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2024.05.16

がん保険の加入で気をつけるポイントは?【住宅FP関根が答える!Vol.101】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
みなさんは、がん保険をどのように選ばれていますか。2019年に国立がん研究センターから発表された最新がん統計によると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性で65.5%、女性で51.2%と、国民の2人に1人以上となっています。また、2022年に厚生労働省から発表された人口統計調査によると、日本人ががんで死亡する確率は男性で27.9%(4人に1人)、女性で21.1%(5人に1人)となっています。がんは国民の多くが罹患をする病気なので、そのがんに備える保険としてがん保険は根強い人気があります。本日は誰しも罹患しうるがん、そしてそのがん保険に加入する際のポイントを解説していきたいと思います。

※参考:最新がん統計|国立研究開発法人国立がん研究センター
    令和4年(2022)人口動態統計(確定数)の概況|厚生労働省

がん保険に加入する際の注意ポイント

がん保険に加入する際に、注意すべきポイントがいくつかあります。加入してみたはいいが、後になって思っていた保障と違っていたと後悔することがないように、ここではがん保険を選ぶ際に注意しなければいけないことを確認していきます。

免責期間

まず日本で発売されているがん保険の多くには「免責期間」というものがあります。

この免責期間とは、がん保険に加入していても、保険会社によるがん保障をしてもらうことができない期間となり、この期間中にがんになった場合、給付金が支払われることはありません。この免責期間は多くの場合90日または3ヶ月とされています。つまり契約から3ヶ月程度は保障されない期間があり、商品によってはその保障されない期間も保険料が発生するものもあります。

そもそもこの免責期間は何のためにあるのでしょうか。がんという病気は時に予兆を感じることがあります。分かりやすい例でいえば、女性が入浴中、身体を洗っているときに乳房にしこりを感じたといった場合や、血便があったなどといったことです。そういった際に不安になり、まずはがん保険に加入してしまい、保険が成立した後に安心して病院に行く人がいます。このように、がんという病気は予兆のようなものが見えることがあるため、がん保険は加入から3ヶ月程度、保障がされない免責期間が設けられています。この免責期間中にがんに罹患した場合、保障される事は無いため、加入のときには注意が必要です。

またこの免責期間は、保険の乗り換えの時にも注意が必要です。通常保険の乗り換えは、新しい保険が成立した後に、古い保険を解約するという流れになるのですが、がん保険の場合には、保険が成立しても免責期間により、3ヶ月程度保障されない期間があるため、保障の空白期間ができてしまう可能性があります。がん保険の乗り換えをする際には新しいがん保険が成立したらすぐに解約をするのではなく、新しく加入したがん保険の責任開始日がいつからなのかを確認しながら解約してもらいたいと思います

入院日額タイプと一時金タイプ

がん保険は入院や通院の日数に応じて支払われるタイプと、一時金が支払われるタイプとに分けられます。この支払われるタイプによっても気をつけなければいけないことがあるので確認しましょう。

日額タイプの保険に加入するときの注意点として、最近短くなっている在院日数を考えていきたいです。厚生労働省の「病院報告」によると、入院日数が長くなってしまいがちな「療養」、「精神」、「結核」等の病床を除いた「一般病床」だけに限って見てみると、1984年の39.7日が、2005年には約半分の19.8日になり、さらに2022年には16.2日になりました。38年間で1入院あたり、23.5日も入院期間が短くなっています。最近、入院は手術をするための入院という意味合いが強く、手術後は数日間の経過観察後、すぐに退院をさせられてしまい、そのあとは通院で継続治療をすることが増えています。そのため入院給付金のみでは十分な保障が得られないことも考えられ、日額型の保険に加入する場合、通院給付金もセットで加入することをお勧めします

※参考:令和4(2022)年 病院報告|厚生労働省

一方で一時金型といわれる、がんと診断確定された場合に100万円や200万円などまとまったお金を受け取ることができる保障の場合、すべてのがんに対して満額受け取ることができるのかを確認する必要があります。がんには上皮内新生物と悪性新生物があり、上皮内新生物は比較的初期の段階で発生したもので、完治しやすいがんといわれているのですが、この初期のがんである上皮内新生物の場合、保障されない商品もありますし、通常の給付金額の10分の1しか保障されない商品もあります。近年発売されているがん保険は、上皮内新生物でも満額の給付金が受け取れるというものが多くなってきているのですが、加入の際には必ず確認をしてください。

また一時金型の場合、がんと診断確定された場合に給付されるのか、診断確定後に治療を開始したときに支払われるのか、がんと診断確定後に入院をした場合に支払われるのかなど、がん一時金として給付金が支払われる場合でも条件は異なるため、加入の際には注意が必要です。また古い保険だとがん一時金は、一度支払われたらその保障自体が消滅するものもありますし、2年に1度を限度に何度でももらえる場合や、1年に1度を限度に何度でももらえる場合など、保障内容は様々です。加入前にこういった保障内容も確認をする必要があります。一口にがん保険といっても様々なタイプや気をつけなくてはいけないところがあるため、加入後に後悔することがないように確認することが必要です。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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