「明日亡くなる」可能性に備えて生命保険のデジタル化はどのようになっていくか【FPコラム】

デジタル遺産という言葉が注目されています。元気でいる間には1人で管理している自用パソコンのIDやパスワード、スマートフォンの中身、契約しているサブスクリプションのサービス情報などが、何かあった時に180℃方向を変えて「家族と共有すべきもの」になります。とりわけ生命保険の加入状況は、生前に家族と共有していた場合を除き、もしもに備えてどのように管理していけばいいか非常に迷うものでもあります。

亡くなったとき、保険会社への連絡は誰がどのようにするのか

(第一段階)
死亡保険に加入している人が亡くなったとき、保険会社へ連絡するのは「保険金受取人」です。保険証券番号、被保険者(亡くなった人)の氏名、亡くなった日、死亡原因、保険金受取者の氏名、連絡先、保険金受取人の連絡先を伝えます(アクサ生命のHPより)。

(第二段階)
連絡を受けた保険会社から受取人宛てに、死亡保険金請求書などの必要書類が届きます。返信の準備をしつつ、役所や病院から関係書類を取り寄せます。書類がすべて準備できたら、保険会社に連絡します。

(第三段階)
保険会社は書類を受け取り、死亡保険金の受取可否を判断します。支払が決定したら、すみやかに保険金が支払われます。

インターネット保険の場合

インターネット保険会社の場合も、やり取りは前項と同じく電話と書類でのやり取りです。マイページを活用したやり取りは可能ですが、あくまで医療保険や定期保険など「本人からの保険金請求を前提としたもの」です。これは、インターネットの本人認証のハードルの高さが理由です。死亡保険金請求など厳格な本人確認を前提としており、かつセンシティブな問い合わせである以上、悪意の有無に関わらず第三者からの問い合わせだったということは許されないためです。

マイページのID・パスワードは家族に教えておくべきか

そう考えると、元気なうちにIDとパスワードは家族に教えておくべきかという疑問が生じます。これには功罪両面がありますが、筆者は共有しておくことを強くお勧めします。

家族に生命保険情報を共有しておくメリット

契約者本人の病気やケガの場合も、円滑な保険金請求が必ずできるとは限りません。いわゆる家族に代理人として動いて貰えたら保険金請求も早まります。また生命保険には貯蓄性のある商品も多いため、満期金や解約返戻金を見込んだライフプランの組み立てや資金計画の面でもメリットがあります。

一方のデメリットはプライバシーの問題です。結婚後も財布を別にする家族が多いように、加入中の生命保険情報を共有することはデメリットの面もあります。ただ、両者を天秤にかけたときには、メリットの方が大きいといえるのではないでしょうか。

現状はこのように属人的に対応していくべき状況ですが、将来的にはどのように変わっていくのでしょうか。

将来的には自動的な保険金請求なども可能になる?

それでは今後、生命保険まわりのデジタル化はどのようになっていくのでしょうか。ここで重要なキーワードは「キャリア・KYC・ブロックチェーン」の3つです。

キャリア

キャリアとは、スマートフォンの運営会社を指します。サブスクリプションサービスの加入や解約をスマートフォンから紐づいている個人情報から行えるようにする、という動きが活発化しており、今後数年間にもさまざまなサービスが追加で使えるようになることが想定されます。生命保険に関しても、医療保険や定期保険などの生存保険はスマホ上から簡単な手続きをすることによって契約したり、保険金を請求したりできるようになるでしょう。

更に興味深いのがヘルスケアとの連携です。生命保険に加入するにあたって「告知義務」が必須ですが、その項目のいくつかは既にスマートフォンの機能で数値を採取できることです。今後更に技術が進むと、簡易検査をスマホで完了して、本検査を郵送もしくは店舗で、という裾野拡大が期待できるでしょう。

KYC

KYCとは「本人確認技術」のことです。生命保険の申込や解約の段階において、保険会社とやり取りをしている相手が契約者本人なのか、または保険金受取人本人で間違いないのかを確認するのはとても大切ですが、これまでの電話対応では限界がありました。ここに役立つといわれているのがKYCです。

2022年現在、KYCの主な方法は顔写真の撮影と、本人確認書類の動画撮影です。スマートフォンのロック機能に指紋認証や動脈認証が出てきていることを考えると、生命保険のやり取りにこれらが段階的に導入されるのも、そう遠い将来とはいえないでしょう。

ブロックチェーンを使って2回目の保険加入からは本人確認が不要になる?

最近新聞や雑誌を読んでいると、WEB3.0という言葉をよく耳にします。これはブロックチェーンに代表される最先端の技術を使って既存の仕組みを変える全体的な呼称です。このなかに生命保険に関する注目したい動きがあります。

最初の生命保険加入時に入力した各種の情報がブロックチェーン上に記録され、情報基盤として次回以降の保険契約時に活用できる仕組みです。これを使うと、2回目以降は告知義務のみで即時加入することが可能となります。この動きが進めば、現在所有している投資支度を変えるような負担の小ささで貯蓄型の終身保険を変える、という動きも増えてくるかもしれません。

生命保険のデジタル化は着々と進歩しています。ユーザーの立場からも、注目していきましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER'S PROFILE
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。

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