出産費用に民間の医療保険は適用される?公的医療保険との関係性

「出産費用は民間の医療保険の適用になるの?」「出産費用をできるだけ抑えたい」

新しい家族を迎えるにあたり、必要な費用があります。家族が増える喜びと同時に、出産するにあたってどれくらいのお金を準備しなければいけないのか不安になる方も多いでしょう。

そこで、公的医療保険および民間の医療保険はどのようなときに適用となるのかをあらかじめ知っておくことで、妊娠・出産にかかるおおよその費用を把握して備える事ができます。

この記事では、民間の医療保険は出産も適用になるのかや、出産における公的医療保険の適用条件について解説していきます。お金にまつわる不安を取り除き、安心して新たな家族を迎えられる準備をしましょう。

正常分娩には民間の医療保険が適用されない

正常分娩は医療保険の適用にはならない

出産は母子ともに健康な場合であっても、平均6日間の入院を要するデータがあります。そのため、民間の医療保険に加入していれば入院給付金を受け取れると思われる方も多いでしょう。

しかし、加入している保険の契約内容によって異なるものの、正常分娩ではほとんどの場合で民間の医療保険が適用されることはありません。
基本的に正常分娩で出産を終えた場合は、公的医療保険(健康保険)も適用されず、費用は全額自己負担です。
公的医療保険はあくまでも病気やケガの治療をしたときに適用する制度のため、出産は該当しません。

医療行為が行われれば要件により給付金が受け取れる

正常分娩においては医療保険は適用されませんが、異常妊娠や異常分娩で医療行為が行われたとき、要件を満たせば保険が適用されます。次のような「異常妊娠」「異常分娩」に際して行われた医療行為が保険の適用例です。

  • 帝王切開分娩
  • 吸引分娩
  • 子宮外妊娠
  • 妊娠糖尿病
  • 妊娠高血圧症
  • 重度のつわり
  • 流産               など

異常分娩で医療行為が行われれば、通常の医的処置と同様の扱いとなるため公的医療保険も適用となり、処置にかかった費用の3割が自己負担額となります。
同様に民間の医療保険も契約内容により「入院給付金」「手術給付金」が支払われるので、費用の負担をカバーできるでしょう。

とくに帝王切開分娩については、妊娠期間中に計画的に行われることもありますが、正常分娩を予定していた場合でも母子の健康状態を考慮して出産直前に帝王切開分娩に切り替えられるケースも多くあります。
帝王切開分娩で出産をした場合は正常分娩よりも入院日数が長くなる傾向にあり、公的な医療保険が適用されるとはいえ正常分娩に比べると費用の負担は大きくなります。妊娠・出産においての予期せずトラブルに備えるために、民間の保険で備えておくと費用の面では安心ですね。

赤ちゃんとの生活は喜びや楽しみも大きいですが、不安になることも多くあるでしょう。妊娠中の妊婦さんは特に気持ちが不安定になりやすいと言われています。これから妊娠・出産を考えている方は妊娠中のリスクや異常分娩となる可能性を踏まえて、民間の医療保険で費用面での不安を和らげられます。

出産に必要な費用と公的制度

出産に必要な費用

正常分娩は出産費用を全額負担しなければいけません。公的医療保険が適用される異常分娩においても費用の3割は自己負担です。いずれにしても出産にはお金がかかるため、事前にどれくらいの費用がかかるのか把握しておくことが大切です。

公益社団法人国民健康保険中央会が行った調査によると、平成28年度の正常分娩にまつわる出産費用の平均は50万5,759円でした。このデータには病院、診療所、助産所が含まれます。

入院料 11万2,726円
室料差額 1万6,580円
分娩料 25万4,180円
新生児管理保育料 5万621円
検査・薬剤料 1万3,124円
処置・手当料 1万4,563円
産科医療補償制度 1万5,881円
その他 2万8,085円
参考:公益社団法人 国民健康保険中央会「出産費用の全国平均値、中央値」

出産にかかる費用は出産する地域や、病院、診療所、助産所のどこを選ぶかによっても異なります。そのほか、費用が高くなるケースで考えられるのが専門性の高さや設備・食事サービス・産後プログラムが整っている病院です。出産後の食事が豪華であったり、産後の体を整えるプログラムに参加できるような病院は通常よりも出産費用が高くなります。
また、個室利用時にかかる「差額ベッド代」は公的医療保険の適用外なので全額自己負担です。周囲に迷惑をかける、面会に来た人とゆっくり過ごしたいといった理由で個室を選ぶ方も多いですが、その分費用が高くなるので注意が必要です。

