生命保険の選び方
2022.04.14
おすすめの女性保険とは?女性特有の病気に必要な保障の選び方【FP監修】
乳がんや子宮筋腫など、女性特有の病気に対して手厚い保障を得られる保険があります。
「女性保険」と呼ばれることが多い保険ですが、保障内容は商品によってさまざまです。
本記事では、女性保険の解説をしつつ、女性保険への加入を検討する際のポイントを解説します。
女性保険とはどんな保険?
女性保険とは、一般的な医療保険のように、病気やケガの保障をしつつ、女性特有の病気に対する保障が手厚い保険を指します。
「女性保険」ではなく、医療保険に特約として「女性疾病特約」を設定できるものもあります。
イメージとしては「医療保険+女性疾病特約」です。
心臓病や脳卒中など、性別に関係ない病気やケガの保障に加えて、乳がんなどの女性に多い病気や子宮筋腫や卵巣がんなどの女性特有の病気になった際に、保険金が上乗せされます。
すでに医療保険に加入している方で、女性保険を検討されている場合、加入している医療保険に女性疾病特約があるか、途中で付加できるか、をご確認ください。
途中で付加できる場合、新たに女性保険に加入する必要が無くなります。
女性特有の病気とは?
一般的には、乳房や子宮、卵巣に関わるものが挙げられます。
- がん(悪性新生物)
乳がん・子宮がんなど
- 上皮内がん(上皮内新生物)
乳房・子宮など
- 乳房および女性性器疾患
乳房・子宮・卵巣の良性新生物や子宮内膜症など
- 妊娠、分娩、および産褥の合併症
異常分娩(帝王切開・吸引分娩など)や子宮外妊娠など
厚生労働省による「平成29年患者調査」によると、女性がかかったがんのうち、約46%が乳がん・子宮がん・卵巣がん、といった女性特有のがんであったとされています。
乳がん治療のために乳房を切除した際に行われる乳房再建術など、通常の医療保険では保障の対象外となるものも、女性保険では保障対象となっていることがあります。
また、妊娠・出産時のトラブルに対する医療費は公的医療保険の対象外となるものが多く、想定外の費用が発生する可能性があります。
現代では、5人に1人以上が帝王切開で出産をしている、というデータもあります。
帝王切開は公的医療保険が適用される費用ではありますが、妊娠・出産時には多くの費用が必要であるため、万一に備えて女性保険に加入しておくと安心できるでしょう。
女性保険と医療保険、どちらがおすすめ?
女性保険と通常の医療保険、病気やケガの備えとして、どちらに加入すべきでしょうか。
女性保険は、女性特有の病気に対する保障が手厚い、というメリットがある一方で、保険料の負担が大きくなる、というデメリットがあります。
基本的には、保障内容と保険料のバランスを考えた上で、どちらに加入するかを選択します。
ポイントは「女性特有の病気に対して、どの程度の保障を求めるか」です。
通常の医療保険であっても、女性特有の病気になった際に、給付金は支払われます。
貯蓄やライフプランにもよりますが、通常の医療保険の保障で十分、という人もいるでしょう。
上記を踏まえて、女性特有の病気に対する保障を手厚くしたい方は「女性保険」をおすすめします。
結婚前?妊娠前?女性保険の加入におすすめのタイミング
女性保険に限らず、病気やケガを保障する保険に女性が加入を検討する場合、妊娠・出産を踏まえた上での検討が必要です。
妊娠している女性が、医療保険に申し込む場合、妊娠・出産に関する保障が対象外となるケースがあります。
また、帝王切開による出産をした方などが、今後の出産に備えて医療保険や女性保険への加入を検討した場合、妊娠・出産に関する保障が対象外になってしまう可能性が高いです。
妊娠前に加入する場合、妊娠・出産に関連する保障を受けられますが、妊娠後に加入する場合、妊娠・出産に関連する保障が受けられない、という違いがあるため、将来的に妊娠・出産を希望する方は、結婚前や妊娠前に医療保険、あるいは、女性保険に加入しておくことをおすすめします。
女性保険を選ぶ際のチェックポイント
女性保険や女性疾病特約を選ぶ際に、特に注意していただきたい点を紹介します。
保障内容と給付金額
女性保険や女性疾病特約は、女性特有の病気になった際に、通常の医療保険の保障に加えて、給付金が上乗せされるケースが一般的です。
商品にもよりますが、上乗せ額は通常の給付金額と同額です。
例えば、入院給付金が日額5,000円の医療保険に、女性疾病特約が付くと、女性特有の病気で入院した際に、日額1万円の給付金を受け取れます。
公的医療保険とは違い、民間の医療保険や女性保険の保障は現金で受け取れるため、使い道が自由な点が特徴です。
給付金を医療費の他にも、ウィッグや乳房再建術といった身体ケアや収入減少の補填、などの使い方ができます。
入院中に個室を希望する女性であれば、公的医療保険の対象外となる差額ベッド代が生じます。
差額ベッド代を含む、公的医療保険の適用範囲外の費用に備えるためにも、女性特有の病気、それ以外の病気で、どの程度の保障が必要かお考えください。
給付金額のほか給付の制限もチェックしましょう。
保険契約の期間中、何回でも支払われるタイプや通算◯◯回、〇〇円まで、といった制限があるタイプがあります。
保障対象
商品によって保障対象や保障される範囲が異なります。
女性特有の病気、といっても幅広いため、人によって必要な保障は異なるかと思います。
例えば、女性特有のがんの保障だけでいい、という方であれば、がんに特化した女性保険やすでに加入しているがん保険に女性疾病特約を付加する、といった選択肢があります。
基本的には、保障対象が広いほど、保険料の負担が大きくなるため、ご自身にとって必要な保障をご確認ください。
まとめ
女性保険とは、通常の医療保険の保障内容に加えて、乳がんや子宮筋腫などの女性特有の病気に対する保障が手厚い保険です。
すでに加入している医療保険やがん保険に、女性疾病特約を付加することでも女性保険と同じ保障を得られます。
注意点として、保障が手厚い分、保険料の負担が大きくなる点が挙げられます。
女性特有の病気に対して、どの程度の保障を求めるか、という点が女性保険に加入するか、どのような女性保険に加入するか、の判断材料です。
そのため、おすすめの女性保険は人によって変わります。
商品によって、保障内容や保障対象が異なるため、複数のがん保険を含む女性保険や女性疾病特約を比較検討し、ご自身に合う保険を見つけましょう。
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。