著名人・専門家コラム

2022.09.26

コロナ入院給付金の支払い対象を限定へ【住宅FP関根が答える!Vol.26】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。

新型コロナウィルスの感染拡大はまだまだ落ち着きませんね。実は先日ついに私もコロナに感染してしまいました。今回はこのコロナをテーマにしたお話をいたします。以前のコラムで、新型コロナウィルスに感染した際の自宅療養は入院保険の支払い対象になるというお話をいたしました。しかし、この入院保障の支払いに制限がかかっていくことになりました。今回はこの変化する入院保障保険について解説いたします。

入院給付金の支払い対象が制限

今までは年齢や症状に関係なく、自宅療養でも入院給付金、入院一時金などが支払われていましたが、これからは65歳以上の高齢者や、妊婦など重症化の恐れが高い場合に限定するといった方針になりました。これにより、入院給付金を受け取れる対象者は7割前後減る見通しだそうです。もちろんこうなると思っていましたし、僕自身はこうなるべきだと思っていました。

入院給付金の対象とは?

通常、生命保険というものは入院をしたときに入院給付金がもらえます。この入院というは「医師の指導のもと」入院するという場合にあたります。医師の指導のもと入院をして検査や治療をする必要がある場合に入院給付金の支払い対象となります。

一方で、入院給付の対象とならないのは医師の指導がないのに、勝手に入院をさせてもらう場合です。極端な話ですがよくあるのが、「精神的に病んでしまいしばらくゆっくりしたいんです。」といった場合です。医師からは、入院までは必要ないですと言われていても本人がお願いをして入院させてもらう場合は保険給付の対象外となります。

そして、入院ではない「自宅療養」は当然ですが、入院給付金の支払い対象ではありません。ただ今回のコロナは、扱いが違っていました。ご存じのように、コロナでの入院は病院のベッド数がすぐに埋まってしまい病院に入院できないので、ホテルを借し切って、病院代わりに隔離療養しようとなりました。しかし、ホテルもいっぱいになってしまい自宅療養に切り替わりました。このホテル療養、自宅療養ですが、入院をしていないため入院ではありません。しかし医師の指導のもと、ホテル、自宅療養をしているので扱いとしては「みなし入院」という形になっています。現行制度では、こうしたみなし入院といわれる人のすべての人に入院給付金、入院一時金などを払っていました。今回のコロナは、まさかこんな規模になると思わなかったというのがこういった給付制度となっていました。

新型コロナウィルスとの付き合い方の変化

2020年3月、パンデミックが起こったころはゼロコロナ政策でした。みんなで感染しないようにステイホームで自宅にこもり、その時のコロナ感染者は大きな病気にかかってしまったというイメージがありました。

でも現在は、ウィズコロナになってきました。実際に、ウィズコロナの意識が高まってから、感染者数が一気に伸びました。コロナとともに生きようという流れになり、このままでは保険会社の財政が圧迫されすぎてしまいます。

新型コロナウィルスによる入院給付金

コロナが広まってきたのは、2020年4月くらいの緊急事態宣言からです。ステイホームのゴールデンウイーク、みなさんも覚えていると思います。その後も感染者数は伸び続け、2022年6月における入院保険の請求件数は1か月間で70万件以上の申請があり、給付額も600億円以上となりました。このような金額になってしまうと想定していた感染症による、入院と規模が全く違ってきてしまっています。しかし、まだ入院給付金を請求していない、いわゆる請求漏れの人がたくさんいると思われます。自宅療養は入院していないため、入院保険が下りるわけがないという感覚があり、自宅療養の人が請求を始めたら、こんな数字どころの騒ぎではないでしょう。

この支払い対象を制限するというニュースを受けて、一部メディアではネガティブに捉えているところもありますが、これは当然の流れです。コロナというものは、未知のウィルスで、まさかこんなに広まるとは思わなかったし、1日の感染者数が2万人を超えて、累計の感染者数が9月には2000万人を超えています。しかもこれからは、全数把握の取りやめに流れていくウィズコロナの流れとなり大きな転換点を迎えました。

保険会社というのは、一つの保険商品を開発するのに、細かい数理計算というものをおこなっていきます。どういう年齢、性別の人が、どういう病気になるのか。どういう病気になると、何日くらい入院をするのか。手術の可能性は、告知時点での既往症の影響は、平均余命はなど病気に関すること全てです。そういった細かい計算を繰り返して、最終的にどういった保険をいくらの保険料にするか決めていきます。

今回のコロナは、そういった数理計算のベースの根拠を大きく超えてしまいました。しかも、これからはウィズコロナの時代です。このまま払い続けた場合、保険会社の経営を圧迫することとなり、結果、保険料の値上げが考えられます。重症患者に払うのは当然として、軽症患者にまで支払うものではなくなったということになります。ここまでの規模になることは誰にも予想できなかったので自宅療養でも特例として支払っていただけです。それを正常な状態に戻しただけです。僕は保険会社の判断は正しかったと思います。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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