生命保険の選び方
2022.04.13
20代に医療保険は本当に必要?必要性と選び方を解説!【FP監修】
20代の方で、医療保険に加入するか迷っている方もいらっしゃるかと思います。
就職をきっかけに、周りの人から、医療保険に入っておいた方がいいよ、と言われる機会も多いでしょう。
本記事では、20代にとっての医療保険の必要性を解説します。
必要だと感じた方は、選び方も含めて参考にしてください。
医療保険とは
医療保険とは、病気やケガによる入院・手術にかかる医療費を保障するための保険です。
病気やケガとは別に、帝王切開など、出産時のトラブルも保障対象としている商品が一般的です。
特約を付加することで、入院・手術にかかる医療費以外にも、入院前後の通院治療や働けない期間の収入減、介護の保障なども得られます。
20代であれば、病気やケガのリスクが低いとみなされるため、比較的安い保険料で医療保険に加入できます。
保障内容や運営している保険会社にもよりますが、毎月1,500円〜3,000円ほどで十分な保障を得られる医療保険に加入できるでしょう。
20代の医療保険の必要性
医療保険の必要性は人によって異なります。
ここでは、20代の方が医療保険に加入する目的を解説し、必要な人・不要な人についても解説していきます。
20代の医療保険の目的
20代の医療保険の目的は「急な医療費のリスクに備える」ことです。
20代は上の世代と比較すると、病気やケガになりにくいです。
ですが、病気やケガにならないわけではありません。
病気やケガになりにくい反面、上の世代と比較すると、収入が少ないことが一般的なため、医療費の負担が相対的に大きくなります。
医療保険に加入すると、病気やケガによって医療費が発生した際に、給付金を受け取れるため、急な医療費のリスクに備えられます。
20代で医療保険が必要な人
20代で医療保険が必要な人は「十分な貯蓄がない人」と「手厚い保障を受けたい人」「出産を希望する女性」です。
十分な貯蓄がない場合、医療費の負担で経済的に苦しくなる可能性が考えられます。
生命保険文化センターの調査によれば、1回の入院での日数は約16日で自己負担金額は平均21万円です。
入院1日あたりの費用は約2万3,000円です。
病気の種類やケガの度合いなどにもよりますが、ひとつの目安としてお考えください。
また、医療保険に加入すると、入院時に利用できる資金が増えるため、手厚い医療サービスが受けられます。
例えば、入院時に個室を利用した場合は、1日あたり約8,000円が追加で必要です。
治療の選択肢として、先進医療も考えている場合も医療保険に加入することをおすすめします。
先進医療にかかる医療費は全額自己負担となり、高額なものが多いです。
妊娠している方で、出産を考えて医療保険に加入したい、と考える方もいます。
ですが、多くの医療保険で、妊娠してから加入を希望すると、妊娠・出産に関連する保障を得られない、あるいは、医療保険の加入を断られるケースがあります。
そのため、将来的に、出産を希望する女性は早めに医療保険に加入することをおすすめします。
20代で医療保険が不要な人
反対に、20代で医療保険の必要性が低い人は、十分な貯蓄がある人です。
急な医療費の支出に問題なく対応できる人は、保険料を負担して医療費に備える必要はありません。
何度か入院や手術をすることになっても経済的に心配がない人は、医療保険に入る必要性は低いといえるでしょう。
注意点としては、先進医療に関する医療費や入院時に個室を利用した際の費用など、公的医療保険の対象外の費用についてです。
先ほども解説した通り、個室を利用した際は、1日あたり8,000円ほどなため、平均入院日数の30日で考えた場合は24万円が必要です。
当然ですが、個室の利用費とは別で、治療費なども発生するため、入院が長期化したり、短期間で入院を繰り返すことがあると、とても大きな負担になります。
加えて、貯蓄がある人であっても、マイホーム資金や老後資金であるなど、貯蓄に手をつけたくない人もいるかと思います。
そのような場合には医療保険を検討してください。
医療保険の選び方
医療保険の選び方について解説します。
