生命保険の選び方
2021.12.20
独身で50代の場合、どんな保険が必要でしょうか?
50代の人は死亡保険と医療保険、そして定年退職後の長生きへの備えができているかを確認しておくことが重要です。
今後の人生についてじっくり検討して、必要な保障をこれから用意していきましょう。
この記事では、50代で独身の人にとって必要な死亡保険と医療保険、老後に向けた資産運用としての保険活用方法を紹介します。保険の選び方の参考にして頂けると幸いです。
死亡保険は必要?
まずは、死亡保険は必要か?という観点から保険の加入を検討しましょう。
独身の人の中には「死亡保険はいらないかな?」と考える人もいらっしゃるかもしれません。しかし、葬儀費用は平均で約208万円※1、墓地・墓石代(永代使用料+墓石価格)が平均201万円※2です。ご家族にとってはそれなりに大きな負担となる場合もあるでしょう。貯蓄では心配な方は、生命保険を活用して将来の葬儀費用や墓石代に備えておくのもおすすめです。
一生涯のこせる終身保険
終身保険は、解約しなければ一生涯の死亡保障がつづく保険です。貯蓄性がある保険で、途中で解約した場合、経過年数に応じた解約返戻金が返ってきます。払込期間によっては支払った保険料以上の額が返ってくることもあります。死亡保障だけでなく、自分自身に使うことができる点でもおすすめです。
運用を兼ねて一時払終身保険を活用
手元に余裕資金がある方は、運用を兼ねて一時払終身保険を活用するという選択肢もあります。死亡保障を確保しながら保険でお金を運用することで、保障と老後資金の備えを両立することができます。「預貯金としてそのままにしておくのがもったいない」と思う余裕資金がある方は、一時払終身保険もおすすめです。
※1 出典:株式会社鎌倉新書|第4回お葬式に関する全国調査(2020年)
※2 出典:株式会社鎌倉新書|2015年1月1日から同年12月31日までに「いいお墓」から資料請求・相談され、お墓を購入された方に対するアンケート調査
医療保険は必要?
医療保険を検討する際のポイントを確認しておきましょう。
50代は、ケガや病気への心配ごとが増えてくる年代です。
ケガや病気により治療費などの出費が増えたり、思い通りに働けなくなって収入が減ってしまうなど、家計にダメージを与えてしまう可能性があります。
そうした出費を貯蓄でカバーしようと考える人もいるかもしれません。しかし、もし貯蓄を切り崩してしまったら後々の長い人生に必要な資金が不足してしまうことも考えられるでしょう。たとえば、治療費を貯蓄から捻出して病気が治った場合、そのあと長生きしたときにお金が足りなくて困ってしまう可能性もあるでしょう。そうならないためにも医療保険で治療費などの出費をカバーしておく必要があります。
疾病ごとの罹患(りかん)者数と平均医療費
病気にかかった際の急な出費を把握しておくためにも、どれくらいの医療費がかかるか把握しておく必要があります。
いわゆる三大疾病と言われる「悪性新生物(がん)」「心疾患」「脳血管疾患」の罹患(りかん)者数と平均医療費を表でチェックしていきましょう。
三大疾病は罹患(りかん)者数も多く、特に平均医療費も高い傾向にあります。
上記のデータを目安にすると200万円以上の出費をカバーできるようにしておく必要があるように思いますが、実際は表に載っているような大きな額を全額自己負担するわけではありません。
日本の公的医療保険制度により、医療費は最大でも3割負担で済み、さらに高額療養費制度もあるため医療費にかかる負担額には上限があります。
ただし注意していただきたいのが、入院中の差額ベッド代や食事代は制度の対象外であるため、全額自己負担です。
短期入院の場合は自己負担額がさほど大きな負担にはならないかもしれませんが、長期入院となると自己負担額の総額が高額になる可能性がある事は頭にいれておきましょう。
自己負担額の目安として、入院時食事代の標準負担額(1食あたり)は460円、差額ベッド代の1日あたりの平均額は約6,200円※です。
1日にかかる食事代と差額ベッド代の自己負担額は合わせて約6,700円。
1日入院が増えるごとに約6,700円の自己負担が増えるという事です。
現在の日本の医療情勢は昔と比べると入院期間が短くなってきていますが、疾病によっては長期入院が必要なケースもあります。
大きく貯蓄を削らずに入院治療を受けるのに医療保険は心強いものとなります。
医療保険を考える際は、公的な医療保障だけではカバーできない費用にも備えておくことが大切なポイントです。
※参考データ元:厚生労働省 平成30年度主な選定療養に係る報告状況
老後の生活資金作りとしての保険の活用
人生100年時代と言われている現代においては、老後に向けた資産運用が重要です。しばらく使うことがないお金を運用代わりに保険で増やすという手段も活用できます。
ここでは、貯蓄型の運用目的で活用できる保険の種類を紹介します。
介護タイプの貯蓄型保険
要介護状態や高度障害状態、死亡時に保険金が支払われる保障を用意できることに加え、解約時に解約返戻金を受け取ることができる保険です。
介護が必要となった時のお金だけでなく、元気で長生きした場合には、解約して老後の資金として自分で使えます。
外貨建て保険
保険料を日本円ではなく米ドルなどの外貨で払い込み、外貨で運用ができる保険で、近年人気を集めています。
万が一の死亡保障を確保でき、途中で解約すると解約返戻金を受け取れます。もし日本円の価値が下落しても、資産が大きく減る可能性を抑えられます。
ただし、受け取るタイミングの為替相場によって、円での受取額が変動するため、解約や満期などで受け取るタイミングには注意も必要です。
変額保険
死亡保障の確保と運用が同時にできる貯蓄型の保険です。
支払った保険料を投資信託や債券、株式などで運用し、運用成果に応じて保険金額や解約返戻金額が変動する仕組みです。運用成果によっては、保険金や解約返戻金を大きく増やせます。
解約返戻金には最低保証がないため、解約するタイミングには注意が必要ですが、死亡保険金は基本保険金額が最低保証されています。
このように保険を活用すると、保障を持ちながら、自分自身の老後資産もあわせて準備ができます。
まとめ
50代の人はライフステージの変化に合わせて、死亡保険と医療保険をバランスよく考えておく必要があります。急な出費に対応できるようにしておきましょう。
また、老後の資産準備として保険を活用するのもひとつの手段です。貯蓄型の保険であれば、保障と運用が同時にできます。上手に活用して、老後資産を賢く築いていきましょう。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。