保険業界のリアル

2023.11.21

保険は店舗でもオンラインでも入れる時代、どこで相談すればいい?【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

万が一の事態に備えて加入する保険。生命保険文化センターの直近の調査によると、生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は89.8%、医療保険・医療特約の加入率は93.6%に及んでいます。

とはいえ「保険に興味はあるけれど、どこで相談すればいいの?」とお悩みの方も多いでしょう。

この記事では、保険の相談や加入をする方法とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。納得のいく保険選びができる加入方法を選ぶための参考にしてください。

※参考:2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査|公益財団法人生命保険文化センター

生命保険の相談と加入ができる3つの方法

生命保険の加入経路に関する調査結果(生命保険文化センター調べ)は次の通りです。

加入経路 比率
生命保険会社の営業職員 55.9%
保険代理店の窓口や営業職員 15.3%
通信販売 6.4%
※参考:2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査|公益財団法人生命保険文化センター

加入方法ごとのメリット・デメリットを紹介します。

1.生命保険会社の営業職員

各生命保険会社の営業の方から保険に加入する方法です。
通常、1人1担当制で各お客さまごとに担当者が提案から申込み手続き、契約後のアフターフォローを行います。
営業担当者が職場や自宅に訪問して、相談から申込み手続きまで行うことが一般的です。喫茶店やファミレスなどで商談しているケースもよく見かけます。

生命保険会社の営業から入るメリット

ちゃんと担当者がついているので、必要な保障や保険契約の内容について、しっかり相談にのってもらえます。他に、分からない点はすぐ確認できること、契約後の安心感があることが挙げられます。

生命保険会社の営業から入るデメリット

担当者の予定にあわせて保険検討のための時間を作る必要があること、担当者によって提案やアフターサービスの質が大きく変わること、自社の生命保険単独となるため提案できる保険が限定されることなどです。

2.保険代理店

各生命保険会社から委託を受けた保険の代理店の営業の方から保険に加入する方法です。大半の代理店は複数の保険会社から委託を受けており、たくさんの保険商品の中ならお客さまにあったものを提案しています。
営業担当者は、1人1担当制の場合もあれば複数人で共同で担当する場合もあります。相談場所は、代理店の窓口(保険ショップや銀行など)、自宅や職場訪問など代理店によってさまざまです。

保険代理店で入るメリット

複数の保険会社の複数の商品を比較しながら、自分にあった保険を選ぶことができることです。同じ保険でも、年齢や性別ごとに保険会社によって保険料が異なります。死亡、医療、がんなどの保障を目的別で複数の保険会社の商品からいいとこどりができ、1つの窓口で手続きができる点も利便性や価格面でのメリットと言えます。

保険代理店で入るデメリット

担当者の予定にあわせて保険検討のための時間を作る必要があること、担当者によって提案やアフターサービスの質が大きく変わること、提案される商品が変わることがあることです。

3.通信販売(ネット保険)

通信販売専用の保険会社に、自分で直接インターネットや郵送から申込みして加入する方法です。

通信販売(ネット保険)のメリット

いつでも気軽に自分の好きな時間に検討できること、比較的保険料が安く抑えられていること、人と会う必要がないことです。保険料は対面販売の商品と比べ人件費のコストが削減できる分、比較的安くなっているものが多いです。
オンラインで商品の内容を確認できるだけでなく、チャットや電話で分からない点の相談ができる保険会社もあります。

通信販売(ネット保険)のデメリット

他の保険商品や保険会社と比較検討したい場合は自分で調べる必要があること、高額な保険契約など通信販売で入れない保険もあること、契約後のアフターフォローが担当制の場合と比べて手薄になる可能性があることです。

納得できる保険の相談をするためのポイント

どこで相談する場合でも、事前に用意しておいたほうがいいものや、注意が必要な点がありますので、確認しておきましょう。

保険の相談をするとき必要なものは?

保険の相談をするときや、ご自身で通販の保険について検討するときは、次のものを用意しましょう。

  • 既に加入している保険の保険証券
  • 資産の状況が分かる書類
  • ねんきん定期便

また相談後すぐに契約まで進みたい場合は、次のものも必要になります。

  • 身分証明書
  • 契約書に押印する印鑑
  • 保険料を引き落とす銀行口座の通帳、印鑑あるいはクレジットカード
  • 健康告知に必要な書類

ファイナンシャルプランナーに相談すべき?

ファイナンシャルプランナー(FP)は、保険だけでなく、「お金」に関するさまざまな知識を持っています

たとえば、保険に加入するときは「万が一の場合に必要な保障」を、家庭ごとの資産状況や事情に合わせて算出しなければなりません。月々の保険料支払いが家計を圧迫しないかも確認が必要です。

このようなお金の計算が必要なとき、ファイナンシャルプランナーが頼りになります。

FP資格を持つ人は、保険をはじめお金に関する幅広い知識を持つことがわかりますが、FP資格を持たない人にも知識が豊富な人はいます。資格を持っているかどうかは、1つの目安程度に考えるといいでしょう。

オンラインのチャットで相談って本当に大丈夫?

保険の相談をメールやチャットでできる保険会社もあります。
メールやチャットは、相談内容を後から見直すことができ、対面相談では緊張してしまう人も、落ち着いて相談できるというメリットがあります。知識をもつオペレーターが対応してくれる会社がほとんどです。

ただ、相談が多い時間帯には返信が遅れることや、深夜など相談を受け付けていない時間帯もあります。

プレゼントやキャンペーン、利用しないと損?

保険会社や代理店が、さまざまなプレゼントやキャンペーンを行なっています。
「ご契約いただいた方にプレゼント」
「無料でファイナンシャルプランナーに相談できます」
などがその例です。

しかし、私たちは保険に加入する目的を見失わないことが大事です。
「万が一の場合でも、生活に困らないよう、必要かつ十分な保障を得る」
これが一番の目的です。

保険会社や代理店で、納得がいく契約や見直しができた上で、プレゼントをもらえたり、キャンペーンで得をしたりするなら、よいかもしれません。

でも、必要のない見直しをしたり、キャンペーンやキャッシュバックの条件に合わせようとした結果、必要な保障が得られない状態になるなら、本末転倒ですので注意しましょう。

まとめ

生命保険に加入する方法には大きく分けて3つあり「生命保険会社の営業職員」「保険代理店の窓口や営業職員」「通信販売(ネット保険)」が挙げられます。

どの方法にもメリット・デメリットがあります。

  • 担当者とじっくり相談して選びたいか、それとも自分で判断できそうか
  • さまざまな保険会社の商品を比較して選びたいか、それとも1社の商品に絞り込めているか
  • 担当者と会う時間や場所が作れそうか、難しそうか

など自分の状況や希望にあった方法を選びましょう。

保険の相談をするときは、既に加入している保険の証券、資産状況がわかる書類などを準備しておけば、家庭の実情に沿った相談結果が得られるでしょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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