生命保険の選び方
2023.10.19
小学生におすすめの医療保険とは?【FP監修】
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。
小学生におすすめの医療保険を探している人や、そもそも小学生に保険は必要なのかと悩んでいる人は多いのではないでしょうか。小学生に医療保険は必要ないという意見は根強いのですが、保険に入ることにはメリットもあります。
この記事では小学生のお子さまを持つ保護者のために、
- 小学生に医療保険が必要ないと言われる理由
- 小学生から医療保険に入るメリット
- おすすめの医療保険
を解説します。
医療保険以外に、小学生の病気やケガのリスクに備える方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
小学生に医療保険は必要ない?
この記事の読者のなかには小学生に医療保険は必要ないという意見を目にしたことがある人がいるかもしれませんね。その理由は以下の2点です。
- 入院する確率が低い
- 医療費がそれほどかからない
本当に小学生に医療保険は必要ないのか、詳しく見ていきましょう。
小学生は入院する確率が低い
「令和2年(2020)患者調査の概況」によると、小学生が含まれる5歳〜9歳および10歳〜14歳の子供が入院患者数全体に占める割合は、約0.7%程度です。ここからわかることは、小学生などの子供は入院が必要になるほどの大きな病気にかかるリスクが低いということです。子供は大人より免疫力が弱いため、病気になりやすいイメージを持っていた人にとっては意外に感じられるかもしれませんね。このように、小学生は入院する確率が低いため、医療保険は必要ないと言う人もいます。
小学生は医療費がそれほどかからない
日本はすべての人が何らかの健康保険に加入する国民皆保険制度を採用しており、小学生の子供でも例外ではありません。そのため、小学生が自己負担する医療費は原則として全体の3割のみで、残りは健康保険から支払われます。
しかし、実際にはより少ない負担額で医療を受けられていることが多いのではないでしょうか。子育て支援の一環として、多くの自治体が小学生などの子供を対象に医療費助成制度を設けているためです。
子供を対象とした医療費助成制度では多くの場合、健康保険の自己負担額の全部または一部が助成されます。そのため、小学生は医療費があまりかからないので医療保険は必要ないという意見があるのです。
ただし、小学生の医療費がどの程度まで助成されるかは自治体によってさまざまで、手厚い支援が受けられる自治体もあれば、1日500円までなど支援が限定的な自治体もあります。医療保険に入るかどうかを決める前に、お住まいの自治体の助成内容を確認することをおすすめします。いま現在居住している自治体だけではなく、将来的に移住や住宅購入を考えている場合は、その自治体の状況も確認するようにしましょう。
小学生が医療保険に加入するメリット
小学生に医療保険は必要ないと言われる理由を紹介しましたが、もちろん小学生が医療保険に加入するメリットもあります。小学生に医療保険は不要という意見が見落としているポイントから、医療保険に入るメリットを解説しますので、お子さまを保険に入れるかどうか判断する参考にしてくださいね。
早く入るほど保険料が抑えられる
医療保険にはいくつかの種類があり、そのなかのひとつが終身医療保険です。終身医療保険には以下の2つの特徴があります。
- 解約しない限り、保障が一生涯続く
- 保険料は加入時から一定(変わらない)
ここでのポイントは、一般的に保険料は年齢が低いほど安く設定されていることが多いということです。そのため、できるだけ年齢が低いうちに加入するほど、安い保険料で生涯にわたって保障を継続できるのです。
また、医療保険では病気やケガで入院や手術の経験や健康上の問題があると、加入できなかったり、保険料が高くなったりすることがあります。しかし、小学生のうちであれば、健康状態を理由に保険に入れないことは少ないでしょう。
以上の理由から、小学生であっても医療保険に入ることにはメリットがあります。
公的保険などでまかなわれない出費に備えられる
小学生は医療費があまりかからないので医療保険は必要ないという意見がありますが、実は見落とされているポイントがあります。それは、医療費には健康保険や医療費助成の対象外のものがあり、それらは全額自己負担であることです。たとえば、入院で個室や少人数部屋を希望した場合の差額ベッド代や入院中の食費、先進医療などの治療費は健康保険の対象外であるため、医療費助成も受けられないことが多いでしょう。
また、子供が入院するときは医療費以外の費用なども考慮に入れた方がよいでしょう。見舞いのための交通費や親が入院に付き添うために仕事を休めば、収入が減少することもあります。医療保険に加入していれば、こうした医療費以外の出費や一時的な収入減少をカバーできるメリットがあります。
小学生におすすめの医療保険
小学生が医療保険に入るメリットを紹介しましたが、実際に保険に加入するなら、どのような保険を選べば良いのでしょうか。実は小学生などの子供の場合、医療保険に入る以外にも、病気やケガに保険で備える方法があります。5つの方法を紹介しますので、保険選びの参考にしてみましょう。
医療保険に入る
小学生が病気やケガのときの医療費を保障する医療保険に入るなら、終身タイプがおすすめです。保障が一生涯続く終身タイプは加入後に保険料が上がらないため、保険料が比較的安い小学生のうちに入ると将来の出費を抑えることができる場合があります。
各種の共済に入る
保険会社が販売する医療保険の代わりに、都道府県民共済やこくみん共済などで子供の病気やケガに備える方法もあります。加入者がお金を出し合い、入院や手術などが必要な人にお金をわたすしくみは保険とほぼ同じですが、共済は掛け金が低いことが多く、子供向けの医療共済なら月額1,000円程度のものもあります。
傷害保険に入る
小学生は大きな病気にかかる確率は低いため、医療保険はもったいないと考える人には、ケガによる入院や通院、手術などに備えられる傷害保険もおすすめです。傷害保険に入るメリットは、個人賠償責任補償が含まれているか、特約で付帯できることです。誤って他人にケガをさせてしまったり、他人のモノを壊してしまったりした場合の賠償責任が補償されます。
親の保険に特約を付帯する
生命保険や医療保険によっては、特約で被保険者の家族にも医療保障を追加できるものもあります。父や母が保険に入っているなら、子供が医療保障を受けられる特約があるかどうか確認してみましょう。
学資保険に医療特約を付帯する
子供の病気やケガの医療費に備えるなら、学資保険に医療特約を付帯する方法もあります。この方法は別途、医療保険に入る必要がないので手軽ですが、問題点もあります。それは、学資保険の貯蓄性が下がってしまうことです。
学資保険に入る人の多くが、教育資金の準備を目的としているのではないでしょうか。しかし、医療特約を付帯することで払い込んだ保険料の一部が医療特約の保障に使われてしまうため、貯蓄に回る保険料が減り、将来、受け取れる金額が少なくなってしまうのです。
教育費を用意することが学資保険の本来の目的であることを踏まえると、別の方法で医療保障を受けることをおすすめします。
まとめ
入院する確率が低く、医療費助成制度などによって医療費負担が少ない小学生には医療保険は必要ないという意見もあります。一方で、なるべく早くから医療保険に加入することには、保険料が抑えられる・医療費以外の出費に備えられるというメリットがあることを解説しました。
また、医療保険以外にも小学生の病気やケガのリスクに備える方法はあります。この記事を参考に、小学生のお子さまに合った保障を見つけてくださいね。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。