生命保険の選び方

2021.08.05

女性向けの貯蓄型保険の種類と目的別の選び方【FP監修】 

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

女性の保険選びで、気になるキーワードとして「女性保険」「女性向け保険」があります。これらの保険は、女性特有の病気について手厚い保障が得られる医療保険全般を指す言葉で、多くの場合は掛け捨て型保険です。

いっぽう、死亡保険や個人年金保険、学資保険なども女性にとって大事なもので、これらは貯蓄型保険と呼ばれます。

この記事では、女性の保険選びに必要な知識と、保険の選び方を解説します。保険選びに迷っている人は、参考にしてください。

女性保険は女性特有の疾病やがんの保障が手厚い保険

「女性保険」「女性向け保険」と呼ばれるものは、女性特有の病気の保障を手厚く保障する医療保険全般を指す言葉です。

たとえば、帝王切開や切迫早産、子宮筋腫や卵巣のう腫など、妊娠出産時の異常や女性特有の病気で入院や手術をしたときに、他の病気よりも上乗せして給付金がもらえます。

一般の医療保険で得られる保障をベースとして、「女性疾病特約」「女性がん特約」などがオプションの特約として上乗せされるタイプが多いです。

20代、30代でも女性保険を検討すべき?

若くて健康に自信がある女性は「毎月保険料を支払うのがもったいない」「入院や手術など他人事」という感覚があるかもしれません。

ただ、妊娠や出産の際に何らかのトラブルを経験した場合、その後の一定の期間は医療保険に加入できない可能性が出てきます。予想外の病気やケガをした場合も、医療費がかさんだり、その後医療保険に加入することが難しくなったりする可能性はあります。

結婚や出産などライフステージの変化を迎える前に、女性保険への加入を検討しましょう。

女性向けの貯蓄型の保険の種類

保険には、大きく分けて貯蓄型保険と掛け捨て型保険があります。

既に紹介した、医療保障が受けられる女性保険は、多くの場合掛け捨て型ですが、貯蓄型のものもあります。

他にも、女性が知っておきたい貯蓄型保険がありますので、紹介します。

1. 「生存給付金」や「お祝い金」がある医療保険

通常の医療保険に、貯蓄機能をセットにした医療保険があります。次のような給付を受けることができる医療保険です。

(例)

  • 生存給付金……何年かごとに生存していた場合
  • お祝い金……5年や10年などの一定期間に保険金を受け取らなかった場合

入院や手術で保険を使った場合には、お祝い金から受け取った給付金の分が差し引かれる場合や、お祝い金がもらえない場合があります。

貯蓄機能を併せ持つため、掛け捨て型の医療保険と比べて保険料は高くなります。

健康に自信がある人、そしてなかなかお金が貯められない人には、保険料という形で支払いを続け、一定のタイミングでお祝い金をもらえることはメリットとも言えるでしょう。ただし、あくまでもベースは医療保険なので、あまり大きくお金を増やすことは期待できません。

本当に医療保険で貯蓄するのがお得といえるか、掛け捨て型の医療保険や他の貯蓄方法と比較検討することが大切です。

お祝い金などがある貯蓄型医療保険

2. 「解約返戻金」がある医療保険

通常の医療保険に、解約返戻金をセットにしたものです。ただし、解約返戻金は支払った保険料の総額より少ないか同額程度であることがほとんどです。お金を増やすというよりは掛け捨て分が少ない保険というイメージです。

若くて貯蓄が十分にない時だけ医療保険に加入しておいて、将来、貯蓄が十分にできたら解約しようと考える人には、向いている保険です。

解約しないで、ずっと医療保険を続けていく場合は、掛け捨て型の保険と比べて保険料が高くなるというデメリットがあります。

解約返戻金がある医療保険の図

3. 「解約返戻金」がある死亡保険

死亡保険のなかで解約返戻金があるタイプのものは、保険と貯蓄の機能を併せ持つ貯蓄型保険の一種です。

保険料は掛け捨て型に比べて割高ですが、解約するタイミングによっては支払った保険料の総額より多くの解約返戻金を受け取ることができる商品もあります。

たとえば、子どもが幼く、死亡保険の必要性が高い時期には保険契約を維持し、死亡保障を縮小してもよい時期が来たら解約して、解約返戻金を受け取るという方法もあります。

貯蓄型保険の目的に合わせた選び方

あなたの目的にあった貯蓄型保険の選び方をご紹介します。

掛け捨て型保険はもったいない気がする

「生存給付金」や「お祝い金」がある医療保険、「解約返戻金」がある医療保険を選ぶと掛け捨てにはなりません。

ただし、貯蓄率があまり高くない保険もあります。保険と貯蓄は別に考えて、「掛け捨て型保険と貯蓄の併用」をする方法と、どちらが損をしないか、よく考えましょう。

若い時だけ、医療保険に入っておきたい

「生存給付金」や「お祝い金」がある医療保険、「解約返戻金」がある医療保険を選ぶと掛け捨てにはなりません。

ただし、入院や手術をして保険金を受け取った場合、「生存給付金」や「お祝い金」として受け取る金額が少なくなる可能性もあります。

掛け捨て型の保険に一定期間だけ加入する場合とどちらがお得かよく比較検討しましょう。

将来の医療事情にあわせて、見直しがしやすいものがいい

貯蓄型の医療保険は、保険料が高く「生存給付金」や「お祝い金」がもらえるタイミングまで、損をする不安から保険の見直しがしづらくなります。

一方で掛け捨て型の医療保険は、保険料が戻ってこないため他にいい保険があれば、解約するタイミングを気にしなくてもいい自由さがあります。

医療保険は見直しをしやすくしておきたい場合は、掛け捨て型の医療保険で病気やケガに備え、貯蓄型の「解約返戻金」のある死亡保険などで貯める方法の方が見直しの負担が少なくなります。

まとめ

女性向けの貯蓄型の保険には、「生存給付金」や「お祝い金」がある医療保険、「解約返戻金」がある医療保険、「解約返戻金」がある死亡保険などがあります。医療保険を貯蓄型にすると、保険料は掛け捨て型と比べて高くなります。将来、医療保険は見直したくなることも多いため、見直しし易い掛け捨て型を選んで死亡保険で貯蓄をするのも選択肢の1つです。保険は長く付き合う契約のため、先々の保険料の負担や見直しの可能性も考えたうえで、ご自身にあったものを選びましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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