保険の基礎知識
2022.06.27
「保健」と「保険」、そして「社会保険」の違いを知ろう【3分でわかる保険基礎】
小学校や中学校に通っていたとき、ケガをして、保健の先生に手当をしてもらった経験がある人も多いでしょう。「保健」と「保険」は、どう違うのでしょうか?
また、私たちが加入したいときに保険会社と契約する「生命保険」「医療保険」と、生まれたらすぐ加入する「社会保険」とは、どう違うのでしょうか?
「保健」と「保険」はどう違う?
「保」には「たもつ、うけあう」という意味があります。
「保健」は「健やかさをたもつ」という意味です。
保健室や保健所は、健康や衛生を支える場所ですね。
「保険」の意味は「損害がありそうな事態をうけあうこと」という意味です。
保険の役割とはいったい何だろう?
「損害がありそうな事態」に対応する方法はいくつかあり、保険をかけることも有効な手段です。でも現実には、「保険をかける」こと以外の対応も行っていることのほうが多いです。
損害がありそうな事態のことは「リスク」と呼ばれます。
そして、リスクを管理し、損失を回避したり、最小限に抑えたりするための取り組みを「リスクマネジメント」といいます。
リスクマネジメントの流れは次のようなものです。
- 何がリスクなのかを認識する
- 認識したそれぞれのリスクについて分析する
- リスクを評価し対応の優先順位を決める
- リスクに対応する
リスクへの対応は次の4つに分類されます。
- リスクの回避
- リスクの軽減
- リスクの移転(転嫁)
- リスクの受容(保有)
たとえば「自動車で出かけると交通事故を起こしてしまうかもしれない」という場合を考えます。
リスクの回避とは?
「事故を起こすのが嫌だから出かけるのはやめよう」という考え方を、リスクの回避と言います。
リスクの軽減とは?
「できるだけ交通事故を起こさないように、安全運転を心掛ける」「見通しのよい道を選んで走行する」などの方法を、リスクの軽減と呼びます。
リスクの移転(転嫁)とは?
もし交通事故を起こすと、治療費や損害賠償などで多額の支出があるでしょう。
「経済的なダメージに備えて、保険に加入する」ことを、リスクの移転(転嫁)といいます。
リスクを誰かに肩代わりしてもらうのですから、肩代わりしてもらうためのコスト(保険料など)がかかります。
リスクの受容(保有)とは?
「まぁ、大丈夫だろう!」と思い切って車で出かける方法を、リスクの受容(保有)といいます。
リスクの回避や軽減ばかり考えていると、いつまでも「自動車で出かける」ことができません。とはいえ、何の対策も取らずに出かけてしまっては、事故が起こったとき、大変なことになります。
この4つの対応をバランスよく行っていくことが必要なのです。
保険に加入する場合も、「加入したから事故を起こしてもよい」というわけではなく、事故は起こさないに越したことはありません。リスクをできるだけ軽減した後に、保険に加入してリスクの移転をし、その上で出かけるのが現実的でしょう。
生まれたときから加入する「社会保険」って何だろう?
私たちが自由意志で加入する保険会社の保険とは違い、生まれたときから加入する「社会保険」があります。
社会保険の特徴
- 日本は国民皆保険制度の国なので国民全員がなんらかの社会保険に加入します
- 原則として、会社員・公務員の人は勤務先を通して、自営業者などの人は市町村や職能団体などを通して加入します
保険会社の保険の特徴
- 必要に応じて加入すればよく、強制ではありません
- 被保険者の健康状態や危険度に応じて、加入を断られたり、保険料が変化したりする場合があります
年金保険、介護保険、医療保険などは、社会保険と保険会社の保険のどちらでも運用されていますが、その内容はまったく違うものです。
あなたが保険に加入するときは、
- まず加入している社会保険の給付内容を確認する
- 1.でカバーしきれない部分を保険会社の保険に加入してカバーできるようにする
という考え方が大切です。
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