一つ一つ整理し、民間の生命保険会社の必要性に関して解説していきたいと思います。

公的介護保険の財源不足問題

まずは財源不足問題からです。2023年における65歳以上の人口は約3600万人ですが、団塊ジュニア世代が65歳を超える2045年には約4000万人になるとされています。これらを見据え、2000年から始まっている公的介護保険は、保険料率が0.6%から1.82%と3倍以上になり、また受けられるサービスも徐々に縮小されています。

※参考:日本の将来推計人口(令和5年推計)|国立社会保障・人口問題研究所

公的介護保険は3年に一度改正されているのですが、直近の改正は2024年に行われます。この2024年の改革案は確定しているのですが、今後の改正で、多くの方の場合1割負担とされている自己負担額を、原則2割にしていこうという動きもあり、年収によって3割負担になる可能性も語られています。現状介護サービスを受ける際、1割の負担金が払えずに、介護サービスを見送っている人もいることを考えると、自己負担額が2割3割と増えていった場合、よりサービスを受けづらい人が出てくることが予想されます。ほかにもケアマネジャーが作成するケアプランの有料化なども改革案として上がっていました。

こういった改革案が上がった後、大変多くの批判が出てしまい、今回の改正では見送られたのですが、3年に1度行われる介護保険制度の改革が次に行われるのは2027年です。その時には今回見送られた改革案も採用されるのではないでしょうか。

介護事業者の人材不足問題

また介護保険を語る際、忘れてはいけないのは、介護事業者による人材不足問題です。これからは介護を受ける側の人数が増えていく一方で、サービスを提供する側の人材は圧倒的に不足するといわれています。介護職は3Kと呼ばれることも多く、離職率が高いことでも有名です。ただ、職を離れる理由を聞いてみると、どうやら違う側面が見えてきます。

公益財団法人介護労働安定センターによる「令和2年度介護労働実態調査」によると、介護関連の仕事を辞めた理由の1位は、「職場での人間関係に問題があったため」とされており、27.5%を占めています。

この理由を深掘りすると、現場において仕事の評価制度が整っていないからだといわれています。通常仕事における能力や働きぶりなどは、仕事をしていると見えてきますが、介護職は仕事の評価基準が明確に定まっていないため、給料や賞与に差が出にくく、その結果年功序列で報酬が決まりやすい現場だといわれています。こういったところから、待遇に不満を感じる人が多く、人間関係における離職理由が高いことがうかがえます。

※参考:令和4年度 介護労働実態調査|公益財団法人介護労働安定センター

今後介護施設で人材を集めるためには給料や待遇を改善しなければいけません。しかしながら給料を改善するには国からの補助も必要ですし、また利用者の負担も上がることが予想され、今以上に介護にかかる費用は増していくことが予想されます。

また近年は、生涯未婚者も増えています。結婚をして子供がいる家庭においては、老後介護状態になったとき、配偶者や子供が看るといった選択肢もあるかもしれませんが、生涯独身でいた場合、施設などの介護サービスを受けなければいけないため、今以上に施設などの介護ニーズが高まることは予想されます。

まとめ

今後は生産人口年齢の減少もあり、介護サービスを受けた際の自己負担額は2割負担から原則3割負担へと移行していくのではないかと予想しています。老後における介護の出費が増えるものの、老後収入の柱である年金受給額は抑制されていくことが予想されるため、万が一介護状態になったときの準備は民間の生命保険会社でしていかなければいけないのかもしれません。昔に比べ保険商品も増えてきており、今後さらに増えていくと思います。今一度、介護が必要になるときのことを見直してみてはいかがでしょうか。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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