公的医療保険制度を利用して出産費用を軽減

出産時にはある程度のまとまったお金が必要です。しかし公的医療保険制度を利用することで出産費用の負担を軽減できます。出産に際して利用できる公的医療保険制度には次のようなものがあります。

出産育児一時金

出産育児一時金は妊娠4カ月(85日)以上で出産したとき、1児につき42万円支給される制度です。健康保険または国民健康保険に加入している被保険者やその被扶養者が出産したことが条件で給付されます。
出産した病院が「直接支払制度」を利用できる場合は、事前にまとまったお金を準備する必要はありません。なぜなら、出産費用から出産育児一時金を差し引き、その差額分だけを支払うだけで済んでしまうからです。たとえば出産費用に51万円かかったとしても、出産育児一時金の42万円を差し引いた9万円を病院に支払えばいいのです。

また、出産費用が出産一時金を下回る場合は、申請することでその差額が被保険者に支給されるので、今後の育児費用として活用できます。

出産手当金

出産手当金は健康保険に加入している被保険者が、出産のために会社を休み給与が支払われなかったときに適用される制度です。支給額は、標準報酬日額(※)の3分の2が支給されます。
受給期間は出産日の42日前(双子など多胎妊娠は98日前)から出産翌日56日目までです。

※標準報酬日額=支給開始日前の継続した12カ月の標準報酬月額の平均÷30日

高額療養費制度

高額療養費制度は、1カ月間にかかった医療費が所得や年齢に応じて設定されている「自己負担限度額」を超えたとき差額が払い戻される制度です。正常分娩は適用されません。異常分娩で医療行為が行われ、3割の自己負担額が高額療養費制度の自己負担限度額を超えたときに利用できます。

注意しなければいけないのが、基本的には一時的に自己負担額は支払わなければいけない点です。一度病院へ費用を支払い、必要書類とともに申請をしたのちに超過分が払い戻されます。

医療費控除

医療費控除は1月1日~12月31日まで間で、1世帯10万円以上の医療費を支払ったとき所得控除が受けられる税金の制度です。

ポイントは高額療養費制度では対象とならなかった正常分娩でかかった費用も適用となること。ただし、出産育児一時金を差し引いて自己負担した金額のみ、合計金額に合算可能です。妊娠と認められてからの検診費や出産にともなう入院のために利用したタクシー代(公共機関の利用が困難と判断された場合)なども対象となります。

医療費控除を受けるには、年末調整している会社員でも税務署へ確定申告が必要です。そのさいには領収書など添付を求められるため、大切に保管しておきましょう。

出産に備えた医療保険は妊娠前に検討を!

妊娠・出産に備えて民間の医療保険に加入を検討しているのであれば、妊娠前に加入することをおすすめします。近年、妊娠中でも加入できる保険が増えてきていますが、加入はできても保障が制限される場合がほとんどです。

妊娠・出産は喜ばしい事ですが、さまざまなリスクがついてきます。帝王切開分娩の件数は上昇傾向にあり、(※)一般病院における平成2年の帝王切開分娩の割合は11.2%でしたが平成29年は25.8%と2倍以上に上昇しています。つまり4人に1人帝王切開で出産しているということです。

※厚生労働省 平成29年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況 参照

その他にも妊娠糖尿病や妊娠高血圧症など、妊娠前は健康であっても妊娠中は様々なトラブルに陥る可能性があります。
そのため民間の保険会社では、妊娠中は医療保険の適用ケースが多くなると考え、保険の加入を断る、もしくは制限付きでの加入とするのが一般的です。

妊娠は病気やケガとは異なりますが、妊娠をしてからの体は妊娠前よりとてもデリケートになります。金銭的・精神的負担をできるだけ軽くして新たな家族を迎えるための方法のひとつとして民間の医療保険があります。

まとめ

正常分娩は公的医療保険および民間の医療保険の適用外です。適用を認められるのは、妊娠中や出産時に医療行為が行われた場合に限ります。

正常分娩は全額自己負担となりますが、日本には出産育児一時金や出産手当金など出産時にお金がもらえる公的医療保険制度があるので出産費用の負担を軽減できるでしょう。

しかし、妊娠・出産には様々なリスクがついてきます。医療保険は妊娠前の方が加入し易く、保障に制限もかかりません。もしものときを考えて医療保険の加入を検討している場合は、加入のタイミングも考えて検討を進めましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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