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2024.07.05

海外で病気やけが!日本の保険は使えるの?【住宅FP関根が答える!Vol.107】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。コロナ後の消費、円安も重なり、今年に入り急激に訪日観光客が増えています。逆に円安の影響から海外へ行きそびれている人も多いと思いますが、それでも旅行やビジネスで海外を訪れた人の数は多く、日本政府観光局(JNTO)の速報値によると2024年3月の数値として約122万人だったということです。

※参考:出国日本人数|日本政府観光局

数日間外国を訪れる海外旅行でも、転勤などによる海外赴任でも心配なのは海外での病気やけがなどの体調不良です。長時間の移動による疲れや時差、慣れない食生活や、国によっては日本のように衛生的ではない国も多く、体調不良が起きてしまうということは十分にあり得ます。今回は海外を訪れた際に起こった体調不良について、日本で加入している保険が適用になるのかどうかということを解説していきます。

海外での病気やけがは保険対象になるの?

結論から言うと、海外での病気やけがも日本で加入している入院保険、手術給付金などは使えることが多いです。給付金請求の手続きも日本での入院とほとんど一緒です。

保険金の申請には診断書が必要になりますが、英語表記でも可能な保険会社が多いです。ただ海外の医師に診断書を作成してもらう場合、注意しなければいけない点があります。日本での保険金請求に使われる診断書は、保険会社が指定する診断書のひな型を用いて請求することが多いのですが、海外で診断書を発行してもらう場合、言葉も違うため、入院をする病院のひな型を使用し発行してもらうことになります。その際、保険金請求で必要な情報が記載されていないこともあり、日本に帰国後必要事項が記載されている診断書を再取得することもあります。

慣れない英語で入院をした病院に問い合わせ、必要事項を正確に伝えることは難しいと思います。できれば診断書に記載される必要事項を保険代理店などにしっかりと確認をしておいてください。

数日間の海外旅行でしたら以上のような手続きでいいのですが、数年単位で行くことになる海外赴任などは保険会社ごとの手続きが必要なことが多いです。多くの場合、海外の居住地を登録することはもちろんなのですが、国内で郵便物などを受け取ることができる2親等以内の住所を登録する必要があります。具体的に2親等とは祖父母、兄弟姉妹のことをいいます。この部分は保険会社ごとに違うため、詳しくは加入している保険会社に確認をする必要があります。

海外で治療を受けると高額な医療費が請求される!?

海外で病気やけがを負った場合、日本の健康保険は適用されません。そのため、海外で保険診療を受けることができない治療費はかなりの高額なものとなってしまいます。

日本と大きく異なるのは救急車が無償ではないということです。救急車は電話で呼ぶことができますが、日本とは異なり全て有料となっています。またタクシーのように走行距離によって金額が変わります。その際に行き先の指定をすることもできません。行き先を指定したい場合には、「自力で行く」「民間や医療機関の救急車を呼ぶ」といった対応が必要です。救急車を呼ぶだけでもアメリカ合衆国のロサンゼルスでは12万円以上の金額がかかってしまいます。

海外での治療費の事例としては、心不全と診断され入院となり、約2,300万円が請求された例や、ほかにも、感染性心内膜炎と診断され入院となり、約2,300万円の請求となった例、交通事故の治療で約2,100万円となった例など、実際に多額の医療費が請求されています。

正直、この金額になってしまうと日本で加入している医療保険、入院給付金で賄えるものではないと思います。やはりこういった海外での病気などに関しては損害保険の分野である海外旅行保険への加入は必須になってきます。

また、最近はキャッシュレスも推進されていることからクレジットカードを所有している方も多いと思います。多くの場合にはその所有しているクレジットカードが海外旅行保険の対象になっています。みなさんも所有しているクレジットカードの海外旅行保険、保障内容を旅行前には確認してみましょう。クレジットカードで保障できない必要な分は損害保険で追加加入するとよいかもしれません。

ここで実際にクレジットカードに付帯している海外旅行保険について考えてみましょう。今回は人気の高いアメリカン・エキスプレスカードにてお話します。アメリカン・エキスプレスカードの海外旅行保険の適用には条件があります。旅行傷害保険にはカードの種類によって、旅行代金をアメリカン・エキスプレスのカードで支払うことが条件となるカードと、

カードのご利用がない場合でも自動で付帯されるカードがあります。

旅行傷害保険の補償の対象となるのはカード会員とその配偶者、およびカード会員と生計を共にするご家族が対象となっています。

旅行代金をアメリカン・エキスプレスのカードで支払うことが条件となるカードの場合、保険が適用になる旅行代金の支払いとはどういった支払いでしょうか。一つ目は旅行前に日本国内にてカード決済された、日本出入国のために時刻表に基づいて運航される国際航空機または国際船舶のチケットやパッケージ・ツアーの料金の支払いです。二つ目は日本国内でのカード決済がない場合、出国後に海外で時刻表に基づいて運行される公共交通乗用具のチケットの料金の支払いです。

もちろん、所有しているクレジットカード会社によっても条件や補償金額など異なりますので必ず旅行前には確認が必要です。その時々で補償額などが変わる可能性がありますので、くれぐれもご参考程度にしてください。皆さんのクレジットカードはいかがでしょうか。また、先進国に行く際にはクレジットカードが使える国も多いかと思いますが、そうでない国に行く場合にはまだまだクレジットカードが使えない国も多いです。そういった国に行く場合、現地での支払いがない場合、補償の対象にならないこともあります。その場合にはやはり海外旅行保険の加入もお勧めいたします。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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