契約前に知っておきたい
2021.09.02
卵巣嚢腫になったら保険に入れる?入れない?保険金は出るの?
20代や30代に多い卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)、良性腫瘍のひとつですが卵巣の中に分泌物や脂肪などがたまって腫れてしまい、手術が必要な場合もあります。卵巣は卵子や女性ホルモンをつくりだす大切な臓器です。
本記事では「もし卵巣嚢腫と診断されたら、そのあと保険に加入できる?」「保険金は出る?」などの不安をお持ちの方の疑問におこたえします。
■卵巣嚢腫とは?
卵巣嚢腫とは、卵巣にできる腫瘍で、内容物が入った袋(嚢胞)のような形をしたものです。20代や30代に多い病気です。
腫瘍が小さいうちには自覚症状が少なく、大きくなってから症状が現れることが多いです。腫瘍が大きくなると、おなかの張り、下腹部の痛み、腰痛、便秘、頻尿などの症状がみられます。
腫瘍がおなかの中でねじれる茎捻転(けいねんてん)という状態になり、突発的な強い痛みや嘔吐が起こり、ショック状態になって緊急手術が必要な場合もあります。また、腫瘍が破裂した際も下腹部に強い痛みが起こり、緊急手術が必要になります。
■卵巣嚢腫になってから保険に入れる?
卵巣嚢腫と診断されたあとに保険に入れるかどうかは状態によって変わってきます。場合によっては保険に加入できない、または特定部位不担保での契約になることがあります。特定部位不担保とは、一定期間(あるいは終身で)、保険会社の指定した臓器や部位に対しては保障の対象外になる条件のことです。たとえば、「卵巣や子宮に関わる保障は5年間は対象外とする」といった条件があります。対象外となる臓器や部位、期間は、告知をもとに保険会社の総合的な判断によって決まります。
どうして、保険に入れなくなったり、条件つきの契約になるのでしょうか?
それは、保険会社が健康状態や職業などによって、保険に入れる人を選別して加入者同士の公平性を保たなければならないためです。保険は、保険に入る人みんなが保険料を出し合い、その中で「万が一」があった人に集めた保険料から保険金を支払うという助け合いで成り立っている仕組みです。保険金を受け取る確率が高い人が大勢加わると保険金が支払われる確率が急に上がり、その分、保険金を受け取る可能性が低い人も高い保険料を負担しなければ保険の仕組みは成り立たなくなってしまいます。そのため、保険会社が給付金を支払う可能性が高いと判断した場合は、加入をお断りしたり、特定部位不担保での契約にすることによって加入者同士の公平性を保っています。
保険会社によって、審査の基準は異なります。入院や手術をする可能性は低いと判断されると健康な方と同じように加入ができるケースもあります。また、過去に手術をしている場合も完治してから一定期間が経過すると保険に加入できるケースが多いです。
■給付金は出る?
医療保険などの入院や手術をしたときに給付金がもらえる保険であれば、卵巣嚢腫による入院や手術をしたときに給付金が出ます。退院後に通院したときは、通院給付金や外来診療の保障がついていれば給付金が出ます。保険商品によっては、入院前の通院も対象になるものもあります。
ただし、入院を伴わない通院は通院給付金の対象外であるケースがほとんどのため、注意が必要です。
卵巣嚢腫の治療方法は腫瘍の大きさや、症状などによって異なります。場合によっては手術が必要です。通常、卵巣嚢腫は自然消失することがないため、通院で経過観察をしたり、手術で摘出したりなどの治療が必要になります。
先述したとおり、卵巣嚢腫と診断されると、加入ができないケースや特定の部位が保障の対象外の契約になるケースがあります。そのため、万が一の医療費の負担を抑えたい方や女性に多い病気が気になる方は、あらかじめ保険に加入しておくと安心です。
また、医療保険に女性疾病特約をつけると、卵巣嚢腫をはじめとした女性特有の病気、女性がかかりやすい病気などの保障が手厚くできます。保険商品によって女性疾病特約で上乗せ保障される範囲は異なるため、ご自身が気になる病気の保障が十分にされているか?保険料と保障のバランスは納得できるか?などの観点から比較検討することをおすすめします。
■まとめ
卵巣嚢腫を治療する際には手術が必要なケースもあるため、医療費の負担を抑えたい方や女性に多い病気が気になる方はあらかじめ保険に加入しておくと安心です。女性特約をつけた医療保険は、卵巣嚢腫に限らず女性特有の病気や女性がかかりやすい病気の保障を手厚くできます。
卵巣嚢腫と診断されると、そのあと希望する保険に加入できないケースや特定部位不担保の条件付きでの加入になるケースもあります。特にこれから保険を検討している方は注意しておきましょう。
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リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。