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2024.10.09
共済と民間保険どっちの方がいいの?【住宅FP関根が答える!Vol.119】
みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
長年保険募集人をしているとよくいただく質問があります。
「共済と民間保険はどちらに加入した方がいいですか」
というものです。結論から申し上げますと、その人の年齢や必要になる保障内容により異なります。結局のところ、保険に加入したいその人に必要な保障内容をより安く加入するということが1番お得な加入方法になります。今回は共済と民間保険、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて解説していきたいと思います。
共済の特徴
まず共済はほとんどの場合において掛金(民間保険でいう保険料)は掛け捨てとなっています。また、掛金は年齢に関係なく一律であることが多く、一般的な民間の保険商品に比べて安いことが特徴です。そのため、20歳で共済に加入しても、50歳で加入しても掛金は変わらないことが多く、特に高齢者が共済に加入すると民間保険に加入するよりも掛金は割安となることが多いです。しかし、掛金が一律であるということは、変化していくのは保障金額です。そのため、若いうちは保障金額が大きくても、高齢になると若いうちに比べると保障金額は少なくなってしまいます。また、共済は民間保険と比べて加入審査が比較的緩やかであることが多いです。現在は妊婦さんでも加入できる共済もあり、民間保険で加入が難しい方も加入がしやすい場合があります。
共済の特徴として最も民間保険と異なるところは、共済商品がパッケージタイプとなっており、医療保障やがん保障、死亡保障などが1つに組み込まれている商品が多いということです。
1つの商品に加入するだけで一般的な保障はカバーすることができ、複雑性が低く、管理もしやすいです。しかしその分、民間保険に比べて安い掛金で様々な保障に対応しているため、保障金額が少ないこともあります。若い時の数日の入院の場合には足しになると考えられる保障金額も、高齢になってからの長期入院などになってしまうと、保障金額が足りないということもあります。
また、パッケージタイプになっているということは医療保険だけを契約する、といったように保障の分野を絞って加入することはできません。そのため、本来必要のない保障にも掛金を支払う必要があります。さらに共済には倒産リスクがあります。ここに関しては民間保険とは大きく異なります。倒産リスクがあるということは、老後に倒産してしまった場合などは、審査の問題などでその後民間の保険に加入することもできなくなってしまい、1番大切な老後に、保障がなくなってしまう可能性もゼロではないということです。
民間保険の特徴
では民間保険はどういった特徴があるのでしょうか。共済は一般向けの基本的な保障といったところですが、民間保険はより、保険契約者にパーソナライズされた保障と考えることができると思います。具体的にどういったところが違うかというと、まずは保険料です。共済が年齢に関係なく掛金が一律なのに対して、民間保険の保険料は、年齢や性別、直近の健康診断の結果などによって細かく保険料が設定されています。そして、共済に比べて保険加入の審査が厳しいというところもあります。
また、民間保険は保障の分野によって商品が分かれていることが多く、医療保障は医療保険、がん保障はがん保険、死亡保障は終身保険や定期保険と、その商品ごとに加入をする必要があります。そのため、複数の商品を掛け合わせて保険に加入する手間は増えますが、その人にとって必要な保障のみに加入することができます。さらには、特約やオプションなども数多くあるため、より自分に必要な保障内容に加入することができます。保障内容や保障金額を細かく設定できることも民間保険のメリットとなります。しかしながら、民間の保険は年齢により加入時の保険料が変わるということは、高齢時に加入した場合の保険料は必然的に大きくなってしまいます。この辺りが民間保険のデメリットと言えるでしょう。
先ほど共済は倒産リスクがあると言いましたが、民間保険には公的なセーフティネットがあります。そのため、万一加入していた民間保険が倒産してしまった場合にも、ほかの保険会社や生命保険契約者保護機構に契約を引き継いでもらうことができ、契約内容は保護されます。このあたりは共済と比べて大きな違いになるでしょう。
保険はやはり、加入したい方の年齢や家族構成によって必要保障額が大きく異なります。そのため、保険に加入する上で1番お得に、そして確実に加入する方法はしっかりとしたプロに自分にとって最適な必要保障額を算出してもらうことです。保険会社の人に言われるがまま保険に入る時代はもう終わりです。保険会社の人はその保険を売るために必要保障額の算出を行っているため、その募集人にとってメリットのある契約の提案をする方も一部いらっしゃいます。第三者フラットな目線で必要保障額の算出をしてもらうことをお勧めいたします。
WRITER’S PROFILE
㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直
ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。