損害保険・少額短期保険

2024.04.04

大切なペットがケガをしたときは?ペット保険の請求について解説【FPコラム】

本記事はペット保険を案内していますが、「ペット」という言葉が不釣り合いなほど、家族の一員として犬や猫は必要な存在です。万が一病気になったとき、人間と同じく充実した医療を提供して大切な家族を守るため、ペット保険に加入している人も多いでしょう。いわばペットにとっての医療保険ですが、人間が入る保険と異なる部分もあります。もっとも顕著なのが、大切なペットがケガをした際の保険金の請求方法です。

当然ながらペットに人間のような公的保障制度はありません。ペット保険に未加入ならば、発生した医療費の全額を支払うこととなります。そのときの医療費負担の一助になるのがペット保険ですが、保険によっては医療機関の窓口で保険金支給が受けられないことも多いです。詳しく見ていきましょう。なお人間は「保障」という言葉を使いますが、ペット保険は「補償」を使います。

ペット保険の補償は基本的に後日精算

動物病院の窓口では、多くのペット保険が後日精算の仕組みを採用しています。動物病院でかかった治療費はいったん飼い主が全額を支払います。支払い時に診療費明細書や領収書、保険金請求書など所定の書類を保険会社に送付し、保険金を請求します。保険会社ごとに仕組みが異なるのではなく、動物病院ごとにペット保険の利用方法が異なります

書類を受け取った保険会社は審査・手続きを行ったあと、指定の口座に振り込まれます。請求から保険金が支払われるまでの日数は保険会社によって異なりますが、30日以内のところが多いようです。スマートフォンの専用アプリを使って、書類の郵送よりも手続きが迅速に進む保険の提供も広がっています。

窓口精算に対応している動物病院も

一方で窓口精算に対応している動物病院もあります。支払いの段階で所定の手続きを経て、その場で精算してもらいます。支払いは保険金を控除した自己負担分のみを支払いますので、金銭的負担は限定的なものとなるでしょう。ただ、この方法はすべての動物病院で使えるものではありません。窓口精算に対応する動物病院と契約している保険会社でのみ、この方法を利用することができます

窓口精算ありきで考えるのは危険

飼い主の考え方として、普段から通っている動物病院が窓口精算を受け入れているから医療費の確保が不要、と考えるのは危険です。ペットの医療は人間と比べても細分化されており、「〇〇の病気を治療できるのは△△病院」という事態がよくあります。また根本的な罹患原因がわかっていない病気も人間に比べ多いです。病気の内容により転院をしたり、セカンドオピニオンを求めたりという事態も頻繁にあります。

またペット保険で加入者が多いのが通院補償です。離れた病院に通うとき、飼い主の交通費も大きな負担です。この部分が補償内容に含まれているペット保険も多いです。日常の心持ちとしては、ペットと暮らすときの万が一の対策として、自宅にいる動物にどのような病気のリスクがあるのかを考え、そのお金を出せる状態にしておくことをお勧めします。

普段は主治医として頼っている病院が窓口精算に対応していても、病状によっては後日清算の可能性があることに留意しましょう。

窓口精算のペット保険は保険料が高い

実際に動物病院を利用することになったときの手間を考えると、窓口精算が可能なペット保険をお勧めします。ただ、窓口精算のペット保険は、後日精算のペット保険と比べると保険料が高くなりがちです。後日清算で手間がかかるが相対的に保険料の安いペット保険を選ぶか、便利な窓口精算で保険料の高いペット保険を選ぶかの選択肢となるでしょう。

ペット保険の請求の流れ

一般的なペット保険の請求の流れです。保険会社によって異なる部分もあります。

(ステップ1)診療費全額の支払い
診療費を全額支払い、診療明細書を受け取ります。動物病院のなかには診療明細書の提供がされないところもあるため、保険会社所定の明細書を持ち込み、記載を依頼する場合もあります。
※保険会社によっては窓口精算に対応しているところもある
(ステップ2)必要書類の郵送
保険金請求書類一式を保険会社に郵送します。
(ステップ3)保険金の受け取り
必要書類の到着後、30日前後で指定口座に保険金が振り込まれます。

診療明細書には何が書かれるのか

ペット保険の請求手続きでもっとも大切な診療明細書ですが、何が記載されるのでしょうか。主に以下の内容が記載されます。書類の内容も保険会社によって異なります。

・契約者または被保険者(飼主)氏名
・ペットの名前
・動物病院の情報(病院名・所在地・電話番号)
・診察日
・診療項目(〇〇検査・〇〇薬など)とそれぞれの料金

ペット保険には待機期間がある

ペット保険の請求関連で注意点となるのが待機期間です。待機期間があると認識して加入する飼い主のほかに、加入してから待機期間があることに気づく人もいます。ペット保険は人間の保険ほど一般的ではないため、特に請求においてはどのような仕組みとなっているか、可能な限り加入時にチェックするようにしましょう。

なぜペット保険には待機期間があるのか

待機期間とは、保険期間が開始された後でも一定の期間中にかかった傷病や、先天的な疾病を補償の対象外とする期間です。保険会社により、免責期間と呼ばれることもあります。

ペット保険は基本的に、ペットが健康であることを前提に保険料を計算しています。人間ほど関連医学が発達していないため、加入者に「告知義務」を設けることができません。かつ、当然ですがペットは話すことができないため、体調がどのような状態なのか説明できません。よってペット保険の保険会社は一定期間の待機期間を設け、補償の対象外としています。

待機期間に治療を受けたらどうなるのか

待機期間に治療を受けた場合は、保険金を受け取れることはありません。「待機期間について知らなかった」という主張をされる場合もありますが、このような事態を防ぐため(ペット保険に限らず)保険は加入時に書類での丁寧な説明が義務付けられています。

更新の際の値上がりをどう考えるべきか

ペット保険の加入者にとって、更新の際の保険料の値上がりは大きな悩みです。更新を迎えたときに「こんなに上がるの?」として更新を止めてしまうというケースもあります。ただ、公的保障がないなかで、ペット保険は医療費負担を軽減する重要な拠り所です。家計への負担を考えながら、万が一の事態に向けて加入継続をお勧めします。

まとめ:平時にこそペット保険の請求をする想定をしよう

ペット保険の請求まわりをまとめました。後日支払いか、窓口支払いかを含め、ペット保険の請求時には注意を要する仕組みがあります。ただ、ペットが病気やケガの治療と向き合うなかで詳細を確認するのは飼い主にとっても大きな負担です。平時にこそ、自分の家族が加入しているペット保険はどうなっているのかを調べ、万が一に備えて準備するようにしましょう。たとえば窓口支払いがわかっていたら、病気の際にもお金の心配をしなくても済みます。何もないときに可能な限りの準備をして、備えるようにしましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤崇

FP-MYS代表。ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。(執筆実績はこちら:https://fori.io/takashi-kudo)

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