著名人・専門家コラム

2023.08.23

よくある質問「自殺をした場合、保険金っておりますか?」【住宅FP関根が答える!Vol.65】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
日々お客様の前に座り生命保険の提案を行っていると、定期的に聞かれる定番質問があります。

契約期間が60歳になっている収入保障保険を提案していて「この保険は私が60歳を過ぎた場合、それ以降の保障は無くなってしまうのですか?」、「契約途中で保険料が支払えなくなった場合、解約するしか無いのでしょうか?途中解約をした場合の解約返戻金が少ないのが気になります」といった質問や、保険全般の質問で「もし自分が加入している保険会社が倒産した場合、私の契約はどうなってしまうのでしょうか?」などといった質問です。このように生命保険、医療保険などを提案する時には、定番とも思える質問があるのですが、その中で定期的に聞かれる質問があります。

「死亡保険において、もし自分が自殺をした場合、保険金は下りるのか」

という質問です。
おそらく質問をされるお客様も、計画的に自殺を考えている人はいらっしゃらないと思いますが、実際に自殺をする人が多くいる現代です。一つの知識として確認しておきたいと思う方はいらっしゃいます。

結論を言ってしまうと、保険会社によって様々ではありますが、多くの場合保険契約から1年から3年以内の場合、自殺免責といって保険金が支払われない場合が多いです。一方で、1年から3年を経過していれば、死亡保険金は支払われることが多いです。ただ繰り返しですがこれらの条件は保険会社によって違いますし、また同じ保険会社内においても個別商品や加入時期などによっても違う場合があるため、注意が必要です。本日はこの死亡保険における、自殺の扱いについて確認していきたいと思います。

日本の自殺死亡者数

警視庁の自殺統計によると、現在日本においては、毎年2万人以上の方が自殺で亡くなっています。過去40年における自殺が多かった時期は、1998年から2011年までの間で、年間3万人を超えており、1番多かった2003年においては3万4,427人もいました。2012年以降は、年間3万人を割りこみ、2019年においては、2万169人まで下がりました。ただその後、コロナによる不況が影響し2020年は2万1,081人、翌年も2万1,007人と、自殺者は増えていました。

※参考:自殺者数|警視庁Webサイト

コロナの時期においては、外食産業や旅行産業、アパレル産業やコスメ産業などにおいて多くの失業者が出ました。自殺者数というものは、失業率が関連しているといわれており、2019年の2.36%だった失業率は、コロナが始まった2020年は2.78%、2021年は2.82%と上昇しております。ちょうどこの時期に連動するように自殺者数が増えていました。

※参考:労働力調査|総務省

先進国G7における人口10万人あたりの自殺者数を表す「自殺死亡率」を見ると、日本は15.7%とトップとなっており、2位はアメリカの14.6%、3位はフランスの13.1%となっており、G7中で一番低いのはイタリアで6.5%となっています。先進国の中でも日本における自殺率が高いことが分かります。また自殺者数というのは、男性が多く、約7割程度が男性となっています。この自殺死亡率15.7%というのは、一般的な死亡率と比べると分かりやすいと思います。厚生労働省の簡易生命表(令和4年)によると、日本における40歳男性の死亡率というのは、0.097%となっております。一方で、自殺率は15.7%となっており、40歳時点での死亡率よりもはるかに高いことがわかります。

※参考:海外の自殺の状況|厚生労働省
    令和4年簡易生命表の概況|厚生労働省

自殺によって保険金が支払われるケースと支払われないケース

自殺をする理由の多くは、精神疾患をその原因とします。精神疾患の程度が大きくなっていき、心身喪失状態となり自殺へ進んでしまうケースです。先ほども述べましたが、この自殺に対する死亡保険金の扱いというのは、1年から3年の自殺免責というものがあり、その期間は保障されないことが多いですが、その自殺免責期間を過ぎると、精神疾患を患ったと解釈され、支払事由に該当することが多いです。ただ、3年を過ぎていても、保険金が支払われない場合があります。それは『モラルリスク』といい、最初から保険金を不正取得するために加入したとみなされた場合などが該当します。

例えば、膨大な借金がある人が、死亡前に高額な保険商品に加入し、自殺した場合などが該当しますが、こういった場合、保険金が支払われないこともあります。また、犯罪行為をした場合も支払われないことが多いです。例えば、違法薬物に手を出し、その結果精神的に病んでしまい自殺をしてしまった場合などもモラルリスクの対象とされ、保険金が支払われないとされています。

保険に加入するときに自殺を考えて加入する人はいないと思います。ただ一方でメンタル系疾患に罹患をする患者数は年々増加しています。厚生労働省発表の患者調査によると2002年の精神疾患を患う患者数は258.4万人でしたが、2017年の同患者数は419.3万人と1.62倍に大きく増えています。

※参考:患者調査|厚生労働省

かつての日本における国民病というと、がん・脳卒中・心血管疾患が占めていましたが、厚生労働省が定める医療計画において、2013年からは“精神疾患”が追加されています。精神疾患は、『国民の健康の保持を図るために特に広範かつ継続的な医療の提供が必要と認められる疾病』とされており、これからも患者数が増えていく可能性もあります。自殺と関連性の高い精神疾患、メンタルヘルスも考えていきたいところです。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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