保険の基礎知識
2022.03.14
生命保険に入らないデメリットとは?必要性が高くないのはどんな人?
生命保険はいらないと言う人もいますが、生命保険文化センターが実施した「生活保障に関する調査(令和元年度)」によると、男女ともに8割以上の人が生命保険に入っています。
しかし、特に健康な若い世代では生命保険に入る必要性が実感しにくいため、入らなくても良いのではないかと考える人が少なくないかもしれません。
生命保険は必要なのか疑問に思っている人のために、生命保険に入らないメリット・デメリットを解説します。この記事を読むと、どのような場合なら生命保険の必要性が高くないと言えるのか、そしてなぜ多くの人が生命保険に入っているのかがわかります。
生命保険に入らないメリット・デメリット
生命保険は不要という意見がありますので、ここで生命保険に入らないことによるメリットとデメリットを確認しましょう。
メリットは保険料を払う必要がないこと
生命保険に入らないメリット、それは言うまでもなく保険料を払う必要がないことです。特に貯蓄型ではなく掛け捨て型の保険の場合、保険金が支払われるような事態が起こらなければ払った保険料は無駄になると言うこともできます。そのため、生命保険に入らなければ払わなくて済んだ保険料の分だけ貯蓄をしたり、他のことに使ったりできるのはメリットです。
生命保険に加入している世帯では、月々に1万円〜2万円程度の保険料を払っている世帯が最も多いです(「生活保障に関する調査(令和元年度)」より)。その金額がかからなくなると考えれば、生命保険に入らなくても良いのではないかと考えてしまうかもしれませんが、加入しないことによるデメリットも確認してみましょう。
デメリットはいざというときに経済的なダメージが大きいこと
生命保険に入らないデメリットはやはり、いざというときに経済的なダメージが大きいことです。葬儀費用には数百万円かかることもありますし、もし経済的に支えている家族がいれば、のこされた家族の生活費や教育費として数千万円単位のお金が必要になる可能性もあります。生命保険に入っていれば、経済的なダメージを緩和できます。
貯蓄で備えることはできますが、数百万円から数千万円のお金を貯めるには長い時間と努力を必要とします。
生命保険はもしものときに備えるものなので、加入したけれども結局、保険金をもらうようなことがなく保険期間が終わる可能性があるのは確かです。しかし、だからといって保険に入らずにいると、もしものときに困ってしまうかもしれないのが生命保険なのです。
生命保険の必要性があまり高くないのはこんな人
いざというときの経済的なリスクに備えられる生命保険は多くの人にとって便利なしくみですが、実際のところ、生命保険の必要性がそこまで高くない人もいます。生命保険が必要とは限らないのはどのような人か、2つのケースを紹介します。
独身の人
生命保険はもしものときの経済的なリスクに備えるためのものですが、実は独身の人の場合、その経済的なリスクはそれほど大きくないことがあります。特に扶養している家族がいない場合は、独身の人が備えるべきなのはもしものときの葬儀費用や、病気やケガで働けなくなったときのための生活費や医療費です。これらの費用をまかなえるだけの貯蓄があれば、生命保険に入らなくてもよいかもしれません。
しかし、一般的に生命保険は早く入るほど保険料が安く、長い目で見ても払い込む保険料の総額は小さくなる傾向があります。将来を見据えて、早いうちに保険に入っておくのも良いでしょう。
扶養家族がいるが、十分な貯蓄や資産がある人
扶養している家族がいる人の場合、一般的には生命保険の必要性が高いとされることが多いです。しかし、もしも自分に万が一のことがあっても、のこされた家族が生活に困らないだけの十分な貯蓄や資産があるなら、経済的なリスクに生命保険で備える必要性は低いでしょう。
なお、この場合の十分な貯蓄とはいったいどれくらいの金額を指すのでしょうか。扶養している家族の人数や状況によっても変わりますが、特にお子さまがいる場合は、生活費に加えて教育費も必要です。お子さまの年齢によっては独立するまでの間に数千万円の費用がかかることもあるのです。
これだけの金額を用意できる人であれば、生命保険に入る必要性は高くありません。ただし、もしものときに備えるための資産は生活費や教育費としてすぐに使えるよう、現預金など流動化しやすいものでなければいけませんので注意しましょう。
多くの人にとって生命保険の必要性は高い
生命保険が必要とは限らないケースを2つ紹介しましたが、逆に言えばこの2つのパターンに当てはまらない多くの人にとって、生命保険の必要性は高いでしょう。ここで生命保険の必要性が高い代表的なケースを2つ解説します。
扶養家族がいる人
扶養家族がいる人にとって、生命保険に入るメリットは小さくありません。そしてそのメリットは、扶養家族が多いほど大きくなります。扶養家族が多いほど、必要額を貯蓄するのは難しくなり、また備えなければいけない経済的リスクは大きくなるからです。
すでに説明した通り、お子さまがいるケースでは生活費だけでなく教育費の準備にも気を配らなければいけません。数百万円から数千万円を貯蓄することは誰にでもできることではありませんが、生命保険に入ればすぐにそれだけの金額を備えられます。したがって扶養家族がいる人にとっては、生命保険の必要性は高いと言えるでしょう。
いざというときに使える貯蓄が少ない人
いざというときに使える貯蓄が少ない人も生命保険の必要性は高いと言えます。なぜなら、あらかじめ決めた保障額を加入直後から備えられるのが生命保険のメリットだからです。
若い人などでは独身であったとしても、葬儀費用や当面の生活費として必要な数十万円の貯蓄が難しいこともあります。そのような場合には、生命保険に入って万が一に備えることは重要です。また、ある程度の資産はあるけれど、土地や不動産などすぐに現金化できないものが多い人という人にも生命保険はおすすめです。
まとめ
生命保険に入らないメリットは保険料を節約できることですが、確率は高くないとはいえ、もしものことが起きたときに経済的に困ってしまう可能性があるのがデメリットです。
特に扶養家族がいる人や、いざというときのための貯蓄が少ない人ほど、生命保険に加入しないデメリットは大きいと言えます。もしこれらの条件に当てはまるのなら、少額からでも構いませんので、生命保険の加入を検討してみましょう。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。