ポイントは「保険期間を選ぶ」「保障内容を決める」「入院限度日数を決める」「保険料の負担が問題ないか確認する」の3つです。
保険期間の選び方
医療保険の保険期間には、終身タイプと定期タイプがあります。
保障内容が同じ場合、終身タイプよりも定期タイプの方が保険料の負担は小さいです。
終身タイプは保障が一生涯続きます。
保険料の支払いを一定期間までに終わらせるか、一生涯支払い続けるか、を選択します。
一定期間までに保険料の支払いを終わらせるタイプの方が、月々の保険料の負担は大きいですが、収入が少なくなる老後に保険料の負担を無くせます。
保険料は加入時から増えないため、20代で加入するのはお得と言えます。
定期タイプは一定期間のみ、医療保険の保障を得られます。
保険期間が10年・20年のタイプや60歳まで・65歳までのタイプがあります。
基本的には保険期間が短い保険契約の方が、月々の保険料の負担は小さいです。
しかし、満期を迎えた後、更新すると、更新時の年齢で保険料が再計算されるため、長期で加入することを考えると、保険料の負担は徐々に大きくなります。
保障内容を決める
入院給付金は入院1日あたりの保障額を決めるタイプと1回の入院に対する保障額を決めるタイプがあります。
入院1日あたりの保障額を決めるタイプの医療保険に加入する際は、個室を希望するかどうか、がひとつのポイントです。
病院によって、個室を利用した際の費用は異なりますが、平均で1日8,000円なため、多めに設定する必要があります。
この場合は、入院給付金を1万円以上に設定するといいでしょう。
また、入院すると、働けなくなるため、収入減少も予想されます。
就業不能保険など、別の保険で備えない場合、医療保険の給付金で備えることになります。
収入減少は勤め先の福利厚生によって、程度が大きく変わります。
保障が充実していない場合は、医療保険の保障を手厚くしましょう。
1回の入院に対する保障額を決めるタイプの場合は、受け取れる給付金の総額が入院日数に左右されない点が魅力です。
入院が長期化した場合には不足する可能性が高くなりますが、短期入院の場合には十分な保障が得られるでしょう。
現在は入院期間が短期化している傾向があります。
最後に、特約を考えます。
がん保険に加入しない方であればがん特約を、女性の方で、女性特有の病気や出産時の保障を手厚くしたい方であれば女性疾病特約など、必要に応じて特約を付加してください。
ただし、特約を付加すると、保険料の負担は大きくなる点にはご注意ください。
入院限度日数
入院限度日数とは、1回の入院で入院給付金を受け取れる日数のことです。
30日と設定した場合、31日目以降の入院に対しては入院給付金を受け取れません。
30日・60日・120日・180日から選択する商品が多いです。
現在の入院日数の平均は30日です。
平均から考えると、30日や60日で十分かと思いますが、病気やケガの種類や重症度によって入院日数は大きく変動します。
特に精神疾患の場合、平均入院日数が275日と非常に長くなっているため、精神疾患の保障を重視する方は長めに設定することをおすすめします。
保険料の負担が問題ないか確認する
最後に、毎月の保険料を問題なく支払い続けることができるか、ご確認ください。
保険料の支払いが滞ると、保険契約を継続できず、解約解除されてしまうため、確認は重要です。
保険料の負担が大きいな、と感じた場合は、給付金の額を減らす、不要な特約を減らす、などの対応をしてください。
まとめ
医療保険の目的は、入院や手術などの高額な医療費の負担に備えることです。
20代であっても病気やケガをするリスクはありますし、結婚や出産など、生活環境が変化する時期でもあります。
20代であっても病気やケガになるリスクは十分にあるので医療保険に加入することをおすすめしています。
しかし、すべての人におすすめするというわけではなく、特に貯蓄が少ない人におすすめしています。
急な医療費の負担で数十万円のお金が必要になることもあるからです。
また、手厚い医療を受けたい場合にはさらにお金が必要になります。
貯蓄が少ない人、手厚い医療を受けたい人は医療保険を検討してみてください。
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。